if~刹那君は新入生~   作:猫舌

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教えて!ソウマ先生!を投稿しました。
ご迷惑をお掛けしました・・・。


第9話

セツナサイド

 

 

僕の指示に皆が動き出した。敵は闇に取り込まれ、変わり果てた智の民。当然ながら敵の情報なんて一切無い。

何も分からない以上、出来る事を全力でやるしかない。僕は戦旗を構えてリオンに話し掛ける。

 

 

「行くよリオン。僕達の初陣だ」

 

「うむ。格の違いを教えてくれるわ」

 

 

頼もしい答えと共に、リオンは僕を乗せて宙を駆ける。僕達の行動に気付き、すぐに向こうも攻撃を仕掛けて来た。その巨体を乱暴に揺すり、僕達の接近を阻止する。

 

 

「くっ!これでは近付けん!」

 

「ならコレで!投影開始、《天の鎖》!」

 

 

投影で創り出した黄金の鎖が魔物に絡みつく・・・筈だった。

絡みついた筈の鎖はその魔物を拘束する事なく、弾かれた。この時、僕達は初めて魔物の周りに薄い緑色の障壁が張られている事に気付く。

 

 

「マジで!?天の鎖が効かない!?」

 

「なんだあの出鱈目な障壁は!」

 

 

ゲオルグさんと相手の訳ワカメな性能をディスっていると、魔物の頭部から何かが地上へと落ちて行く。魔弾だと思ったソレは小型の魔物へと変化した。小型の魔物はマリ達へと迫って行く。

 

 

「お前等!死守だ!」

 

 

オウガの言葉に地上部隊がマリ達を必死に守る。そんな中に、巨大な魔物は更に魔弾を放とうとしていた。

僕はリオンと前へ出て、再びアイアスを展開する。急だった所為か投影が甘く、花弁が一枚散る。次の瞬間、僕の左手から夥しい量の血が吹き出る。

 

 

「セツナ!?」

 

「大丈夫。まだ行ける」

 

「だがそのケガでは・・・!」

 

「この程度じゃ僕は死なないよ」

 

「・・・分かった。だが無理だったら必ず言え」

 

「ん。約束する」

 

「よし。・・・どうやら完成した様だな」

 

 

リオンの言葉に僕は地上へと視点を移す。そこには立派なバリスタが佇んでいた。魔物も危険を察知したのか、僕達から距離を取る。その内に僕達ドラゴンライダー組も着陸して合流する。

 

 

「どうやら間に合ったみたいだね」

 

「セツナ!?その傷は!?」

 

「さっきアイアス張った時にちょっとね」

 

「誰か回復を!」

 

「私がやります。お願い《ウィータ》!」

 

 

知らない顔の少女が背中から羽を生やし、謎のオーラを僕に振りまく。すると僕の腕がみるみる内に治って行く。やがて十秒もしない内に完治した。

 

 

「コレは凄い・・・」

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「うん。ありがとう」

 

「はい!こちらこそ、先程は守ってくれてありがとうございました!」

 

 

そう言って僕を治してくれた少女は丁寧にお辞儀をする。礼儀正しい子は嫌いじゃないよお兄さん。

 

 

「ま、ケガも治った事だし早速撃とうかソレ」

 

「マリ、お願い出来る?」

 

「わ、私!?」

 

「まあ、修理した君が撃つのは当然だよね」

 

 

僕とシャルで提案する。周りの皆も文句一つ無く、頷く。マリはその光景にアワアワしていた。なにこの可愛い生き物。

 

 

「それは良いけど・・・あの障壁をなんとかしないと」

 

「なんとかって・・・向こうも動き出したみたいだ」

 

 

突如魔物が動き出す。体を大きく振るわせると、僕達の足元にマルとバツのパネルが出現する。それと同時に、頭の中に声が流れ込んで来た。

 

 

----問題:セツナは水泳部のマネージャー?

 

 

「・・・はい?」

 

 

突然の事に僕はポカンとなった。なんだコレ?そう思っていると、全員が何時の間にかマルのパネルの上に乗っていた。え、コレクイズ形式!?

僕も急いでマルのパネルに乗る。すると、クイズ番組でお馴染みの正解音が流れ、魔物の悶絶する声が響く。そして魔物の体から障壁が消え去った。

一瞬またポカンとなったが、すぐに僕は指示を出した。

 

 

「マリ!急いでバリスタ発射!」

 

「うん!行っけえ!」

 

 

バリスタから放たれた数発のスピアが魔物の正面を捉える。すると、魔物は苦しみながら地上へと落下した。なんだ、僕の細かい指示いらないじゃないか。

 

 

「全員、突撃ぃ!」

 

 

僕の言葉に武器を構えた皆が突っ込み、各々の技を放つ。僕とリオンもそれに参加した。

リオンの全身から紫電が放たれ、魔物を包み込む。すると魔物は弱体化し、リオンの力が上がる。

コレはリオンの特殊能力であり、一体の魔物に対して二回だけ対象の力を半減させ、その半減させた分をリオンにプラスすると言うチート能力である。

リオン曰く、スキル名は・・・

 

 

「「《トリーズン・ディスチャージ》!」」

 

 

魔物の力が半減された今の内に、全員の一斉攻撃が襲う。魔物は最後の力を振り絞る様に空へと高く飛び立った。

 

 

「逃がすか!もう一丁、トリーズン・ディスチャージ!」

 

 

再び放たれた紫電によって力を殆ど失った魔物は天空高くから落下して来る。そこに僕とリオンが最後の攻撃に出る。

リオンの牙に魔力を集中させる。

 

 

「因みにコレは逆鱗だ」

 

「マジで!?弱点晒してくスタイル!?」

 

「それより、決めるぞ!」

 

「あいよ!」

 

「「《反逆のライトニング・ディスオベイ》!」」

 

 

今にも爆発しそうな量の魔力をその逆鱗に込めて、相手へと突撃する。魔物へ激突した瞬間、掘削音と爆発音が混じり合った様な轟音を響かせ、魔物の巨体を突き進む。やがて体を突き抜け、魔物は力無く海へとその体を落とした・・・。

 

 

「・・・!」

 

「分かったわ、シロ!《カリラ、ルークス・・・」

 

 

アイリス先輩が祈りを捧げながら何かを唱えると、白い光が魔物の全身を柔らかく包み込む。

 

 

「おぉ・・・!」

 

 

カムイ学園長が感嘆の声を出した瞬間、魔物の表面からしゅわしゅわと闇が大空へと飛び出し、そのままゆっくりと海へと沈んで行った。

小さなさざ波だけを残して・・・。

 

 

「やった!流石アイリス!」

 

「・・・♪」

 

「智の民さん・・・これで・・・静かに眠れるかな・・・」

 

「ああ・・・きっと、感謝してると思うぜ」

 

「悪しき意思に染まった《智》は、肥大化し、暴走する・・・いやはや・・・恐れ入ります。彼らは最後の最後まで、教訓を残してくれたのですよ・・・」

 

「・・・」

 

 

学園長の言葉にアイリス先輩達は無言になる。僕も着陸して海を見つめていた。暗い雰囲気の中、学園長は気を取り直す様に声を上げた。

 

 

「・・・さて!みなさん!お見事でした!という、お祝いの言葉もソコソコに!お客様達を呼び戻し、文化祭を再開しようではありませんか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数時間後~

 

 

「壊れた屋台を立て直した」

 

「はやっ!?」

 

「相変わらず器用ですね。バイパーさんなら、あの兵器も直せたんじゃないですか?」

 

「無理だな。技術はあっても知識がない。それに、セツナの投影の方がまだ望みがあった気がするが・・・」

 

「あの短時間で基本骨子の構築の解析をしろと?それに僕は機械系が得意って訳じゃないしね。はい、鉄板とコンロも直したよ」

 

「早いわよ!?」

 

 

僕とバイパーの修理の速度にハルカが突っ込みを入れる。だってセリア達がお客を誘導してる間に早く準備したいじゃないか。皆が来てすぐに商品を提供できる様にしたいし。

 

 

「んで?メアはなんで此処に居るの?」

 

「辛辣!?・・・やる事ないし・・・ごめん」

 

「・・・あーもー!もう一つ直す所見つけたから手伝って!」

 

「セツナ・・・うん!」

 

「んじゃ、ドライバー取って」

 

「はい!」

 

 

気まずい空気に耐えられず、結局メアに手伝いを頼んでしまった・・・。あんなに嫌悪感しかなかった筈なのに・・・やっぱり僕って甘いな。

・・・こんな時に限ってリオンは他のドラゴン達と行っちゃったし・・・。

 

 

「でも、セツナ達でも無理ってやっぱりあの子凄いわね」

 

「そうだね」

 

「ああ」

 

「やっぱり知識って大事よね。いざっていう時に身を助けるもの。よぉ~し!私も、もっともっと勉強して、いつか一番になるぞぉ・・・!」

 

「・・・よし、終わり」

 

「セツナ、少し休むと良い。ケガは治っているとはいえ精神的疲労は抜けてないだろう」

 

「それじゃ、お言葉に甘えてその辺の木陰で寝て来るよ」

 

 

僕は立ち上がって歩き出した。此処で休むには五月蠅すぎる。周りを見ると他の生徒達も屋台の立て直しに一生懸命で、工具の音ばかりだった。

暫く歩いていると、オウガとシャル、マリが居た。

 

 

「やっほ。お疲れ様」

 

「おうセツナ。それにミコサマ」

 

「その名で呼ぶなし」

 

「・・・光焔の御子(笑」

 

「止めろぉ!?」

 

 

僕の一言にシャルは顔を真っ赤にする。

そんなシャルを見てマリは首を傾げていた。

 

 

「みこさま?」

 

「あ~、気にしないで。あたしはあたしだからさ。あんたもあんたっしょ?」

 

「私はこんな自分、結構嫌なんだけど?」

 

「そう卑下すんな。古代兵器の修理なんざ、誰にも出来る事じゃねえぜ?」

 

「まあ・・・そうですかね・・・そうかも」

 

「・・・ん?」

 

「・・・実は、結構カンでやっちゃってたから、自分でも二回は出来ませんね」

 

「「「ファッ!?」」」

 

 

今なんて言ったこの子!?カンでやった!?あの土壇場で・・・凄いな兵器学科。

 

 

「はあ!?自分で丁寧に、とか言ってたくせに!?」

 

「ごめーん、時間稼ぎだったー」

 

「こいつぁ、たいしたタマだぜ」

 

「・・・マジかこの子」

 

「そ、そこまで引かなくても・・・」

 

「ま、まあでも君のカンに助けられたし・・・何はともあれ、助かったよ。ありがとう、マリ」

 

「は、はわぁ・・・」

 

 

僕がお礼を言うと、再びマリが顔を紅くしてアワアワし出す。だからなんだこの可愛い生き物。持ち帰っても良いですか?え、ダメ?ですよねー。

 

 

「コイツはまた・・・」

 

「笑顔はずるいって・・・!」

 

 

オウガ達が何か言っている中、カスミが僕達の所へと歩いて来た。

 

 

「ねえ、マリさん。図書カード落としたでしょ?」

 

「あ、ごめんなさい。慌ててたもんだから・・・」

 

「ちゃんと持ってなさいよ」

 

「ま~ま~、そう怒らんでも」

 

 

ちょっとキレ気味なカスミをシャルが宥める。それでも尚、カスミはマリへ言う。

 

 

「怒るわ」

 

「へ?」

 

「私ね、かなり反省したの。それでね、心を込めて作り直したんだから・・・」

 

 

先程の表情より柔らかくなったカスミは言葉を続けた。それはもう、照れ臭そうに。

 

 

「だから、マリさんにも大事にしてほしいの。バタバタしてたのも分かるけど」

 

「いやいや、ほら、でも、カードくらいでさ、そんなに怒る事も・・・」

 

「ううん・・・怒られたい」

 

「・・・ドM?」

 

「はぁ!?マリ、あんた妙な事言ってるって自分で分かってる?」

 

 

驚きのあまり、僕とシャルはドン引きしてしまった。この子そっち系の子か・・・辛いわぁ・・・。

 

 

「ホントにもう。今日は片づけもあるから、明日、改めて図書室に来て」

 

「・・・!」

 

「ね?」

 

「・・・はい!」

 

 

仲良いな~とか思っていると、学校に放送が流れた・・・。

 

 

----あー、テステス、マイクテステス、テステステス・・・

 

 

「お、学園長だ。どうしたんだろう?」

 

「さあ?どうせまた碌でもない事っしょ?」

 

 

----文化祭お楽しみのところ、大変失礼します。業務連絡です。

 

 

「業務連絡だあ?んなもん後でも良いだろうが」

 

「ちょっと黙ってなさいよ。聞こえないでしょ?」

 

「あ、わりい・・・」

 

 

----えー、新入生の皆さん。バトル等々、お疲れ様でした。突然ですが、皆さんには・・・----修学旅行に行ってもらいます。

 

 

「「「「はいぃ!?」」」」

 

 

フローリア。どうやらまた面倒事が舞い込んで来た様です・・・。

 

 

セツナサイド終了

 

 

三人称サイド

 

 

茶熊学園文化祭から数日の事、とある島の森に佇む家の主《フローリア》はセツナから届いた《録音のルーン》から流れる声を聞いていた。

茶熊学園で再開した人達や、新しく出来た友人、そして今度は修学旅行へ行く事等を事細かく音声で説明してくれていた。

セツナはフローリアの目が見えている事は知らない。故に、目を閉じていても近況が分かる様、工夫したのだ。

メッセージが終わると、フローリアは思わずルーンを握りしめていた。それはもう、手から血が流れる程に・・・。

その理由とは・・・

 

 

「セツナはまた女性と関係を持って・・・!」

 

 

なんとも私的な理由だった。なんとなく懸念していた事が的中していた。セツナを自分の警護に連れて行っている間にも褐色肌の王女にプロポーズされたり、露出度の高いドラゴン娘に過激なアプローチをされたり、笛を吹く少女にパパと呼ばれたり、挙句の果てには自分をアンドロイドと名乗る男性に一目惚れされていた。

もはや性別も関係無くフラグを建てて行くセツナに対し、フローリアは危機感を抱いていた。

 

 

「修学旅行の行き先は・・・《京都》と言っていましたね。」

 

 

そう言ってフローリアは部屋で荷物を纏め始める。そして数日後、港へと向かう。

行き先は・・・京都。

 

 

「待っててくださいセツナ・・・!」

 

 

三人称サイド終了




~教えて!ソウマ先生![三限目]~


ソウマ「よし、今回はダンジョンの特徴を学んで行こう」

セツナ「僕は過労死ことスピードウォリアーとジャンクシンクロンをチューニング!」

ツキミ「シンクロだね~」

リオン「エクシーズは?エクシーズは無いのか?」

ソウマ「話を聞け!」

二人&一匹「「「はーい・・・」」」

ソウマ「おっほん・・・では、授業を始める」

セツナ「ダンジョンの特徴ですよね?」

ソウマ「ああ。まずダンジョンで必ずと言っても良いほど見掛けるのは《宝箱》だ」

ツキミ「攻撃すると開きますね~」

ソウマ「そうだ。中には《ルーン》等が入っているが、偶に特殊な武器が入っている事もある。見つけたら積極的に開けて行こう」

セツナ「でも宝箱がモンスターだった時もありましたね」

ソウマ「不安な場合はスキルや長距離からの攻撃をすると良い」

リオン「宝箱は分かった。他にはどんな物があるのだ?」

ソウマ「次は《スイッチ》だ。ダンジョンの閉ざされた扉を開けるのに必要なギミックだな」

リオン「スイッチにも種類はあるのか?」

ソウマ「ああ。一回きりの物もあれば、起動させる回数によって変わって来る物もある。この島のダンジョンの中には物を置いておかないと機能しないスイッチもあるぞ」

セツナ「うわ、面倒臭い・・・」

ソウマ「ダンジョンなんだからそう言う物だろ?次は《毒沼》、《魔力減少沼》だ」

セツナ「一つだけ違和感バリバリですね」

ソウマ「正式名称は特に無いしな。毒沼は察しの通り、踏んだら毒状態になって体力を常に削られて行く。魔力減少沼はスキルを使う為の魔力が削られて行くんだ」

ツキミ「気を付けて進まないとですね~」

ソウマ「ああ。でもドラゴンライダーは飛行中であれば沼等の床トラップを無視して進む事が出来る。飛べる奴の特権だな」

セツナ「僕達は有利だね」

リオン「うむ」

ツキミ「そうだね~」

ソウマ「他にも沢山あるが、それは実技で教えて行こう。では、次の時間は外に集合!」

セツナ「僕は疲れたからツキミよろしく」

ツキミ「は~い♪きりーつ、れーい♪」

三人&一匹「「「「ありがとうございました!」」」」
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