if~刹那君は新入生~   作:猫舌

18 / 36
~とある飛行島~


???「はぁ・・・」

アイリス「あら、《テトラ》さん?どうしたんですか?」

テトラ「アイリス・・・実はね、好きな人に会えなくて辛いんだ」

アイリス「まあ。一体どんな人なんですか?」

テトラ「綺麗な白髪でね。赤い目をしていて、誰よりも優しくて強い人」

アイリス「(またセツナ君・・・)そうなんですか」

テトラ「ああ・・・セツナとの子供欲しいな・・・」

アイリス「(知らん顔して良かった・・・)」


~物影~


エル「雌2号・・・!」ギリッ


第18話

セツナサイド

 

 

「えいっ!」

 

「ひいいいいっ!?」

 

 

大剣を振り回し、舞妓王の耐久力が紙以下になったボディを斬り裂く。情けない声を上げながら舞妓王は低下したスピードで逃げ惑う。

面倒になって来た僕は、ハルカ達の教えによって完成したもう一つの魔法を発動する。魔力を剣の切っ先に溜めて掲げ、魔力を限界まで圧縮する。そして中の魔力を斬撃波の形にして一気に飛ばす。

 

 

「行くぞ!魔道士組直伝!《超魔導烈破斬》!」

 

「「「いやいやいや!教えてない教えてない!?」」」

 

「の、のおおおおおおおおお!?」

 

 

舞妓王は細切れになり、爆発した。次の瞬間、世界は京都の町並みへと戻って行った・・・。

戻ったんだけど・・・。

 

 

「いやぁ、ぶっつけ本番だったけど上手く行って良かった!」

 

「「「良い訳無いでしょ!」」」

 

「わっ!?ビックリした・・・」

 

「それはこっちのセリフよ!どうやったらあんな魔力量を圧縮しきれるのよ!?」

 

「正直、私達の予想よりはるか上に行き過ぎよ。・・・頭痛くなって来たわ」

 

「魔法ってなんだっけ~?」

 

「な、なんかすいませんでした・・・」

 

 

理不尽に叱られて若干不満な僕の後ろで、エシリアが舞妓王の残骸から何かを取り出していた。

 

 

「は~い、星たぬきちゃん、とってきたよ~?」

 

「ファッ!?」

 

 

エシリアが手に持っていたのは、全ての元凶である花かんざしだった。それに皆が慌てる。そんな僕達を露知らず、ゴーイングマイウェイなエシリアが星たぬきに花かんざしを渡した。

 

 

「つけてあげよっか?」

 

 

エシリアの言葉に首を振った星たぬきは花かんざしを受け取った。それを見てヨシュアが止めに入る。

 

 

「身につけちゃ駄目だ!早く捨てるんだ!」

 

「待ってヨシュア君!」

 

 

ヨシュアの声にマールが待ったを掛けた。その真剣な眼差しにヨシュアは一瞬怯み、その隙に星たぬきが動いた。

 

 

「キュッキュー・・・」

 

「エッ・・・アンタ・・・」

 

「キャトラさん!星たぬきなんて言ってるの!?」

 

「まさかあの舞妓さんに花かんざしを渡すとか言わないよね?」

 

「正解よ。よく分かったわね」

 

「うん、知りたくなかったその答え」

 

 

自分の勘の良さを嘆いていると、星たぬきは舞妓さんに花かんざしを渡してしまった。絶対あの中に舞妓王の意思が残ってるのに・・・。こうなったら無理矢理でも破壊を、と思っていると・・・予想外な事が起きた。

 

 

「これ・・・うちに・・・?」

 

「キュッキュー!!」

 

「おおきになあ~」

 

「ま、舞妓はん・・・!おお・・・舞妓はーん!!」

 

 

花かんざしの中に居る舞妓王が、なにやら騒ぎ出した。先程までの様に暴れる感じではなく、感動している様な声だった。

 

 

「そうか、我はもう一度・・・舞妓はんに会いたかった・・・それだけだったのか・・・世界全てをお座敷にする必要などなかったのだ・・・お座敷はずっと、我の事を・・・」

 

 

そう言って舞妓王は一呼吸置き、

 

 

「おおきに~!!」

 

 

と大声で叫んだ瞬間、はんなりしたソウルが舞妓王の束縛を離れ、京都の町に帰って行く・・・。京都を襲った異変はこうして終息したのだった・・・!!

 

 

「全ては、舞妓はんの名の元に。世にお座敷のあらん事を!」

 

 

皆が元に戻って行く中、舞妓研究家のお爺さんはそのままだった。その性格と髪型は元からだったの!?

こうして、僕達は無事に宿へと戻る事が出来た・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数時間後、[宿]~

 

 

夜になり、修学旅行のお楽しみである宴が始まった。年長組であるオウガ達はお酒を飲んだりなど、皆が楽しんでいた。

 

 

「ワッハハハ!酒もってこーい!!」

 

「オウガ!程々にしろ!」

 

「ビーフきたー!うんめぇ~~!!セツナもほら、あ~ん」

 

「はむっ・・・おいひぃ!」

 

「セツナ、こっちのお魚も美味しいですよ。あ~んです」

 

「はむっ・・・これも中々」

 

 

両隣のシャルとフローリアから向けられた料理の数々を口にする。あの、自分で食べれるんですけど・・・。フローリアも本来関係者じゃないからね!?まあ、今回は貢献者って事で一緒に居る許可を貰ったみたいだけどさ。

メアもツキミに旅館裏に連れていかれてから戻って来ないし。

そう思っていると、近くでキャトラが例のお爺さんと話をしていた。何故此処に居るんだあの人?

 

 

「で、原因はアンタってことね!?

 

「そうだね・・・花かんざしをついつい身につけてしまったことで、乗っ取られたらしいね♪」

 

「それで、京都に来たってわけね・・・」

 

 

話を要約するとこうだ。

 

 

1:お爺さんが乗っ取られて京都の町へ(お爺さんも来たかったらしい)

 

2:そこからお爺さんを離れ、何故か露天へ

 

3:星たぬきの手に渡り、操られる

 

4:キャトラが僕達の訓練用に造ったロボを乗っ取り、今回の騒動へ

 

5:黄金劇場&超魔導烈破斬

 

6:終息

 

 

なんともまあ、長い旅路な事で・・・。

そう思いながら飲み物を飲み、目の前で踊る舞妓さんの華麗な舞を見ていた・・・。

 

 

「美しい踊りですね・・・京都に来て良かった・・・」

 

「むぅ・・・セリアよ。いい加減撫でるのを止めてくれないか?」

 

「お、俺もそろそろ飯を食いてぇ」

 

「あとちょっとだけ・・・はぅ~ドラゴン皆可愛いよ~♡」

 

 

なんか暴走気味のセリアの膝にはミニサイズのリオンとクリアが愛玩動物扱いされていた。

やがて舞妓さんの舞が終わると、酒の匂いを漂わせてベロンベロンに酔ったオウガが僕に話し掛ける。

 

 

「セツナ~!なんか歌えや!」

 

「何で急に・・・」

 

「良いじゃねえか!前に俺の所泊まった時の宴で仲間達に歌ってくれただろ!」

 

「あまり歌に自信は・・・」

 

「セツナは上手ですよ。私も聞きたいです」

 

「んじゃ、あたしも~」

 

「フローリア達まで・・・分かったよ」

 

 

僕は立ち上がって、舞妓さん達が舞を踊っていた位置に立って渡されたマイクを持つ。皆の視線が一気に僕に集中する。は、恥ずかしい・・・おい、そこの蛇。何写真撮ってるんだこの野郎。

 

 

「それじゃあ、行きます。《拍手喝采歌合》」

 

 

僕は意識を切り替えて、兎に角歌う事にした・・・。

そして曲を歌い終えて、一息吐く。ついテンションが上がって、舞妓さんの舞を真似て踊ってしまった。皆からの反応にビビりながら部屋を見渡すと、何故か全員に拍手された。何故?

 

 

「凄いわセツナ君!」

 

「・・・♪」

 

「な、なんて美声・・・!」

 

「浴衣がまた歌に映えるね・・・」

 

「にーちゃんすご~い!」

 

「い、一瞬見惚れてしまった・・・」

 

「お兄ちゃん・・・」

 

「ガハハ!最高だぜ!」

 

「ふむ・・・セツナの歌ってる写真。欲しい奴は?」

 

「素敵ですね。あ、写真一枚もらえますか?」

 

「姫様!?こほん・・・自分も後で頂きたい」

 

「歌い手としても有望か。バイパー殿、自分とシズクの分で二枚程」

 

「セツナ・・・私は姉として嬉しい限りだ!」

 

「ブロウは最早なんでも出来るな。俺も一枚くれ」

 

「セツナ君、アイドルとかやってたのかな~?」

 

「もう一番とか無理な気がするわ・・・」

 

「元気出しなさい。でも、あのステータスは女として負けたわ」

 

「ん~♪セツナの声ってやっぱ良いよな~」

 

「そうですね。バイパーさん、セツナの写真2ダースで」

 

「し、死ぬかと思ったけどセツナの声で地獄の底から舞い戻ったわ・・・。バイパーさん、私も写真欲しいです」

 

「私も~♪映像もあるよね~?」

 

 

皆好評価をくれた様で、安心した。あ、リオンとクリア寝てる。まあ、今日は色々あったからね。時間を見ると、良い時間だったので、僕は声を上げる。

 

 

「はい、宴もたけなわですが、そろそろ終わりにしましょう」

 

「だな。セツナ、もうこのまま部屋行って良い?」

 

「良いよ。それじゃあ、布団敷くの手伝ってね」

 

「めんどい・・・」

 

「このまるで駄目な御子。略して《マダコ》め」

 

「人を海洋生物みたいに言うなし!」

 

「待ってください。なにしっぽり行こうとしてるんですかこの変態御子」

 

 

部屋に戻ろうとすると、シャルがフローリアに止められた。僕は面倒な予感がするので、部屋へ咲きに戻る。リオン達?セリアの部屋にお泊まりだってさ。良かったね、美少女と寝れるよ!

 

 

セツナサイド終了

 

 

三人称サイド

 

 

セツナが部屋に戻った後の宴会場では、セツナラヴァーズによる激闘(口論)が繰り広げられていた。

 

 

「だからセツナはあたしと寝るんだし!」

 

「いいえ。セツナとオーバーレイするのは私です」

 

「わ、私が・・・」

 

「「黙れクレーター」」

 

「抉れてないわよ!?蟻の巣の入り口くらいの盛り上がりはあるわよ!」

 

「それ、自分で言ってて悲しくならない?」

 

「言わないで・・・!」

 

「それじゃあ、私が~♪」

 

「もっと駄目だろ!」

 

「なにしやがるつもりですかこのラビット」

 

 

メアを撃沈させた二人はツキミを止めに掛かる。シャル達の言葉にツキミはモジモジしながら答えた。

 

 

「だって兎は年中発情期だから~♪きゃ♪」

 

「きゃ♪じゃないですよこの淫乱ラビット!カスミ!コイツ今すぐ祓って。貴女の得意分野よね」

 

「そんな事したらツキミの存在が消えちゃうでしょ。私はもう寝るわ。勝手にやっててちょうだい」

 

「何気にひど~い・・・」

 

 

カスミの辛辣なコメントに、ツキミのウサ耳がしゅん、と垂れ下がった。そんな彼女達を傍から見ていた者達は冷や汗を流しながらその光景を見ていた。

 

 

「・・・(汗」

 

「セツナ君、モテモテね」

 

「魅力あるものね、あの子」

 

「うぅ・・・私も行きたいけど恥ずかしさが・・・」

 

「アイツ今夜大丈夫か?」

 

「あんなにモテる男はそうそう見ないぞ・・・」

 

「だがセツナは鈍感だ。好きだと言っても親愛と捉えられるだろうな。取り敢えず女の戦いを激写!」

 

「わ、私も参加するべきなのかしら・・・でもリオンちゃん達とも寝たいし」

 

「ブロウも罪な男だな。だが、どうやったらあそこまで鈍感に・・・」

 

「ガレア様、セツナは育った環境が環境だったのでその・・・」

 

「私達が至らなかったばかりにセツナに辛い人生を強いてしまいました・・・!」

 

「二人共、それに関しては俺にも責任がある」

 

「・・・お前等も苦労してるんだな」

 

「皆おとなだね~・・・あれ?エシリアちゃんは?」

 

「そういえば・・・ミレイユ、知らない?」

 

「さっきセツナさんと出て行ったけど・・・」

 

 

ミレイユの言葉に部屋の全員が固まる。誰もが思った。

[ぅゎょぅ∫゛ょっょぃ]と・・・。

そして廊下の向こう。かなり距離のある筈の一室から叫び声が聞こえた。

 

 

----なんでエシリア脱いでるの!?

 

----にーちゃーん!

 

----待って!?僕捕まっちゃう!てか服着て服!

 

----エシリア寝る時脱ぐよ~?

 

----やだこの子裸族!?シャルー!早く来てくれー!

 

 

「あの幼女~!今は一時休戦!取り敢えずセツナを事案から救出な!」

 

「賛成です。あのロリ、肥料にしてあげますよ」

 

「わ、私も行く!」

 

「お団子にしてあげる~♪」

 

 

こうしてドタバタな修学旅行の一日が、幕を閉じたのであった・・・。

尚、この後結局セツナはラヴァーズ全員と寝ました・・・。

 

 

三人称サイド終了

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。