艦隊コレクション〜不器用な提督〜   作:サカズキ

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祭り!!

ステージの上での演説を終えて、そこから逃げ出した俺は、露店が並ぶ通りとは離れた場所から、缶コーヒーをチビチビ飲みながらそれを眺めている。

昨日までも準備などでいつもの鎮守府よりも賑やかだったが、今はそれ以上の騒がしいほどに賑やかだったが。

親子連れから恋人同士や、長年連れ添ったであろう老夫婦に学生らしい若いグループも来ている。

俺は賑やかなのは嫌いじゃ無い。むしろ好きだ。ただそれは皆が楽しそうにしているのを一歩引いた場面で見るのが俺のスタンスだ。あんな風にステージに上がり演説するなんてことは

 

「無いな。あったとしても台本用意してもらわないと」

 

軽く笑いながらそんなことを言う俺も少し前まではいなかった。そんな俺が変われたのは赤城や、なんだかんだ言ってもついてきてくれる艦娘たちのおかげだ。

 

「頭があがらんな。全く…………」

 

飲み干した缶コーヒーを片手に執務室に戻ろうと通りへ出た。

 

「あぁ!提督こんなとこにいた!」

 

声のした方を見るとそこにいたのは薄緑のセミロングヘアに黄緑がかった瞳。茶色のブレザーと茶色のスカートを着用した子だ。

 

「鈴谷?」

 

「ボーとしてない!こっち来る!」

 

「は?まてこら。どこに連れて行く気だぁ!」

 

なぜ今日はこんなにも女の子に引っ張り連れてかれるのだろうか?はたから見たらモテモテじゃん、とか思ったやつは本当にこの立場になってみろ。意外にしんどいから。

なんて考えてる間も俺は鈴谷に腕を掴まれ人の多い場所をかき分け、引っ張り続けられたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺が連れて行かれた先は、屋台だった。

そんでもってさっきまで来ていた白の礼服を脱ぎ、今はエプロンをして頭にハチマキを巻き、焼きそばを作っている。

 

「なんだこの状況…………」

 

「すみません提督。鈴谷が人手を探すと言って出て行ったのですが、まさか連れてきたのが提督とは」

 

鈴谷と同じ服装で、茶色の髪を後ろでまとめてポニーテールにしている子が熊野だ。お淑やかで熊野と姉妹艦なのか疑わしくなるほどのいい子だ。

 

「なんか今失礼なこと思われた気が」

 

売り子をしていた鈴谷が、俺に向かってジト目で言ってくる。勘がいいなお前。

それを少しは作戦中に役立ててくれ。

 

「また」

 

「鈴谷お客さんですよ」

 

熊野の一言で鈴谷は売り子に戻る。彼女のフランクな性格のおかげか、客は中々の入り様だ。

 

「俺、いらなく無いか?」

 

焼きそばをかき混ぜながら疑問を口にする。

 

「私たちがやったら、売り子の手が足り無いじゃん?」

 

現状は俺が焼きそばを作る。熊野がそれをプラスチックの透明な四角い容器に入れてそれを鈴谷が売ると言った役割だ。

詳しくは知らないが、普通の屋台なら2人でも回せるだろうが、さっきも言った通り鈴谷の容姿と対応も合わさり客がいいペースで来ている。これなら確かに3人いればいい感じで回せる。

 

「だからってなんで俺なんだ」

 

「なんでって、暇でしょ?提督」

 

「お前は提督をなんだと思ってるんだ…………」

 

「まぁまぁ提督。鈴谷も提督が参加できる様にと思って誘ったのでしょうし」

 

「こいつにそんな思慮があるか?基本バカだぞ」

 

「はい?提督〜それは聞き捨てなら無いなぁ?」

 

鈴谷、目が怖い。マジで。

 

「後で話ししよっか?」

 

今背筋に悪寒が走った。鳥肌もたってきた。なんとかして言い訳つかねば。

さっきも言ったが、鈴谷は基本バカだ。いい意味で。ゆえに丸め込むのは簡単だ。それこそ100枚舌の豚どもを相手にすることもある俺だ。なんとかなるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、余裕を持って鈴谷の説教を受けたが、何も出来ずにただただ反省することになったのは別の話。

女の子は怒らせ無い様にしようと誓う提督であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

祭りは終わる。夕暮れに染まる鎮守府。

開催に手を貸してくれた業者や、屋台を出してくれた人たちは片付けを終えて、ポツポツと鎮守府を後にする。

艦娘たちの屋台も片付けはもう少しで終わるだろう。彼女たちの顔は準備をしていた時と変わらぬくらいに、笑いながら話している。

俺の方も書類の手続きなんかを終えてその場に集合する。だが何か手伝うか?と聞いても「提督さんはいいですよ、ゆっくりしてください」なんて言われて、手持ち無沙汰になってしまった。

俺は辺りを見回して人を探す。

見つけたその人物へと近づき、ある内容を話す。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

講堂前にて、すべての艦娘を集めた。

赤城にお願いしてだ。皆きたことを確認すると、俺は前に出た。ざわついているが、静かになる前に俺は話し出す。

 

「えぇ。今回の祭りは大成功だったと言っていいだろう。それは盛り上げようと尽力してくれた君たちのおかげでもある。さて、今回の祭りのテーマは感謝だ。大いに来てくれた人にはそのことは伝わったと思う。だが、まだ感謝されてい無い人達がいる。それは…………君たちだ。俺だけではなく、今日来てくれた人たちもきっとみんなに感謝していると思う。だから、そんな君たちに何も無いのは心苦しい。みんなに俺からの感謝の気持ちだ。みんな、行動の中へ」

 

頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるのがわかるが、入ってくれ無いと困るんだが。それを察してくれた赤城がみんなの背中を押して、中に入っていく。

 

「「おぉぉぉぉぉっ!!」」

 

中に入るとみんなが声を上げる。そこには幾つかのテーブリに置かれた数々の料理に飲み物。派手さは無いが、飾りもつけてある。

 

「今日は君たちも頑張った。だから俺からのささやかだが鎮守府感謝祭ではなく、艦娘感謝祭だ。今宵は無礼講。明日は休み。消灯延期は24時までだ!大人組は酒もあるぞ」

 

最初はシーンとしていたが、待ちきれ無いとばかりに駆逐艦の子達がテーブリに駆け寄ると他のみんなも思い思いにテーブリにつき始めた。

 

「良かったですね。提督」

 

「赤城。ありがとう突然のことなのにここまでのことを手伝ってもらって」

 

「いえ。みんな嬉しそうで準備した甲斐があります」

 

「そうか……………………お前も行ってこい。さっきからチラチラ加賀がこっち見てる」

 

「はい。それでは失礼します」

 

赤城の背中を見送って俺は講堂を出る。

まだ夕日は沈み切らず、茜色の空を見上げて思う。また来週から訓練の日々だ。こんな風に英気を養って、また辛い日々を乗り切って欲しい。

 

「沈むなみんな。……………………赤城」

 

俺は沈ませてしまった龍田を思い出し、もう2度とあの想いを味合わないように、味あわせることの無いようにと今一度誓うのだった。




まだまだやるよ日常編!
本編なんて知るかそんなもの!俺は(日常編を)書かなきゃいけないんだ!
アホだw

どうでもいいけど、最後の方で茜色の空ってなんとなく書いたけど、書いた後に「あかね色に染まる坂」を思い出した。アニメは超弩級展開だったのは覚えてる。ゲームもやったけど、キャラでは観月先輩好きだったな〜
え?今時の人は知らない?まさかのジェネレーションギャップ…………?

基本的に書くこと無いときは、昔見たアニメやらゲームやらの個人的感想でも書こうかな。(誰得だ!?)

それではまた次回。
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