今回は海外の転生者達の視点でお送りします。
キャラ紹介はもう少しだけ待っていただけると幸いです。
~転生者達が集まりだしてからまた数年~
1936年2月26日、青年将校団決起ス。
いわゆる「二・二六事件」の始まりである。
この世界では、この事件の顛末を非常に気にしていた人物達がいた。
今回はそんな、この世界における各国の視点での本事件の話をすることとなる・・・・。
~大英帝国、ケント州チャートウェル、キィストン・チャーチル邸~
「ロイド君、君のが話に聞いていた日本の事件の結末が判ったよ。」
「本当ですか!?して、結果は?」
「・・・・恐ろしい結果だね、
「・・・・うわぁ、覇天がいるのか……参ったなぁ。」
「……そんなに覇天とか言う男は凄まじいのかね?」
この日、チャートウェルのチャーチル邸には後に英国首相となるキィストン・チャーチルのほか、「チャーチルの懐刀」とまで呼ばれた英国政治家、ロイド・バーミンガムとその夫人、ルサルカ・バーミンガム夫妻がいた。
ロイドとチャーチルは互いに転生者であり、若い頃からの長い付き合いの仲である。
又、ロイド夫妻が創作達のいた《明和世界》からの、チャーチルはさらに特殊な経緯の転生者だったこともあり、チャーチルは気兼ねなくロイドとルサルカに覇天について訪ねるが、ルサルカが出した返答はチャーチルを戦慄させるにふさわしいものだった。
「凄まじい何てもんじゃないわチャーチル卿、卿は、彼が前世にて満州に攻めて来たソ連軍10万を友軍の撤退支援の為だけに相手取り、覇天と同等のチート副官、ついでに残った決死隊と併せてたった二百人で挑んで、終戦数日後まで足止めして副官共々生還して見せたチート野郎だなんて言う話、信じれる?」
「・・・・とても信じられる話ではないが……証拠があったのだろうな。」
「その通り、
「しかも、自身と副官を除いた決死隊198名はソ連軍撃退の為の大量のトラップ作成だけが仕事だったし、そんなわけだから結局のところ、ソ連軍10万を相手取ったのは実質彼とその副官だけだ、前世そのままのスペックだったらチートも良いところだ。」
「…………いかん、そんな化け物相手に我が軍が勝てるビジョンが思い付かない。」
「ただ、彼が単独で先行して反乱軍を潰しに掛からなかった辺り、まあまあ弱体化してるみたいね、陣頭指揮は取っている辺り銃弾を弾き返せるくらいかしら?」
「それほどの男なのか……、ああそうだ、話は変わるんだが、この事件、警視庁も反乱軍に狙われていたが、これも史実と違い、反乱軍側が警視庁占拠に失敗してるんだよ、警視庁を守り通して見せた槇田信重とか言う署長、対戦車のことも考えると事前防備を固めていたと考えられる、警視庁襲撃を察知していた可能性が高いな、侮れんぞ。」
「本当ですかそれ?有能な人物が警察にもいるのか・・・・日本チート化待ったなしだな。」
「私の前世も日本は凄まじいものだったが・・・・この世界でも胃が痛くなりそうだ・・・・」
「・・・・だが、最も注意しなくてはならないのは……」
「ハインリッヒね…………チャーチル卿、多分この世界も貴方の前世と似たような顛末になると思われるわ、何分現状の時点では打開しようがないもの。」
「ヤツめ…………この世界でもアメリカの助力は期待できないのが痛いな。」
「ヘンリー・ルーズベルトか・・・卿の前世を元手に考えるとやはり影も…………」
「いるだろうな……そして何としても日本を戦争に引きずり出そうとするだろう、
「避けようがない……か、貴方、これからどうする?天之や蒼井とコンタクトを取る?」
「いや、ここら辺の事は彼らも気づいてるはずだ、今はドイツをどうするか?、だ。」
「そうよねぇ、日本が出した法案をそっくり真似してウチとフランスは女性軍人の募集始めたけど、予想外に志願者が多くてビックリしたわ。」
「フランス軍部もなかなか優秀な人材が揃ったからか、慌てて採用枠を増やしてる程だからな。」
「一方、予想に反して、アメリカは法案を財務省におじゃんにされて女性軍人の登用に失敗、ドイツは登用する気配なし、中華は内ゲバでそれ所でなく・・・・、割と女性軍人登用を行ったる国って少ないんだな。」
「日本を除くとフランスと我が国、後は満州って所かね、」
「我が国での対策もそうだが、フランスはもっと危機感を持って欲しいものだ。」
「ド・ゴールとかがいるけど現状ではな、さて、先月分の日本への諜報員からの報告がそろそろ纏まる筈だから、確認するとしよう。」
チャーチル邸にて話を進めていくチャーチル達、英国の空は、今だ平穏の中にあった・・・
ドイツ第三帝国
ヴィルヘルムスハーフェン港。
「どうだねウェダン君、この最新鋭艦は、」
「・・・・とんでも無いものを建造してしまった、って気分ですね、この艦があれば英国海軍にも負けないかと。」
「いや、まだまだ海軍力は英国海軍に遠く及ばんよ、空軍もそうだが、海軍は早急に戦力拡充を行わんといかんからな。」
「ですな・・・(うわぁ・・・・メチャクチャヤバイぞこのヒトラー、海軍の必要性をある程度理解してる・・・・。)」
ヴィルヘルムスハーフェンのドックにてドイツ第三帝国総統、ハインリッヒ・フォン・ヒトラーと、海軍少将、ウェダン・ラインラントは建造中の戦艦「インゲノール二世」級戦艦を見学しながら、二人で会談を行っていた。
この「インゲノール二世」級、こんな名前聞いたことないぞ!どう言うことだ!
と思われる方々のために簡単に説明すれば、なんとコレ、史実で言う「Z計画」において計画された「H39級」戦艦に該当する戦艦なのである、史実においてはこの頃だとまだビスマルク級が起工したばっかりだと言うのに、この世界では再軍備と同時にビスマルク級を竣工、航空母艦グラーフ・ツェッペリンの起工にまで至っていたのである。
艦名だが、第一次対戦期のドイツ大洋艦隊司令官、フリードリヒ・フォン・インゲノール提督が元となっている。
「リッペ君とレーダー提督が海軍力の拡充を何度も具申してきてな、英仏の目を誤魔化しながら秘密裏に建造するのには苦労したものだ。」
「一時期《ティルピッツ二世》の存在がバレそうになって大変でしたからね、所で総統閣下、他の艦の申請に関してはどうなったのでしょうか?」
「ああ、空母量産と海軍用の航空機の開発、製造の本格化の話だね?海軍の頼みの空母量産は余が総統命令で海軍に伝えといたよ、君の頼みである航空機の方はゲーリング君とリッペ君の対立を余が直々に仲裁しといた、来月から本格的な海軍機開発と空母量産が始まる予定だ。」
「ああそうそう、ウェダン君、今伝えとくが、君を来月辺りにでも中将に昇進させる予定だ、対英、仏戦が起きたら英仏の艦隊を相手に指揮を取ってもらう予定だから、心の準備をしとくように。」
「はっ!」
(ふむ、やはり彼は優秀な人材だな、ウェダン君のお蔭で空軍と海軍の下らん争いに良い鎮火材を投下できた、各軍の争いを収められれば我が大望も成しやすくなるからな、彼には艦隊運用で更なる活躍を期待するとしよう。
空母量産に関しては日本が最近、内乱鎮圧に海軍航空隊を使用したと聞いた時、余の判断は正しいと改めて強調できたのが大きかったな。)
ハインリッヒは内心でこう思いつつ、ウェダンと別れ、最近起工した空母「ペータ・シュトラッサー」の見学へと赴く・・・・。
「ふう・・・・ただいま。」
「お帰り、ウェダン、見学、どうだった?」
「やはり凄まじい物となっていたよ、ヤバイとこやらかしたな、まさかマジであの計画が通るとは・・・・。」
「計画通ったのか・・・・予算大丈夫なのかね、」
「陸軍の機械化と空軍拡充が割と遅れてるらしいからおあいこだろうな、所で姉さん、そっちはどうなの?。」
「割と自由に回れているわね、この時代、娯楽に金使ってる余裕無い時期の筈なのに各地を回ってショーをひらく度大盛況よ?」
「軍や政治のお偉いさんとかもよく来てな、この前ベルリンでのショーの時に、お忍びで総統閣下が来てたのを見つけたときは腰が抜けそうになったよ・・・・。」
総統と別れ、軍港近くの邸宅に一時帰宅したウェダンはそこで姉のアウドムラ・ノードレッドとその夫、ウィルグレム・ノードレッド、そして兄のブロント・ラインラントと、近況について語りながら一時を過ごす。
姉のアウドムラは夫ウィルグレムの家に嫁いだ人気マジシャンである、「タネを誰にも見破れないマジック」を夫と共に世界中で披露しており、欧州各国とアメリカでショーを開きながら、最近帰ってきたばっかりであった。
兄ブロントは一外交官出会ったのだが、この後駐日大使として日本へと赴く予定であった。
因みにこの4人、揃いも揃って転生者である。
「所でウェダン、226事件終息の話は聞いたか?」
「いや、俺は海外事情に疎いからなー、あれどうなったの?」
「史実と違って、武力鎮圧になったわ、戦車隊の一部まで反乱軍に加わって、斎藤実と岡田啓介が生存してるけど、高橋是清と鈴木貫太郎夫妻が死亡して天皇激怒、岡田が鎮圧開始途中まで救出できず、死んでたと思われてたのが原因で鎮圧が開始され覇天の連隊と創作の艦隊が中心となって交戦、鎮圧部隊側の被害殆ど無しで、反乱軍は捕まった一部を除いて殆どが殲滅されちゃったわ。」
「うわぁ・・・・覇天と創作のヤツが鎮圧の中心かよ、ってか何で天皇がそこまで・・・・あっそうか侍従長が夫人揃って殺されたからか、反乱軍側御愁傷様、あの二人が本気になったら敵さん涙目間違いなしなのに・・・・。」
ウェダンは前世の事を思い浮かべながら、前世良くつるんでいた創作や覇天の事を思いだし、ひっそりと反乱軍の冥福を祈る。
「後、槇田信重とか言う男が中心となって警視庁を防衛し、警視庁を守りきって見せたそうだな、この男、かなり有能とみて間違いないだろう。」
「引き続き調査が必要だな~、そろそろ創作達と接触しようかな?」
「あっちは事後処理で忙しいだろうからまた今度にしとこうやんでだ、姉さん達に伝えなきゃいけないことがある。」
「「「え?(ん?)」」」
「総統に気に入られた見たいだ、俺、来月から中将だって。」
「「「はああああああああ?」」」
(ヤッベエ、まさかヒトラーに気に入られるとはな・・・・創作、戦場で合間見る羽目になったらスマソ)
その日、ヴィルヘルムスハーフェンの空に、三人の声が木霊することになった。
そして、そんな彼らを他所に世界はやはり、「史実」と同じ道をたどり始めようとしていた・・・・
~続く~
もうそろそろ序章も終わりです。