千日紅   作:夏(。・ω・。)

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何かの前触れには必ず雨と雷がつきもの

 

 

 

ある日の昼。

空は厚い雲に覆われ太陽は隠されているせいか、町は暗い。

今にも雨が降りそうだと空を見上げる者の頬に一滴。また、一滴。

 

小走りに行き交う人々の真ん中で立ちすくむ人影が一つ。

ただ空を見上げるその瞳はどこを見ているのか。

そっと頬に落ちた雫ははたして雨か、それとも・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀ちゃん遅いアルナ~。」

 

「どうせ道草くってんでしょ。まったく、いい大人なんだからお使いくらいちゃんとしてくれないかなあ、もう!」

 

「言うだけ無駄アル。」

 

「はあ~、そうだね。それにしても本当に真っ暗だね。銀さんが帰ってくるまでに降り出さなければいいけど・・・。」

 

「あッ!ピン子が始まるネ!新八!テレビつけるヨロシ。」

 

「ちょっそれくらい自分でしなよ神楽ちゃん!」

 

「お前がテレビに近いからダロ。」

 

「お前のほうが近いわぁああああ!!!」

 

 

ちなみに今神楽は玄関からみて右側のソファーにおっさんのように肩肘を立てて、その上に頭を置いて寝っ転がっている。新八は社長机の近くの窓から空を眺めていた。

明らかに神楽の方がテレビには近い。

 

 

仕方なく自分でテレビをつけに行く神楽。

しかし、テレビをつけようとした瞬間・・・。

 

 

ピカッ!という光りに目がくらみ思わずしゃがむ神楽と新八。

次の瞬間、地響きを伴った爆発音のような音が響き渡った。

そう、雷が落ちたのだ。しかも、相当近くに。

 

そっと目を開けると電気が消えていた。先程の雷で停電が起きたらしい。

真っ暗な部屋の中、降りだした雨の音が響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たで~ま~。おーい大丈夫かぁ~。」

 

 

どのくらい経っていただろうか。なぜか時が止まったように白けていた二人は、待ち人の声で我に返った。なんとなく怖くなった二人は急いで玄関に走る。

 

 

「おお~。どした?二人とも。」

 

 

不安げな表情で走ってきた二人の頭にそっと手をのせる。

 

 

「電気、消えたアル。」

 

「さっきの雷で・・・。」

 

「おお~、そうか。ま、そのうちつくだろ。」

 

 

相当雷が怖かったようで、俯いたままの二人を見て、銀時は子供らしい二人の様子に頬の筋肉が緩んだ。

 

ぷぷっ。と笑いをこらえている声に二人は疑問を感じ顔を上げると、そこにはびしょ濡れになって髪の毛に元気がなくなっている銀時が微笑みながら二人の頭に手を置いている姿があった。

 

 

「ちょッ銀さんびしょ濡れじゃないですか!」

 

「お~。突然降りだすからよぉ。まいっちまうぜ。神楽、タオルもってきてくれ。」

 

「ルージャ!」

 

 

ちょっと元気になったかな。と思い安心していると、新八から早く風呂に行って身体を温めてください!という言葉にだらだらと従い、靴を脱ぐ。ウゲッくつの中に水溜まってらぁ。気持ち悪ッ!

 

 

「いくら暖かくてももう秋なんですから、風邪引きますよ!ちゃんと温まってくださいね!」

 

「はいは~い。全く、お前は俺の母ちゃんかッ。」

 

「ごちゃごちゃ言わないでさっさと入る!」

 

 

そう言われてやっと濡れた服に手をかけた銀時を見て新八は神楽が待つリビングへ行く。

すると突然電気がついた。

 

 

「あ、やっとついたね。電気」

 

「おお~!早くピン子見るネ!もう20分も経っちゃったアル!」

 

 

相変わらずの雨音と、いつものように騒がしくなった万事屋の音とで歌舞伎町はまた人々が忙しなく動き出す。

 

 

 

 

しかし、二人ともどこか気分は沈んでいた。

この雨だ。そりゃあ気分が弾まないのもうなずける。

しかし、そういった感覚ではない。

雷が落ちて、いつもと違って怖いと感じたのもおかしかった。

何だろうか。このなにか引っかかる感情は。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな万事屋に客を知らせるベルが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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