一言で簡潔に言おう。どうやら私は死んだらしい。
理由は簡単。目の前で神を名乗る女性が『申し訳ありません。間違えて殺してしまいました』と土下座しているからだ。
普通なら精神科をオススメするところなのだが、辺りを見渡すと360°奥行きを感じない真っ白な空間なのだ。こんな空間を作り出す技術など知らないので妙な説得力がある。これは素直に受け止めるべきなのだろう。
こちらが事実を受け入れると、女神は驚いた様子で顔を上げた。なんでも殺したのは私一人ではなく、他の人には激しく責められたらしい。責めたから生き返れる訳でもないだろうに馬鹿馬鹿しい話である。
そんな事を考えていると女神は更に驚いた様子で訪ねてきた。何故、生き返れないとわかるのかと。
何故と言われても普通に考えれば、蘇生できるのならミスをした時点で蘇生すればいい。しかし、それをせず、わざわざ土下座までしているのだから蘇生は不可能だと思い至ったのだが、と考えていたら女神はこう答えた。
『確かに蘇生は不可能です。しかし別の世界に転生させる事はできます』と。
ついでに特典を3つ上げますよ?と続けた女神に私は転生させて欲しいと頼んだ。流石に二十代半ばでやっとの思いで出世した直後だったのだ。いささか不完全燃焼感が否めないので、もう少し働きたい。
そう伝えると女神は若干呆れ顔だった。『コレが世に言うワーカーホリックですか…』と呟いているので、彼女にはこの気持ちが理解出来なかったのだろう。
何はともあれ、転生することに了承を得たので特典について考えていると、女神に『転生する世界はマンガやアニメをモチーフにした新しい世界なので護身用の特典をオススメしますよ』と言われた。どうやら私が転生する世界には、ある程度の護身能力が必要らしい。
ふむ…アニメやマンガは詳しいないが、ならばこうしよう。
一つ目は、産まれる家がある程度の経済力を持つ家庭であること。
二つ目は、生前と同じく男であること。
三つ目は、自身が『ーーーー ーーーーー』であること。
の三つだ。
二つ目までは、『もっとよく考えて下さい!』と叫んでいた女神であったが三つ目を言った途端に固まってしまった。
そして何やらぶつぶつと小言をこぼし、虚ろな目をした女神に送り出されたのが二十数年前。
アメリカに転生した私は従軍経験(テロ対策チーム)を経て、懐かしさゆえに観光に来た日本で平賀文さん(私の妻)と運命の出会いをし、そのままプロポーズ。日本国籍を得てから結婚し、無事に第一子である長男の『才人』が誕生した。
確かに護身能力がなければ危うい場面も多かったが、特典のお蔭でなんとかなった。
そんな私、『平賀スティーブン(旧姓:雷朴スティーブン)』は女神に出会えた事を感謝しながら、今日も『バニングス邸』の厨房に立っている。
ーーーーー
彼が転生した直後、女神は彼について考えていた。
他の転生者とは違い、ミスをした自分に対して冷静に接してきた彼。
願わくば彼のような人物に物語の中枢を担って欲しかったが彼は冷静に変人だった。
彼の選んだ特典の内二つ目は何も言われずとも保証しようと思っていた内容だ。
それだけなら多少無理を言ってでも変えさせただろう。
だが三つ目の願い、コレが問題だった。
で、その問題の三つ目の特典は『自身がケー◯ー・ライ◯ックであること』である。
『ケ◯シー・ラ◯バック』であること。つまり、セガ◯ルである。
護身の為に自身がセ◯ールになることを彼は望んだのだ。
女神は彼の願いに頭痛がした。
何せあのセガー◯である。
あのハリウッド映画でも無敵なあの男になる事を望んだのだ。女神の頭痛も無理のない話である。
しかし、女神は妄想してみた。
ーあのセガー◯が自分の作った、この『混ぜるな危険(カオス)な世界』に入ったらどうなるだろうー
と。
普通に考えれば狂気ともとれる思考である。
しかし、女神は妄想を巡らせた。巡らせてしまった。そして、許可をだし、転生させてしまった。
その結果、女神はカオスな世界に入ったら順応した彼の古今無双の活躍に頭を悩ませる事となるのだが、それはまた違う機会で語るとしよう。
只、もし女神に理性が残っている部分があったとしたら、それは彼を主人公達(・・・・)と違う世代に出来た事だろう。と、彼女をよく知る友神は語っている。
という訳で才人のオヤジはセガ◯ルになりましたとさ。
本当は才人を直接◯ガールに変えようと思ったが、ルイズの首がヤバそうだから止めました。
………でも、才人もセガー◯jr.だから結果は変わらないのか?イヤ、変わる筈だ。うん、間違いない!(白目)