千日紅   作:夏(。・ω・。)

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年明けた~ヤホ~浮かれてま~す!とか言ってるけど、内容はシリアスだよ!新年早々血まみれヤッホイ!

 

燃え上がる炎

 

自然と汗が流れる

 

ポタッと落ちた一粒の雫は

 

汗か、涙か、それとも

 

愛する者の、血か

 

 

 

 

 

 

 

 

「「銀時!」」

 

恐ろしいほど燃え上がる塾から出てきた銀時に桂と高杉ははじかれたように近づいた。

 

そして、何もかもがやける匂い、なによりも銀時から香る血のにおいとなまものが腐っていくようなにおいに眉をひそめた。

 

しかし、何かがおかしい事に気付いた。

彼がいないのだ。本来なら傍について銀時を抱きしめながら『大丈夫、大丈夫』とつぶやくあの人が・・・

 

 

「銀時・・・、先生は?」

 

 

なんの反応も示さない銀時に、高杉は詰め寄る。

 

 

「おい!銀時!先生はどこだよ!」

 

「やめんか晋助!」

 

「うるせぇ!銀時!答えろ!!先生はどこに居るんだ!!!」

 

 

動揺で我を忘れている高杉に桂の制止も届かず、放心状態の銀時をゆする。

見ていられず銀時のそばに寄ろうとする神楽と新八に制止がかかる。

 

 

「何するアルカ!マヨ!」

 

「退けてください土方さん!」

 

「ダメだ。」

 

「なんッ「これは過去だ。ここで俺たちが首を突っ込んじゃいけねぇ。」

 

「そんな・・・」

 

「見てるだけなんて、・・・耐えられないアル・・・。」

 

 

うっすらと目に涙を浮かべながら神楽はうなだれた。

 

なおも銀時をゆすり続ける高杉と、止めにかかる桂。大人たちは必死の消火活動を続けるも炎はとどまることを知らない。

すると、銀時がゆっくりと立ち上がった。

 

 

「銀時・・・?」

 

 

桂の呼びかけにも答えず、まっすぐと炎を見つめる銀時。

周りの者は思わず銀時に見入った。

真っ赤な目に映る真っ赤な炎はゆらゆらと揺れており、普段は真っ白な銀時の髪の毛は今は赤に染まっており、それまでもが炎と同化しているようにゆらゆらと揺れていた。

 

銀時と向き合うように立っていた高杉は銀時の口がわずかにふるえていることに気付いた。

 

 

「・・・んせ・・・」

 

 

桂も気づく

 

 

「せ・・んせ・・・」

 

 

ああ、なんて残酷な。

この銀色から彼を奪うだなんて。

 

 

 

「う・・・そ・・・だろ?先生が・・・」

 

「先生が、死んだ?」

 

 

二つの心が壊れる音がした。

 

二人と銀時の間に風が吹いた。

すると、突然銀時が塾に向かって走り出す。

 

 

「銀時!!!」

 

 

桂が必死に止めにかかる。高杉はただただ燃え盛る炎を眺めているだけだった。

 

 

「・・・んせッ。せんせッ。・・・・松陽せんせぇええええええ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなの、ヒデェでさァ。」

 

「ああ。これじゃ、幕府を恨むのもうなずける。」

 

「これじゃあ幕府が悪としか思えん。」

 

「銀さんが過去を語らないのは、語れないんじゃない、語りたくないからなんだ・・・。」

 

「銀ちゃん・・・。」

 

 

しばらくこの悲痛な光景を眺めていると、突然頭に激痛が走った。

 

頭にガンガンという音が響く。あまりの痛さに目を閉じると頭の中に映像が流れてきた。

 

 

 

 

 

未だに血を流す死体の上で握り飯を食らう銀時。

突如現れた松陽が何かを話している姿。

その時に投げた刀は、自分たちが出会ってから銀時が肌身離さず持ていたあの刀だった。

 

 

ところ変って、先ほどとは違い、きれいな着物に身をくるまれ元気に桂や高杉とじゃれる銀時。

それを、慈愛に満ちた表情で眺める松陽。

 

 

銀時が何かを叫びながら、松陽に押入れの中に閉じ込められる様子。

すると、天人が現れ松陽に切りかかる。

銀時の視線に戻り、小さく開いた穴から松陽の首がはねられる瞬間を見つめる銀時。

 

 

燃え盛る炎が消え、松陽をさがす銀時。

光るものを見つけ近寄ると、それはあの刀だった。

それを胸に抱き空を仰ぐ目には、何も映っていなかった。

 

 

時は流れ、攘夷戦争時代。

銀時は次々と敵を切り伏せていく。

しかし、敵がいなくなった戦場で空を仰ぐ銀時の目には、やはり何も映っていなかった。

 

 

桂や高杉、そして坂本とじゃれあう銀時。

それを見て、みんなが笑顔を浮かべていた。

しかし、やはり目に光りはなかった。

 

だんだんと声が聞こえてくる。

 

 

 

たくさんの天人に囲まれる銀時と桂。

二人とも血だらけで息も乱れている。

「これまでか、敵の手にかかるより、最後は武士らしく。・・・潔く、腹を切ろう。」

「・・・馬ァ鹿言ってんじゃねェよ。立て。美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで。美しく生きようじゃあねェか。」

荒れ狂うように戦う二人。

 

 

 

星がまたたく夜、屋根に上って坂本と談笑をしている銀時。

「決めた。わしゃあ宙に行くぜよ。こーんな戦は徒に仲間ぁ死にに行かせるだけじゃあ。わしゃあもう、仲間ぁ死んでいく姿は、見とおない・・・。」

日が昇ると同時に去っていゆく坂本の背中を見つめ続ける銀時。

空を仰いだ銀時の目には、涙が光っていた。

 

 

 

攘夷軍の本拠地に押し寄せる天人。

その中でも頭のような男と向かい合っている高杉。

同時に駆けだすと高杉の左顔に鮮血が吹きあげた。

「そうか、お前・・・あの時の・・・」

すると突如銀時が高杉をかばうように現れた。

「お前だけは・・・俺がァアアアアア!!!」

 

 

 

たくさんの天人に追われている攘夷軍。

わかれ道でいったん止まる。

「鬼兵隊!右へ!」

「なら俺の軍は左だ!銀時お前は真ん中だ。」

「ああ。分かってる。」

「銀時、ヅラ。ここでお別れだ。」

「ああ。分かっておるな?」

「分かってるぜ。なあ、銀時?」

「ああ。必ず、」

「「「生きて・・・会おう!」」」

3人別々の道に分かれて行く。

しかし、銀時は走らなかった。全員が逃げ切ったころ、とうとう天人に囲まれた。

「おい!天人共!俺が相手だ!ここらに居る天人全員でこの白夜叉様にかかってきやがれぇえええ!!!」

一人で戦う銀時は、いくら強いからといっても戦が終わった後、しかも食料も口にしていないせいか、フラフラだった。たくさんの血を流しながらも戦う銀時。

あれほどいた天人が片付いたころ、朝日が昇った。その光は銀時を優しく包み込むように降り注いだ。

「これで、俺の役目は終わりだ。先生、俺これだけは守れた。世界で一番大切な二人だけは・・・。小太郎、晋助。・・・・・・生きろよ。」

そういって地面に己の装束と刀立てる。それは白夜叉の死を意味しているかのようだった。

 

 

 

壁に手をつきながらフラフラと路地裏を歩く銀時。

「ここは、どこだよ・・・クソッ。」

真っ白な雪が降り始める。そんな中白い着物一枚に身を包む銀時は寒ささえも感じられないほど衰弱していた。墓場が見え始める。ある一つの墓石に身を任せるようにして崩れ落ちる銀時。

『ああ、死ぬのか、俺ァ・・・』

『銀時。』

『先生・・・?』

人が近づく音が聞こえる。

『銀時、あなたは・・・』

墓に何かを供えたような音。

『生きなさい。』

片方の口元を力なくあげると、銀時は息を吸い込み、久しぶりに喉を震わす。

「オイババア。それまんじゅうか?食べていい? 腹減って死にそうなんだ。」

『生きて、みるぜ。先生・・・。みすぼらしくたって、この生にすがりついてやる。』

「こりゃ、私の旦那のもんだ。旦那に聞きな。」

『先生も小太郎も晋助もいない。この、新しい場所で・・・』

 

「死人は口も聞かねェし団子も食わねェ。だから勝手に約束してきた。この恩は忘れねェ。アンタのバーさん老い先短いだろーが、この先は。俺が護ってやるってよ。」

 

そう言った銀時の目には光りがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の痛みがなくなり目を開けると、そこには未だに燃え盛る炎があった。

小さな銀色のこれまでの生き様とこれからの姿を見た5人は涙をこぼした。

 

 

すると身体は光りに包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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