タカミチは何故かいい人扱い!
近右衛門はやはり腹黒だが比較的良識人です。
5)武な者
この少年、アルフィン・ノースは今から1200年程前に、この者の配下が傷を負った時この世
界樹によって癒してもらった恩を返すべく、この場所に通って来ていると言う。
「今世界樹は内部に傷を負っておりその治療に来たが、思っていた以上に悪く時間が掛かってい
る」と話している。
近右衛門は「世界樹が傷を負っている?一概には信用は出来ないの~」1200年前?話が荒唐
無稽で理解出来ないし、魔力や気も感じないのに変ではないか?ただ、今まで手にしていなかっ
た太刀を持ち、エヴァンジェリンを一撃で倒した実力は疑う事の出来ない真実であった。すると、
アルフィン・ノースから「分からないのはお互い様です。この世界の魔力や気は私の居る世界と
は若干違うようです。それゆえに、この樹の治療にも開始から1年間の今現在も掛かっている最
中なのですから。私としては早く治療を終え本国に帰りたい」と言ってきた。
タカミチは「君はもしかすると異世界の者なのかい?」と言うと、アルフィン・ノースは「幻想
界と言う世界から来ました」と答えた。簡単に言っているがこれは簡単な事では無い、近右衛門
は頭痛の種になりそうな気がした。通常この様な事態の場合は魔法世界にある本部に連絡、そこ
から調査員が送られてきて調査が原則であるが、近右衛門はこの麻帆良に本部の介入を良しとは
していなかった、一物も二物も隠し物をているのである。
「アルフィン・ノース君は世界樹の治療が終わったらどおするのかな?治療には後どれくらいの
日数が掛かるのかの~」言って見れば周りは敵だらけかも知れないのに、坦々と質問に答えて行
くアルフィン・ノース「治療には遅くとも後一年半程、治療後は早々に本国・幻想界に戻ります。
自ら望んでこの世界に干渉する気は無いので安心して下さい」安堵する近右衛門、「皆聞いた通
りこの少年は敵では無い安心しなさい。無論この事は外部厳非だ、これは学園長命令である」と
言いった。
魔法教師陣の中には何か言いたそうな者もいたが、いつもと違う近右衛門の怒気に押され口を閉
じたのと同時に大停電までに時間が無い事に気付くのが遅れてしまった。
タカミチ自身もなぜエヴァンジェリンを「吸血鬼と知っているか?」との事を聞き忘れていた。
この様な事柄をしていたので大停電への対応が大きく遅れた。急いで準備するが、なにせ人数が
少ない場所に寄っては完全に出遅れた箇所も有る。その時、魔法教師の一人葛葉刀子よりその子
にも手を貸して貰ってはどうかとの提案。
近右衛門は考えた今は少しでも戦力は欲しい、しかもあの〝闇の福音”エヴァンジェリンを一撃
の下に倒した手誰、だが信頼して良いのか?不透明な部分が多すぎる。しかし時間は待ってくれ
ない。
近右衛門はアルフィン・ノースに「今は大停電が起き、世界樹を守る結界が切れてしまう、少し
で良いので手を貸してくれると助かる」と有りのままを話した。すると何と世界樹の為と言い二
つ返事で了承をしてくれた。それと報酬件を話すと「今日は晩御飯を食べてないのでそれで良い
です」との事、助かる。
ただ、戦力としては未知数なので世界樹の護衛として参加してもらい、バックアップに〝傭兵”
龍宮真名・エヴァンジェリンはまだダウン中、その従者茶々丸でタカミチが遊撃手件後方担当で
急遽挑んだ。
魔帆良大停電開始!
だが、時間を食いすぎた、現時点で思っていた以上に敵に内部まで侵入されていたのであった。
暗がりの中、〝傭兵”龍宮真名はアルフィン・ノースを値踏みしていた。あの〝闇の福音”を瞬
殺した腕、友であり同級生の桜咲刹那より格段の上級者と見た。しかし会話が無い・・・・どち
ら共に自分から率先して話すタイプではないし挨拶すら交わしていない、無言の時間が流れた。
その時アルフィン・ノースが動いた瞬時にて闇の中へ、動いた方向へ龍宮真名もライフルを構え
魔瞳を遣い凝視する。思っていた以上の敵が侵入しこちらに向かって来ているのが微かに見える。
ただ、やつのアルフィン・ノースの姿が見えない。『逃げた?』一瞬疑問が浮かんだ。その瞬間、
龍宮真名の後ろで侵入者の骸が転がる、だが彼の姿は見えない。前方に視点を戻すと、あれ程居
た筈の者達が全て事切れて転がっていた。
ゆらりと龍宮真名の隣にアルフィン・ノースが姿の現し、声を掛けて来た「こちらが動いたら9
時方向に目くらで良いので二連射で威嚇を御願いする。私が相手をおびき出すので仕留めて欲し
い、逃した奴は私が始末する」と端的に指示し闇の中へ消えて行く、龍宮真名も指示通り威嚇の
二連射後行動開始、この場は一方的な狩場の様に殲滅を行って行く事になった。
タカミチは焦っていた思った以上に敵が内部まで侵入しておりその対処で世界樹まで守りに入れ
ないでいた、担任生徒である龍宮真名の腕を信用していない分けではないが、いかんせ数が多す
ぎる。
アルフィン・ノースの力は未知数だ。エヴァンジェリンが起きていてくれれば良いが、助けてく
れるとは限らない一刻も早く世界樹の地点に戻りたい。それは近右衛門も同じ気持ちだった。
だが、世界樹近辺は全くの問題もなくミッションをこなしていた。龍宮真名は小気味良いてんぽ
でライフルのトリガーを引いていた、敵が撃ってくれとばかりに姿をさらけ出す。たまにマグチ
ェンジ中に逃してもいつの間にか切り落とされている。思い通りに事が運ぶ。
『楽しい』一種のハイ状態になっていた。世界樹の周りの侵入者を一掃してアルフィン・ノース
が戻って来た。龍宮真名とアルフィン・ノースはハイタッチを交わした。
後ここで初めてお互いに挨拶を交わした。「真名」でいいよと言い、アルフィン・ノースの事も
「アル」と呼ぶことにした。
十数年来のパートナーの様に阿吽の呼吸で進められたこのミッションに満足感が有った。それに
真名としては大変珍しく顔を赤く染めてアルの顔を見ていた。アルフィン・ノースは目こそ鋭い
がいい男である。
美男美女の多い麻帆良学園でも確実に上位に入る存在だ、だが真名はその様な上辺だけでなく的
確な行動、判断力にも引かれた。
だが、なぜそんなに上位に入るのに目立たなかったのか?それは、この世界とは違う認識阻害・存
在の不可視・〝隠密術”を行なって来たからである。
タカミチが世界樹付近に到着したころには全てが終了していた、あたりには人・妖魔・式鬼の骸
が転がっている。激戦の様だった事が伺える。世界樹の広場のベンチに座る二人の人影が見える、
龍宮真名とアルフィン・ノース二人だ。共に傷一つ無くてなによりだ。「よかった、怪我は無い
ようだね!遅れてしまって済まなかったね」生徒とこの事件に巻き込んでしまった少年に謝る。
優しい先生である。
その頃には近右衛門を始め他の魔法教師・生徒達も無事戻ってきた。世界樹近辺での攻防が一番
激しかった様であったが、当の二人は全くの様に気にしてない。長い麻帆良大停電は終わりを告
げたのであった。
エヴァンジェリンはと言うと、攻防終わり際にやっと気付きアルフィン・ノースに悪態を付いた
後「今日はこれくらいにしてやる。再戦する」と言い放ち従者の茶々丸と共に消えていった。
真名さん登場!
戦闘シーンは軽くて済みません。
今回は皆さんより少ないですが文字数稼げました!うれしい!
何か変な処が御座いましたら訂正をします。