if~刹那君は新入生~   作:猫舌

14 / 36
~茶熊学園抜き打ちテスト~

[問題:理科]
人間の五大栄養素を答えよ。


[生徒の解答&教師からの一言]

《セツナ・キサラギ》の解答
タンパク質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミン

《先生から一言》
流石学年主席ですね。この調子で頑張って行きましょう。


《ツキミ・ヨゾラ》の解答
お団子、セツナ君のご飯

《先生から一言》
せめて五つ書いてください。あと先生もセツナの作るカレーは大好きです。





ソウマ「・・・ウチのクラス大丈夫か?」


第14話

セツナサイド

 

 

あれから僕達は宿へと向かって歩いている。歩いているのだが・・・。

 

 

「~♪」

 

「・・・」

 

「む~・・・」

 

 

両脇をご機嫌なシャルと無表情のフローリアに囲まれ、後ろからはメアがさっきから睨んで来る。涙目だから全然怖くないけど。

 

 

「あの~お二人共?歩き辛いのですが・・・」

 

「「なにか?」」

 

「何でも無いっす・・・リオン、助けて」

 

「知らん。そんなものは我の管轄外だ」

 

 

そう言ってリオンは冷や汗を流しながら飛んで行ってしまった。本能的に関わってはいけないと思ったのだろう。僕は諦めて道を歩く。すると、なにやら京都の街が可笑しな事になっていた。

 

 

「・・・なぁにこれぇ?」

 

 

思わず間延びした声が出る。何故ならそこには・・・。

 

 

「こ~んぴらふ~ねふね~♪しゅ~らしゅしゅしゅ~!」

 

「きゅきゅ~」

 

 

舞妓の恰好をした星たぬきが三味線をかき鳴らし、そこでエシリアが楽しそうに遊んでいる。周りを見ると、似たような光景が広がっていた。

 

 

「え、エシリア?宿に戻ってたんじゃないの?」

 

「あ!にーちゃん!エシリアね~。にーちゃんをさがしにきたんだよー!」

 

「そ、そっか。ありがとね」

 

「えへへ~♪」

 

 

褒めて褒めてオーラ前回のエシリアを撫でる。すると周りの温度が数度下がった気がした。原因は間違いなく僕の両端・・・。

 

 

「セツナはロリコンなんですか・・・?」

 

「見境ねーな、お前」

 

「凄く失礼な事言うね君達は!?」

 

「セツナ・・・ロリコンなの?」

 

「だから違うって!?」

 

 

メアからも疑いを掛けられ、僕はショックを受ける。違いますー!僕の好みは・・・自分で言ってて悲しくなって来た・・・。うう・・・《エル姉》。

失恋した時の事を思い出し、涙が出て来た。

 

 

「せ、セツナ・・・?」

 

「・・・帰る」

 

「ま、待て待て!?エシリア連れてアタシ達置いてけぼりか!?」

 

「もう好きに言えば良いじゃん。知らない!バーカ!」

 

 

フローリア達を振り払ってエシリアと宿へと向かう。周りの人達は・・・きっとイベントか何かだろう。そう思いながら目的の宿へ着く。受付で鍵を貰い、部屋へ向かおうとするとなにやら騒がしい。

 

 

「にーちゃん!行ってみよー!」

 

「いや此処女子部屋じゃん。僕は遠慮しておくよ」

 

「だいじょーぶだいじょーぶ!」

 

「わわっ!引っ張らないで・・・」

 

 

僕これ殺されるんじゃないか・・・?

そう思いながら部屋の襖を開ける。すると・・・、

 

 

「こんひらふにゃふにゃ~おいてにほはへて~」

 

「おおきに~」

 

「おだんご、いかがどすかー?」

 

「なぁにこれぇ~?」

 

 

なんか女子達がまったりとした喋り方になっている光景が広がってるんですけど・・・。エシリアも僕と同じ言葉を思わず言ってるし・・・。

そう思っていると、僕の後ろからヨシュアとシロ先輩、アイリス先輩、キャトラ、マリが来た。ヨシュアは目の前の光景を見て叫ぶ。

 

 

「旅館が御座敷にー!!ミレイユー!!これペケポンどすえー!!」

 

「ぺ、ぺけぽん?どすえ?」

 

「みんな・・・どうしちゃったの?」

 

「なんだか・・・はんなーりしちゃってるんだよー」

 

「はんなり・・・?」

 

 

意味の分からない単語の連発に頭の中がショートしそうになる。・・・ツキミはあまり変わらない気が・・・。

そう思っていると、キャトラがツキミに聞いていた。

 

 

「ツキミねえさん、なんともないんえ?」

 

「わかっちゃった?実はそうなんだよ~」

 

「・・・マリとツキミだけ?」

 

「何か二人に共通する事があったのではないでしょうか・・・?」

 

「う~ん・・・?」

 

 

ツキミがうんうんと唸る。その横でマリが何か思い付いた様な表情を浮かべる。

 

 

「そういえばツキミさん、お昼にお茶漬け食べたって」

 

「マリちゃんもそうだったねえ」

 

「・・・それだ!」

 

「えっ!?」

 

 

僕の声にヨシュアが驚く。説明したい所だが、これ以上彼女達の痴態を目にしたくはないので、説明を後回しにする。宝物庫から嘗て知り合いに貰ったお茶と、携帯してる炊きたてご飯をさっきお土産に買っておいた漬物と一緒に用意する。

 

 

「準備オッケー!無理矢理でも食べさせて!」

 

「は、はい!」

 

 

ヨシュア達にも手伝ってもらい、女性陣に食べさせる。

 

 

「・・・ハッ」

 

 

しず姉を皮切りに、皆が正気に戻った。

 

 

「先程までの記憶が・・・なにか頭がシャッキリとした様な・・・」

 

「よかった!セツナさんがぶぶ漬けを出してくれたんです!」

 

 

そう言うヨシュアの手には僕の出したお茶漬けがほかほかと湯気を立てていた。

因みに、《ぶぶ漬け》とは、お茶漬けの事である。

京都では、長居をする客にぶぶ漬けを出したりなどをして、《そろそろお帰りください》のサインに使うらしい。中々に興味深い文化だった為に、結構覚えていた。

思い出していると、キャトラがマールにぶぶ漬けを食べさせていた。

 

 

「ほら、アンタもぶぶ漬け食べて」

 

「おおきに~。むぐ・・・あれ?なんか目が覚めた感じ」

 

「あら、ぶぶ漬けどすなあ~」

 

「よろしおすなぁ~」

 

「お二人まで・・・」

 

 

マールの他に、ぶぶ漬けを見てカスミとセリアも寄って来た。アイリス先輩も二人の変化を見て戸惑っている。

 

 

「スミちゃん姫様もはんなり~」

 

「ヨシュア・・・エシリア、なんともないのね・・・それにセツナも」

 

「そう・・・だね・・・」

 

 

ヨシュアの表情には、何故エシリアと僕だけなんともないのか、・・・何故なのだろうか!!とでも言いたそうな表情をしていた。

それを見ていると、皆の視線が僕に向いている事に気が付く。僕にも理由が分からず、首を傾げる。

 

 

「さあ?まあ、昔から呪いとか効きにくい体質だし・・・これでも退魔士の里出身だからね。ある程度の知識はあるさ。あ、それにリオンとお茶漬け食べたよ」

 

「流石ね・・・シロも見習いなさい。コレが茶熊学園最強よ」

 

「ちょっと待って。なんで僕が最強なの?」

 

「アンタがヴィルフリート倒したって話有名よ?」

 

「なんで知ってんの!?まるで意味が分からないよ!」

 

 

そう思っていると、キャトラが理由を教えてくれた。

 

 

「前に食堂で本人が話してたのよ。本気を出させる事無く完敗したって」

 

「僕、アレで右腕持ってかれたんですけど」

 

「右腕だけなら十分だと思うわよ。アンタ先輩達からも尊敬の目で見られてるのに」

 

「ファッ!?」

 

「何よそのリアクション・・・」

 

「いや、僕あまり先輩方と接点無いから」

 

「セツナが部活の見学に来た日から大盛り上がりよこっちは」

 

 

そう言ってキャトラは面白そうに語り出す。あの、なんでシロ先輩達もニコニコしてるんですか?

 

 

「最近なんかカモメはセツナの話しかしないわよ?ずっと隊長殿~って」

 

「アレはカモメが勝手に呼んでるだけで・・・」

 

「ふふふ・・・罪な男は違うわね~」

 

「罪?なんか悪い事した?」

 

「・・・ええ、分かってたわ。アンタは超が付く程鈍感だものね」

 

「・・・なんかムカつく」

 

 

キャトラが遠い目をするのを見て何故か怒りを覚えた。そんな事を話していると、バイパーが血相を抱えて走って来た。

 

 

「なぜだ・・・なぜ今日に限ってお茶漬けを食べたのだ!ああタイミング悪い!」

 

「バイパーさんもお茶漬け食べてたのね・・・」

 

「私と食べたんだ~」

 

「へえ。ツキミとバイパーってなんか気が合いそうだもんね。お似合いだと思うよ」

 

「おらぁ!」

 

「げべらっ!?」

 

「ええっ!?」

 

 

僕がそう言った瞬間、ツキミが突然バイパーを殴った。バイパーは斬りもみ状に回転しながら床に叩きつけられる。その光景に僕は何も言えなかった。ツキミはスッキリした顔で手に付着した赤い液体をハンカチで拭っていた。

 

 

「ふぅ~・・・セツナ君?」

 

「は、はい!」

 

「私と~バイパーさんが~・・・何だって?」

 

「な、なんでもないです・・・」

 

「よろし~い♪」

 

 

ツキミから滲み出た殺意に僕は何も言えなかった。視線を逸らした先にあったバイパーのなれの果てが妙に鮮明に見えた・・・。

すると今度はバイパーの同室の方々が来た様だった・・・。

 

 

「てやんでぇーいばーろーちくしぃーめーい」

 

「ちんとんしゃん~。ちんとんしゃん~」

 

「「とらとらとら~ぃ!!」」

 

「とりあえず上機嫌な男達を激写しておくどすえ」

 

「お前も毒されるな馬鹿!」

 

 

何時の間にか復活し、カメラを構えるバイパーに思わず突っこむ。

 

 

「こいつらまで・・・!バイパーは元からおかしいから良いとしても!」

 

「あ、バイパーは良いんだ」

 

「まあね。・・・って事はコッチのやつらも・・・」

 

 

そう言ってキャトラと視線を移した先には・・・。

 

 

「ごめんやす~」

 

「「やっぱりこうなるんかい!」」

 

「はんなりしてるな・・・ブロウ」

 

「ガレア、大丈夫なの?」

 

「なんとか、保っているどす・・・全速前進DA☆」

 

「「「アウト」」」

 

 

なんか変な電波を受信しているガレアさんと、無駄に細い声を出しているオウガにぶぶ漬けを僕、キャトラ、マールの三人で叩き込んだ。

ああ、本当にもうどうやって収集つけるのさコレぇ!?

 

 

セツナサイド終了




~ある日の《飛行島》[とある酒場]~


???「うう・・・ぜっぢゃん゛~!」

キャトラ「ちょっと飲み過ぎよ《エル》」

エスメラルダ(以後エル)「だって~・・・居なくなっちゃうし~」

アイリス「でもエルさん、今の関係はもう嫌だって言ったんですよね?」

エル「そう言う意味じゃない!異性として意識してるって言おうとしたの!」

シロ「・・・(汗」

エル「あの時はつい誤解される言い方しちゃったけど!私は好きなの!愛してるの!」

キャトラ「分かったから落ち着きなさい!」

エル「せっちゃーーーん!お姉ちゃん、必ず探してプロポーズするからねーー!」

キャトラ「だからうるさーーーーいっ!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。