東方呉服屋Project 作:手巻きおにぎり
「あらあら、そんなに驚かなくてもいいじゃないの。私と貴女の仲でしょう?」
・・・全く。
相変わらずの悪趣味なのね。
懲りないものだわ。
「悪趣味とは人聞きの悪い。立派な妖怪としての営みですわ」
人それを悪趣味と言う。
「人でない貴方に人間常識を説かれたくはない」
それもそうね。
それじゃ改めまして。
久しぶりね、紫。
最後に会ったのは何年前かしら?
「えぇ、久しぶりね羽織。最後は・・・、吸血鬼のの前、百年ちょい前かしら」
あらもうそんなに前なの。
早いわねぇ、ついこの間会ったと思ってたのに。
「まったく、ついにボケたかしら?どうやら賭けは私の勝ちのようね」
へぇ、他者のボケ具合も見極められなくなったなんて。
どうやら私の勝ちも近いみたい。
「・・・やめましょう。だから貴女とはあんまり会いたくなかったのよ」
ひどいわねぇ。
私はこうやって言葉遊びしてるだけで楽しいわよ?
「言葉遊びじゃなくて口喧嘩の間違いではなくて? ・・・じゃなくて!私はさっきのの答えを聞きに来たのよ」
さっきの・・・というと、兎の問答かしら。
言ったまんまの意味なんだけれど。
それとも何かしら、貴女は答え合わせを聞いて『自分の答えがあっていた』とどや顔をしたいのかしら?
「ああはいはいわかったわよ悪かったわね。もう、めんどくさいなぁ」
絶対喧嘩売ってるよね?
そうだよね?売ってるよね?
「売ってない!まったく、だからこいつとは・・・」
ほら、早く喋りなさいよ。
皆さんもう待ちくたびれちゃってるわよ?
「・・・・私が思うに、貴女の能力は『運気を操ったり未来をある程度予測できる』程度。それ以外に貴女に不自然なところはないし」
ほうほうなるほど。
それでそれで?なんでそう思ったのよ
「貴女は自分を過小評価しすぎなのよねぇ。貴女は精々『自分が不利にならない』ように使ってると思ってるけど、それは本来決まっていたこの世の道筋、吸血鬼風に言うなら『運命』とも呼べるものをぶっちぎりで逸脱している行為なのよ。かくいう私だって、貴女のお陰で無駄になった作戦は一つや二つじゃないわ」
あら、それはそれは。
ご愁傷さまでございます。
「こいつ、誰のせいだと思って・・・!」
私のせいね。
さすがに、ごめん。
怒っちゃやーよ?
「古いっ!!・・・っと、幻想郷はそういうところだったっけ。で、どうなのよ、私の回答は。合ってた?」
そうねー。
百点満点でいう八十五点ぐらいかしら。
「八十五?思ったより低いわね。結構自信あったんだけどなぁ」
引いた十五点分は、私を過大評価し過ぎた点ね。
それ以外は正解よ。
模範解答とも言う。
「過大評価って。じゃあ何よ、自分しかどうにかできなかったり運を良くしか出来ないっての?特に後半なんか某う詐欺と被って」
はいはいストーップ!!
不味いから、それ以上喋ると不味いから。
一旦落ち着こ、ね?
「別に?私はいつも冷静沈着ですわ。・・・まあでもこれ以上喋るのも不味かったか。悪かったわね」
良いってことよ、お気になさんな。
そうねー、答えを教えるのもつまらないし。
では一つ、ヒントをあげましょう。
私の生活を覗き見している貴女ならば、簡単に分かるはずよ。
「覗き見ゆーな。で、それで?」
私は毎日一回、ある『おまじない』をかけています。
だから今まで私は上手くやってこれたのです。
「おまじないって、そんな年でもあるまいし。老婆の呪言の間違いじゃないの?」
なにか言ったかしら?
「いえ、なにも」
さて、と・・・。
あら、もう日の出かしら。
さあ、店開きするから帰ってちょうだい。
私の店に入っていいのは客だけよ!
「はいはい。それじゃ、またねー」
・・・神出鬼没、とはよく言ったものね。
いや、でもここでは神は出てくるものだし鬼は地の中に沈んでるものよね。
いたって当たり前のことを言ってても仕方ない。
・・・幻想郷風に言えば『天狗とスキマにゃ戸は立てられぬ』といったところかしら。
嫌な時代ねぇ──