伏線というほどでもありませんが、まぁ訳ありの提督だという事を理解していただければ良しです(自己満乙
俺の過去の話をしよう。
誰の得とはならないが、語るべきなのだ。
俺の生まれは、海岸沿いの田舎町だ。漁を生業とした家が多く、俺の家もそうだった。
漁師の親父と専業主婦の母親と俺。なんの変哲のない、平凡な家庭だった。当然が日常の幸せな時間だった。
あの日もそのはずだった。
俺はあの日。学校が昼までだったので、家に帰り、荷物を置くと漁から帰ってきていた親父の、手伝いのため港に行った。
「おう!我がせがれ。今日も手伝いに来てくれたんか?ありがとよ。いずれは後を継いでもらいてぇな」
「言ってんだろ親父。俺は海兵になりたいんだよ」
「ガハハハ!そうだったな!ま、どっちも海があって成り立つもんだ。それだけでもおりゃ嬉しいぜ」
親父はガタイのいい巨漢で、町一番の力自慢だった。両脳でもよく仲間内では1、2を争う水揚げ量を誇りにしていた。
俺はいつものように親父を手伝いをしていた時、水平線向こうから何かが向かって来た。親父もそれに気がついた。
「なんじゃありゃ?」
「さぁ?」
最初は船だろうと思った。次の瞬間ドン!と音がしたかと思うと、数秒の間隔を置いて辺りは爆発した。俺はそれに巻き込まれて吹き飛ばされた。俺は怪我を負ったが、体を動かし周りの状態を確認すると。
「な、なんだよこれ…………」
辺りは瓦礫だらけ。火の手も上がり、つい先日授業で見た戦時中の写真のようになっていた。
「お、親父は!?」
俺は親父の姿を探す。すぐに見つかったが、親父は瓦礫に下半身を潰されて血まみれだった。
「親父!」
「おう。テメェは無事みていだな」
「喋んな!すぐ助けるから!」
「やめろ。もう助かんねぇわ。血出すぎた」
「な、なに言って?」
見ればガキの俺でもわかった。血が大量に潰れた下半身から出ており、瓦礫から引きずり出しても、助かる可能性は低いと。でも自分の父親を見捨てる息子がどこにいる。だが、親父はそれを拒否した。
「後ろ見ろ。町も同じ感じになってやがる。テメェはかぁさんを助けに行け!」
「お、親父……」
親父は笑っていた。それを見て俺は、立ち上がり、家の方へと駆け出した。親父が後ろでかぁさんを頼むと言っていた。俺は走りながら流れる涙を拭いた。
町を走り抜ける時も、家が道が壊され火を上げていた。
避難する人、もう動けなくなってしまった人。そんな人たちを俺は見ながらも、家へと走った。
家に着くとまだ無事だった。玄関からかぁさんがちょうど出てくるとこだった。
「あ、あんた無事だったんだ!良かった。…………お父さんは?」
俺は下を向きながら首を横に振ると。かぁさんは涙を流した。膝から崩れ落ちそうになったが、俺が支えて歩き出す。どこに逃げればいいのかわからないが、とりあえずこの町から出るしかない。
「もう大丈夫だから」
途中でかぁさんは一人で歩き出した。その目は真っ赤になっていて、まだ涙をためていた。逃げている時に見た俺たちの町はもう、その面影はなく、瓦礫の山となっていた。
ようやく町から出て、山を登っていた時。
「!!危ないっ!」
俺はかぁさんに突き飛ばされて、後ろの木に背中を打った。その直後、その場が爆発した。
「か、かぁさん?う、嘘、だろ?」
そこに俺の母親の姿はなく、来ていた服の切れ端だけが残っていた。
俺は右手をついて立ち上がろうとした時、そのまま右に体を倒してしまった。なにが起きたのかわからずに、俺は右手を見た。そのにはあるはずの右腕が、肘から先が無かった」
「あ、あぁ……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
自覚した俺は痛みに耐えきれずに叫んだ。腕を抑えるが、痛みは引かず、血も止まらずに俺はその場に倒れたままだった。
ついには出血か、痛みによるものか失神してしまった。
次に目を覚ましたのは、病院だった。
一命は取り留めたが、右腕の損失し右目も視力をほぼ失った。
そこからはリハビリの毎日だった。痛みは本来なら引いてるはずだが、それでも時々痛む気がする。幻肢痛と言うらしい。
そして、時々来た政府関係の人の面接という名の、事情聴取。だが彼らのおかげでわかったこともあった。町を襲ったのは、深海棲艦と呼ばれる人類の敵。そして街の生き残りはいない事。そして俺は海兵になれない事。
俺はそれ知った時から、深海棲艦に、対しての憎しみを持ちながら、なにもできない事に絶望した。
空虚な毎日を過ごしていた時。俺の病室に見た事がない女性が入ってきた。白衣を着て、赤い髪を後ろでまとめている。ここの医者ではないだろう。
「初めまして少年。私は冴島美奈子だ」
「…………」
「やれやれ無視か。顔すらそらすとは。君にとっていい話を持ってきたのにな」
俺は顔をそらし窓の外を見ていた。無視だ。聞く事はない。もう俺は、と思っていると彼女は驚きの事を言う。
「無視してもいいが、私がもし、深海棲艦に対しての復讐し、なおかつ海兵になる事ができるとしたら?」
「え?」
俺は初めて彼女の目を見た。
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「さてここだよ」
俺が連れてこられたのは、高い塀で囲まれた建物の中。外から見たら、質素な白い建物だが、ゲートには武装した軍人。中に入れば俺には用途のわからない機械だらけで、そこにいる人も白衣を着て堅物じみた顔をした人たちが、いろいろな実験をしていた。その時の自分にはどうでも良かったが。
奥まで進み、彼女がポケットからカードキーを取り出し重厚な扉を開く。
「入りなさい」
俺は無言のまま彼女の後をおう。薄暗い最低限の明かりしかない通路を進むと、広い空間に出た。その部屋の中央には円柱の何らかの液体が入ったカプセルが鎮座していた。その中身を見て、俺は驚愕した。
「驚いたかしら。これを見て」
そこにいたのは深海棲艦だった。正しくはだったもの、だ。右手以外はもがれ、人間の上半身にあたる場所しか無かった。
「おいあんたまさか!」
「察しがいいわね。そう…………その通り。こいつの右腕と右目を貴方に移植するわ」
吐き気がした。他でもない、憎悪の対象を己が体に受け入れるなど。
「これはあくまで実験段階。しかも秘密裏の。失敗するかもしれない上、成功しても暴走の可能性は否めない。ただ、成功すれば貴方は艦娘と同等にこいつらを駆逐する力を得る事ができる。プラス貴方を軍に入れるよう私が上に進言してあげる。どうする?」
俺は即刻拒否しようとしたが、自分の右腕を見て思案した。
このままでいいのか?両親の仇も取れず、住んでいた町を失い、右腕を失い、夢を失い、本当にこのまま負け犬のままでいいのか?
俺は………………………………
「受ける」
「君ならそう言うと思ってたよ。さぁ、早速手術と行こう。覚悟はしてると思うが、術後に君の正気が無いと判断された時は」
「わかってる。どうせこれからの人生、屍のように生きていくなら、可能性に賭けるさ」
「了解した。ではこちらへ来たまえ」
俺は一応という事で承諾書を書いた。もちろん、中身は隅々まで見て内容は確認した。そして手術が行われた。
なに?成功したのか?言うまでも無い。
なら、今語っているのは誰だ?そう、それが結果だ。
俺の手術は成功。博士は俺に約束通り、軍への入隊許可をもらってきた。どうやったかは聞くなと言われたし、聞く気も無い。怖いからな。
そして俺は、異例の若さで少佐まで上り詰め鎮守府の提督をしているわけだ。ここまでいろんな人に世話になったが、それはまた別の機会に話すとしよう。
後から、博士になぜ俺に話を持ってきたのかも聞いたが、何でも適性を持つ人間がなかなかいなかったが、俺は適性する確率が高かったらしい。今となればらどうでもいい事だがな。
以上が俺の生い立ち。この忌まわしき体の経緯だ。
補足ですが提督が、不器用なのは元からです。
次回ももしかしたら提督の話になるかも?
5話で終わらせれるか不安。
1-5のプロットはできてます一応。
間は好きな話を書いてる状態です。
それでは4話終了!
次回またよろしくお願いします!