千日紅   作:夏(。・ω・。)

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エイプリルフールってなんでうそついていいの?うそはダメなんだよ~

 

 

ここは真選組屯所の中にある尋問室。

 

そこには土方をはじめとして、近藤、沖田と、先日の『神隠し』事件で捕獲した浪士の4人がいた。

 

近藤は普段の姿からは想像できないほど真面目な顔で、沖田は今にも相手を射殺しそうな眼で、土方は相手を頭からつま先まで見透かすような、開いている瞳孔をさらに開けて見た。

 

誰もが逃げたくなるような空気に居ながら、その浪士はただただにやりと下品な笑みを浮かべていた。

 

 

「いい加減吐きやがれ!!!坂田銀時をどこにやった!!!」

 

「さあ?どこだろうねぇ?」

 

机をドンっと叩き相手を威嚇する土方に動じず、逆に茶化したように言った。

 

「土方さん。これじゃ埒があきやせんぜ?」

 

「ああ。近藤さん。」

 

 

沖田の言葉に同意した土方は、近藤に許可を貰うため目線を送る。

自白剤の使用の許可を。

 

 

「仕方あるまい。ザキ。」

 

「へい。」

 

 

どこからともなく現れた山崎の手には、拷問道具。

一応警察機関であるため、こう言った非道なものを使うにはそれなりに厳重な段階を踏まねばならないのだが、尋問担当の土方が短気なため、拷問は近藤の許可が下りさえすればすぐに取りかかれるのだ。

 

 

「警察も落ちたものだな。それでは我等攘夷浪士と変わらねえぜ?」

 

「ふっ。なんとでも言え。それとも、怖気づいたか?」

 

「いやぁ?ただ、俺も情報をやる気はない。俺以外の奴らもそうだっただろう?」

 

 

そう、この男を尋問室に連れてくる前に18人の浪士共に聞き込みをしていた。

しかし、誰も銀時の居場所や今回の事件の意図など話そうとしないのだ。

しかも、自白剤をしようとすると全員が何の脈絡もなしに自分の舌をかみちぎり死んだ。

 

だから、真選組にはもうこの浪士しかいないのだ。

そのためなるべく自白剤党の投入は避けて、長時間の尋問に臨んだわけだが・・・。

 

 

「・・・ああ。全員舌ぁ噛み切って逝っちまったよ。おめえ等ずいぶんと仲間想いじゃねえか。仲間のためなら死を選ぶってか?難儀なこった。」

 

「仲間のため?そんなもの俺達にはないさ。」

 

「・・・?」

 

「そうさなぁ。『夢』かねえ?」

 

「夢・・・?何の夢だ?」

 

「くくっ。さあな。ただ、その夢のためなら死ぬ価値もあるって事だ。さて、そろそろ俺も逝くとするかねえ。」

 

「なッ!?」

 

 

男の宣告に3人は慌てた。そんな彼らを嘲笑い、そして死の覚悟を決めた。

 

 

「そうだ。これだけは教えておいてやろう。」

 

「おい!待て!総悟、押さえろ!!!」

 

「ヘイ!」

 

「お前らの知る坂田銀時は、もう死んだ。幕府のものによってなあ!」

 

「「「ッ!?」」」

 

「じゃあな。」

 

 

浪士は口から血を流し、倒れた。

 

 

「旦那が、死んだ・・・?」

 

「幕府が?近藤さん!」

 

「うそだろ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはいつも通りの活気を取り戻しつつある歌舞伎町。

先日『神隠し』事件が解決し、町民たちは無事この町に帰ってきた。

しかし、皆の表情はどこか浮かない。それもそのはず。

いつも賑やかで問題ばかりを起こしている3人組がいないのだ。

いつもは騒がしいといろいろ文句も言ったりするが、無くなると急に寂しくなった。

 

そんな街を歩く男が一人。その男が神妙な面持ちで向かうは『万事屋銀ちゃん』。

階段を上り、玄関に着くと、無礼と分かっていながらもそのまま戸を開けた。

 

「リーダー!新八君!いるか!」

 

とたんドタドタと音を立てて、少女と少年が駆けてきた。

少女、神楽の表情は暗く、少年、新八もその顔には影が落ちていた。

二人とも昨夜は眠れなかったのか、眼の下には隈ができており、疲れた様子だ。

 

「ヅラッ!銀ちゃんが!!!」

 

「分かっておる。今日はそのことを聞きに来た。」

 

「とりあえず桂さん。どうぞ上がってください。」

 

「うむ。」

 

 

 

 

居間に腰を落ち着けると新八は桂の前にお茶をおき、向かいのいつも銀時が寝転がっているソファーに座っている神楽の隣に座った。

そして、この一週間であったことをすべて話した。

 

「そうか、そのようなことが。大変だったな、リーダー、新八君。」

 

「桂さん・・・。僕ら、銀さんを助けたいんです。」

 

「そうネ!銀ちゃん今頃一人で戦ってるネ・・・。わたし達、銀ちゃんに助けてもらってばっかり・・・。私たちも銀ちゃんを助けたいアル!」

 

「・・・そうか。二人の気持は分かった。実は俺は銀時が攘夷浪士共に狙われていることを少し前から知っていたのだ。」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ。だからその情報を手に入れてからすぐに俺は銀時に知らせに行ったのだ。あの日は、そうだ。雨が酷くてしばらく停電が起きていた日だ。」

 

新八と神楽はすぐにどの日か検討がついた。あの日は自分たちが攫われた日でもある。

 

「それから俺自らが情報収集のため走ったのだが、まるで情報は手に入れられなかったのだ。」

 

「桂さんでも?」

 

「ああ。しかも不思議なのだ。」

 

「何がアルカ?」

 

「うむ。俺は少なくともここらの攘夷浪士共は手なずけることができると自負していた。だが、聞き込みをしたときに一部の浪士共が何か隠している気がしたのだ。俺がどれほど脅しをかけても口を割らなかった。」

 

「絶対その人たち何か知ってますよ!もう一度聞きに行きましょう!桂さん!!!」

 

「そうネ!!!少しでも銀ちゃんに近づけるなら行くアル!」

 

「無理だ。」

 

「・・・なんでアルカ?!」

 

「その者たちは皆、死体となって発見された。」

 

「ッ!?」

 

「・・・なんでヨ?」

 

「おそらく、銀時を捕まえている組織がやったのだろう。少しでも情報を漏らしそうな危険因子は早めに消しておこうとな。ずいぶんと厳重に警戒を張っているらしい。」

 

「じゃあ、もう本当に手がかりは・・・。」

 

全ての希望を立たれ、絶望のどん底に落とされた気分だった。

新八は悔しげに手のひらを握りつぶした。

 

「いや。まだ希望はある。」

 

体操座りをして縮こまっていた神楽が瞳を輝かせた。

 

「ここからはあくまで俺の考察だがな。敵はどうやら江戸の町の至る所で今回の情報を持っている者たちを監視していると考えられる。しかも、少しでも危険を感じればすぐに始末する。しかし、変だと思わんか?仮にも攘夷浪士。それなりの強さはある筈。それを意図も簡単に倒してしまうとは、相当腕の立つもの出ないとそんなことは出来ん。しかも、攘夷浪士で腕の立つものならば、すぐに顔が知れる。しかし、あらゆる刀の使い手にきいても何の情報も持っていなかった。」

 

やや話について来ていなさそうな子供たちのために桂は要するにだな、と話をまとめた。

 

「敵は江戸中に監視を張れるほどの力を持ち、攘夷浪士ではないが腕の立つ何者かを雇っていると思われる。」

 

「つまり誰アルカ?」

 

「幕府の人間だ。」

 

「「ッ!!」」

 

「重役ともなれば忍びやら何やら自分で雇っているものが多い。」

 

「もしかして銀さんが白夜叉だとばれたんですか!?まさか、・・・処刑?」

 

「いやアル・・・そんなの絶対いやネ!!!」

 

「いや、たぶんそれはない。銀時の処刑が目的なら天導衆の自衛隊を使えばよい。それを使っていないとなると、これは個人でやっていることなのだろう。」

 

「幕府の人が個人で銀さんを?どうして・・・。」

 

「おそらく、白夜叉の力に魅了されたのだろう。天導衆をも恐れる奴の力を、な。」

 

 

自分達は銀時が『白夜叉』という二つ名で呼ばれていたことは知っていた。

それに、この前不本意ながらも彼の過去を覗いてしまった。

しかし、その名がどんなに重く、銀時に圧し掛かっていたのか今初めて知った。

白夜叉なんてかっこいい

と彼に向って言ってた自分の言葉の無責任さに腹が立った。

 

 

 

 

 

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