ただそれだけです。
過度な期待はしないでください。
キャラ崩壊するかも?設定違いあるかも?
そんな時は報告ください。
1-1話
起床のラッパと共に俺は布団から起き上がる。気分は良くもなく悪くもなく、いつも通りの平常だ。手早く寝巻きを脱ぎ畳んで置き、部屋の壁に掛けてある服を手にする。白い軍服。海軍の服だ。階級章は少佐を表すものをつけている。それに袖を通し、別にして掛けてある白の軍帽を被り、
ドアの内側に付けている、縦長の鏡を見て身なりを直すとそこには、若いわりに纏う雰囲気は、中堅者のそれと変わらぬような出で立ちの一人の男がいた。右目の眼帯がそれを助長する。
部屋を出て執務室に向かう。木製の床が短靴を着ける度に小さくギシギシとなる。俺は心の中で、そろそろ板の張替えでもするかと考えていると、曲がり角で一人の女性が姿を表す。
上が白、下が赤の袴をきて弓道で使う胸当てをしている長い黒髪の女性。俺の秘書艦でもある赤城だ。気の利いた女性で、言わなくても俺がやっている仕事の関連資料なんかを要求する前に纏めておいてくれたり、喉が渇いたと思えば茶を淹れてくれる。俺の右腕と言って差し支えない存在だ。
「あ、提督。おはようございます。いい朝ですね」
「赤城か」
彼女は笑顔で挨拶してきたのに対し、俺は短くそれだけを言うと、そのまま執務室に向かう。赤城はいつもの事のように、俺の後ろについてくる。別に冷たくしたくて、してるわけでは無い。単に提督は、こうあるべきだと思っているからだ。部屋に入ると赤城が口を開く。
「提督、艦娘全員朝の点呼、異常無しです。あ、でも川内さんがまだ寝てましたが、神通さんが代わりに報告してきました」
「そうか」
また川内は夜な夜な走り回ってたのか?大声をあげていたら、近所迷惑になるから、苦情が来る前に釘を刺しておくか。
赤城は点呼報告をすませると、赤城専用と言うか秘書艦専用の事務机に座り、俺がまかせてある、書類整理を行い始めた。俺は今後の出撃・演習・遠征任務の割り振りを考えながらも、急を要する書類に目を通していく。
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執務室の掛け時計が、正午を回りそうな頃、今日の朝、出撃に出ていた艦隊が帰還。俺は彼女たちを部屋によび入れた。メンバーは旗艦に天龍を置き龍田・那珂・神通・加賀・榛名だ。今回の出撃はあくまで偵察予定だったため、頃合いを見て帰還させたのだが、何が不満か天龍が俺の机にバン!と手をつき抗議してきた。
「おい、バカ提督!俺たちゃまだやれるぜ!なのになんで撤退なんか」
「出撃前に言っただろ。新たに作戦を開始する海域だと。故にまずは敵の戦力を図り、攻略を開始すると。何度も言わせるな」
「そういうことじゃねぇ!それでもまだもう少し偵察出来ただろうが!なんで引かせた!」
「バカと俺に言ったが、貴様の方がバカか?損害した場合、それの修復費用が出撃費用に上乗せされる。こんなもの算数だ。小学生でもできる」
「てんめぇ!いい加減にしろよ!いつもいつも、俺たち艦娘に対してその態度!上官だからって、俺たちをゲームの駒みたいに扱うんじゃねぇ!」
「…………………言いたいのはそれだけか?ならもう用は無いな。退室しろ」
「な!?」
「天龍ちゃん!」
俺に組みかかろうとしていた天龍を龍田が静止する。
「提督。あなたの言っていることは合理的かつ、論理的ですが少しは私たちの気持ちを考えてください」
「…………………」
「……失礼します」
彼女たちは俺に鋭い目線を浴びせて部屋を出て行く。その姿を俺は座りながら見ているだけだった。
その様子を傍に座っていた赤城も見ていた。彼女は何か言いたげに俺を見る。
「なんだ?」
「いえ。あぁ言う言い方は無いんじゃ無いかと思いまして。あれでは貴方の真意は」
「知らん。勝手に思わせておけ。最小限の被害で、最大限の功績を。それが軍の掲げる理想だ」
「それは…………そうかも知れませんが」
俺は赤城が言い終える前に机へと向き直り、仕事を再開する。まだやることは山積みだ。資材の要請に、成果報告を。上申書の作成。新たな装備開発の考案。他にもあげればきりが無い。赤城がいなければ、それこそ俺一人では、この鎮守府は今頃大赤字の火の車だろう。
彼女に対してまでこんな態度を取っているのは申し訳ないが、仕方の無いことだ。奴らが全滅するまでは。
「…………………本当に、不器用な人」
すでに仕事に集中していた俺には赤城の呟きは聞こえることはなかった。
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夜。それは多少の明かりはあれ、海の上では月明かりのみが頼りとなる。そんなほぼ暗黒の海の上に、揺らめく赤い2つの光。突如として現れた人類の敵。深海棲艦。人類の既存兵器は効かず、艦娘のみが奴らに対しての人類が持つ対抗手段。
そんな深海棲艦にも強さがあり、人型に近くなればなるほどその力は強大となる。今海の上を進むはヲ級と呼ばれる個体が一体。艦載機を飛ばす厄介な相手だ。
そんなオ級の、目の前に仮面をつけ黒のフードをかぶり黒のマントをつけた人影が、。その姿はまるで闇に姿を消すアサシンのようだ。ヲ級はその人影に警戒する。突如として、仮面の右目に赤い光が灯ると、人影は腰につけていたであろう剣。飾り気の無い軍刀を抜き、オ級に斬りかかる。オ級は艦載機を飛ばす。すぐさま艦載機は、仮面の者に攻撃を開始。
しかし仮面の者は、それを軽くかわし、あるいは弾き、すれ違いざまに艦載機を斬り捨てて海へと沈めていく。
ヲ級はこの者の異常さに早くも気付き、撤退しようと後退を開始したが、気が付けば仮面の者の攻撃範囲。
仮面の者が横に一閃。
軍刀を振るうと、ヲ級を切り裂き、倒れその体は海底に沈んでいく。
仮面の者は、それを一瞥すると、体を翻し、また闇へと消えていく。月明かりに少しだけ照らされた姿。
かすかに見えるその手は、深海棲艦と同じ、灰色の肌をしていた。
「まだ夜は長い。もう少し狩るか」
草木も眠る丑三つ時。
仮面に遮られてくぐもった声を発する。声色で男だと思われる彼はこの夜、深海棲艦を狩りを続けた。
朝日が昇る少し前まで。
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俺はいつもよりも早く、身支度を整えて執務室へと出向き仕事を開始した。
半刻ほど過ぎた頃、赤城が部屋にやってきた。
「提督お早いですね」
「目が覚めすぎただけだ」
「そうですか?あ、提督。書類が届いていましたよ」
そう言って彼女は俺には大きめの茶封筒を渡してきた。俺は無言で受け取り、中を確かめる。それを見て俺は驚愕する。
「提督?どうされました?」
俺には、赤城の声は届かず文面に釘付けになった。文面にはこう書かれていた。
『此度北方にある鎮守府がほぼ全て半壊滅したのを確認。
敵の詳細は不明であるが、その戦力は強大であると思われる。
当文面を確認した提督諸君は、さらなる鎮守府の強化せよ』
(強い敵。沈めなければ)
俺は書類を握りしめてしまう。
「て、提督!大事な書面が」
関係無い。こんなもの保存する意味も無い。ここに来たならば、沈める。必ず。たったひとつの被害も出さずに。
このせいで朝は動揺したが、やることは変わらない。いつものように、いつものことをやるだけだ。
俺はその日も同じように仕事をこなした。
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私の名前は赤城と言います。この鎮守府で、恐縮ながら、秘書艦をさせていただいております。
さて今回は、この鎮守府の提督の話をしましょう。
あの人は私がここに配属が決まったと同時にここに来ました。つまり私と提督はこの鎮守府で勤務する最初の2人だったのです。
最初からあの人はあんな感じの性格で、次々と配属される艦娘に対しても同じように接していました。もちろん最初は皆、提督の言葉や態度に天龍さんのように反感を買ってました。影で『冷徹の提督』と呼ばれていることも。
それでもあの人は、変えることの無いようにしました。
効率重視。
『最小限の被害で、最大限の功績を』
よく提督が口にする、今の軍の方針。提督はそれに従っています。ですが本当はそれだけでは無いことを、私を含め少ないですが、古参の艦娘は理解していると思います。
その証拠にこの鎮守府において轟沈した艦娘は未だに『0』。それどころか、大破した数も少ない方だと思います。
提督は、「修復費用がかさむ」と言いますが、それはきっと照れ隠しなんです。
本当は誰よりも私たち艦娘のことを傷つけたくないと思っているのだと思います。
提督はいつもの他の鎮守府の報告をしたときに轟沈した数を聞いたら少しだけ眉をしかめるのです。
提督の過去に何があったのか知りませんが、失いたく無いと思う心があの人には確かにあるんです。だから私は、提督の本心を隠す態度も、それを分からない新しい艦娘の子のこと。両方に対して心を傷めるのです。
提督はもう少し本音で語れば。他の子達は、もう少し提督の本心を理解しようとすれば変わるかもしれないのに。
けれど私は声を上げることができません。
提督の気持ちがわかるから。
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「赤城さん」
「あら?加賀。どうかしましたか?」
ある日の朝
書類をまとめるために必要な資料を取りに行くため、執務室から資料室に移動途中。後ろから話しかけてきたのは加賀さん。私と同じ一航戦で、青い袴をはいてます。冷静沈着でクールなイメージの人です。
「前から気になっていたのですが、なぜ貴方は提督のことを庇護するのですか?」
あら。思った異常に素直に聞いてきました。彼女も提督にそのような印象を少なからず抱いていたのは知っていましたが、ここまで言うとは思ってなかったですね。
「私は特にそんな気は無いのだけれど」
「貴方はそうでしょうけど、他のみんなから見れば貴方は冷徹な提督を庇護しているように見えてます。何人かは赤城さんが提督に何か弱みを握られているのでは無いかと、心配しています」
「えぇ!?そんなこと無いですよ。私は私の意志で秘書艦を続けているのです」
「そんな」
「あの人は…………あの人は不器用で、弱い人だから。誰かわかってあげる人がいないと」
「百歩譲りそうだとしても、貴方である必要は」
「私は、一番初めからあの人といましたから。…………いえ、私が提督のそばにいたいのね、きっと」
最後のは小声で言ったのですが、加賀さんに聞こえて無いですよね?
「…………はぁ〜。そこまで言うのなら仕方ありません。てますが、何かあればすぐに言ってください」
「えぇ、ありがとう加賀さん。それじゃ資料室に行かないといけないのでこれで」
私は加賀さんと別れて資料室に行きました。
目的を果たすと、執務室に戻りました。
相変わらず提督は黙々と仕事をなさっています。休憩もしていないようなので、持っている物を秘書艦机におき、私はお茶を入れました。緑茶の茶葉を急須に入れ、少し濃いめで、温度は熱め。それが提督の好みです。本人はあまり気にしてはいないようですが、この淹れ方をすると少し嬉しそうにするのです。
私だけが知っている提督の好きなものです。こういうのを優越感と言うのでしょうか?
少し経ってお茶を提督に出すと「ん」とだけ言って、少しすする。すると、提督の口角が少しだけ上がったような気がします。私はそれが嬉しくて上機嫌で午前の仕事を終わらせることができました。
連載にしてますが本編は10話で終わらせたい。
他は特になし。
日常編入ったら、適当に艦娘と絡めます。タグが変化するかもしれないてますが。
R指定とか特に
気になるところとか、誤字脱字。
質問も受け付けます。
感想は大歓迎
評価はどちらでもおk
それではまた次回