今回は開戦直前辺りからです。
~第1話~開戦~
1941年11月26日。
この日行われた野村・来栖-ハル会談で、ハルは日本側の最終打開案である乙案に対する拒否の回答を伝え、史実通り「ハル・ノート」を手交した。
「ハル・ノート」、史実に置いても開戦の理由となっていた代物であったが、この世界でも、開戦の契機となる・・・・その形は史実と比べると異質ではあったが。
「内容、確認させてもらいました、すぐさま、本国に連絡致します。」
交渉全権、来栖三郎大使及び野村吉三郎大使は、史実と同様のハル・ノート文面を確認した後、上記のように一言、そっけなくハルに伝えた後、一旦その場を去ることとなった。
そして、それからわずか数日後、衝撃的なニュースが世界を駆け巡ることとなる。
~1941年12月1日~ホワイトハウスにて~
この日、突然南条内閣が総辞職し、後任として槇田信重が首相となり、新たな政府首班を形成した。
そして・・・
「大統領閣下、大変であります!!」
「どうした、日本の首相が槇田に変わったのは聞いているぞ、奴ら、アレを飲むつもりだてのようだな。」
その日、ホワイトハウスには主だった閣僚と、時の大統領、ヘンリー・ルーズベルトがいた。
この時、既に新内閣発足の通達は来ていたのだが、その時に大統領補佐官が大慌てでやって来たのには別の理由があった。
「そんなことを言っている場合ではありません!!日本の新内閣から返答が来ました!!」
この時、ルーズベルトの脳内では、日本がハル・ノートを受け入れるものだと考えていた。
新しく日本の首相を勤めることとなった槇田は、アメリカでは親米的な存在と認識されており、ルーズベルトの知り合いである日本大使、野村吉三郎からも、南条から槇田に首相が変われば交渉はあっという間に纏まるだろうと、何度か聞いていたのである。
ルーズベルトは報告に来た補佐官の慌てぶりを、ハル・ノート受け入れによって、日本を戦争に引きずり出すのに失敗したからだと考えていたが、別段ここで引きずり出すのに失敗したのなら次の手段をとれば良いだけの話なので、大して心配するまでもなく、あせる補佐官をなだめつつ、補佐官から文書を受け取った。
「なっ!!」
・・・・と、同時にルーズベルトは文書の内容を読むにつれて、その驚きを隠せなくなっていた。
そこにはハル・ノートに関する返答が記されていた。
その返答とは、ハル・ノート内にある日本の中国からの撤退を受けいれる条件として、米、英、蘭のアジア圏からの撤退を要求、これを受け入れられなければ、アジア圏全面解放の為に米、英、蘭に対して開戦するとし、回答期限を日本時間にて同年12月8日、午前零時と指定すると言う旨の内容であった。
「これはどう言うことだ!、首相は槇田になったんじゃないのか!?」
「いえ、間違いなく槇田政権からの通告です・・・・しかも、既に各国大使館を通じて世界中にこの事が報道されてしまっています。」
「なん・・・・だと・・・・」
このタイミングではまだ、ルーズベルトは何故、槇田政権がハル・ノートに対してあのような返答を出すに至ったのかが理解できなかった
。
「これでは我々はまるで悪者ではないか!!」
「閣下、恐らくではありますが、槇田が我々の考えに気付いたのやも・・・・」
「・・・・・・キンメル君、取り敢えず、ハワイの艦隊に準備をするようにしておいてくれ。」
「了解しました、では、これで。」
ルーズベルトからの指示を元に、アメリカ海軍太平洋方面艦隊司令長官H・キンメルは大統領に一礼した後、ホワイトハウスを発つこととなる。
「いったいどうしてこうなったのだ・・・・」
大統領席で未だに驚きを隠せないルーズベルト、日本を戦争に引きずり出したのは良かったが、なんとも言えぬ不安が、彼の心の内に人知れずよぎっていた・・・・。
一方そのころ、首相官邸には、新たに首相となった槇田が他の閣僚と共に居た。
「・・・・実質的に、始まりましたな。」
「反応があるかどうかはわからんが・・・・どうなることやら。」
槇田と大高、高野の三人は、ついに始まった実質の宣戦の件に置けるアメリカの反応を、冷静に待つことにしていた。
「期限は8日まで、それまでにアメリカの反応があればですが・・・・。」
「まぁ、無いだろうなぁ・・・・はぁ、気が重たい。」
「取り敢えず、既にハワイ攻略のため、艦隊が各軍港から出港してますし、後はこの戦がどう転ぶかです。」
「転生者で国の中枢を仕切れてるお陰で、これまでに凄まじいレベルで国力をチート化出来たからなぁ、後はうまく世論を動かして講和に傾けれるかだな。」
「それにしても、
「まぁ、前世でも表面を取り繕わないといけないことはよくあったからね、このくらいの
そう、ルーズベルトは槇田を非常に強い親米派と考えていたが、実のところ槇田は表面上においてそう見えるように見せかけていただけなのである。
「それにしてもドイツは強いな、ロイヤルネイビーと真っ正面から殴り合いできるほどにまで海軍を成長させ、独ソ戦における冬将軍対策まで済ませていたとは・・・・」
「自由フランス海軍も奮闘してるようではありますが、正直、バトル・オブ・ブリテンがどう転ぶかわからない状態です。」
「アメリカとの戦争が終わるまで耐えててくれれば良いのだけどね・・・・」
「ところで槇田首相、このところのドイツに関してどのようにお感じで?」
「これから戦争になるとは思うが・・・・どうなることやら。」
高野の質問に答えつつ、不安げにいる槇田。
戦争の時を間近に控えつつ、不安に駆られるのであった・・・・。
一方、太平洋上。
「大日本帝国第三独自遊撃艦隊」旗艦「信濃」
艦上にて・・・・。
「それにしても、俺がコレに座乗する日が来るとは・・・・。」
「司令、気持ちはわかりますが、取り敢えず作戦目的の再確認をしなければなりません。」
「ハワイ沖南側に陣取って高杉艦隊の援護がメインだろ?あ~、加賀に乗ってる妻は大丈夫かねぇ・・・・。」
「菜桜さんの事を心配したくなるのはわかりますが、今は作戦に集中してください。」
「・・・・そうすべきだな、南条参謀長。
艦長、先行する《出雲》《八雲》《天龍》《龍田》に艦隊が来るまで一時待機するよう伝えてくれ。」
「了解した、先行する艦艇に伝達!」
信濃艦長、銀城の指示により、先行した艦の一時待機が伝えられる。
(それにしても、《例の二個艦隊》と大和型を両立してのけるとはな・・・・財務省、どうやって財源確保したんだろう?)
創作は心のなかで現在日本の艦艇事情に大きな疑問を抱きつつ、参謀総長、南条絢香と作戦の再確認を行う。
来るべき作戦に向け、ハワイへと向かっていく第三艦隊。
そこには、信濃の同型である四番艦《紀伊》の姿も存在しているのであった・・・・・・
紹和16年12月8日、この日から日本は、ついにアメリカとの戦争に向かうことになるのである。
・・・・この世界は、俗に言う「史実」と呼ばれた歴史の辿る道とは既に乖離し始めようとしている。
日本中枢にて奮闘する転生者達が、この後未来にどのような影響を与えるのか?
そして、今世第二次世界大戦の歩み行く行方やいかに?。
~「紹和」日本奮闘記~
第1章「開戦」開幕。
~次話へ続く~
これにて本編がとうとう幕をあげますが、
本作品では、活動報告にて、本作品における気になった点について読者の皆様から出てきた質問に返答するコーナーを後書きにて行う予定となっています。
「この人この世界だとどうなったの?」
「この出来事どうなった?」
「転生者達の前世スペックkwsk」
等々、突っ込みどころ満載の本作品の疑問点を解消できればと思っています。
ある程度は作中にて触れていく予定ではありますが、作中内にてあまり触れられそうに無いようなないように関してはこのコーナーにて答えていく所存ですので、どうかよろしくお願いいたします。