千日紅   作:夏(。・ω・。)

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石の上にも三年

 

 

『銀さん・・・』

 

し、んぱち・・・?

 

『銀ちゃん・・・』

 

かぐ、ら・・・?

 

なんだお前ら、俺の名前なんか呼んで。

銀さんはここに居ますよー。おーい。

 

『白夜叉・・・』

 

しんぱち・・・?

 

『白夜叉・・・』

 

かぐら・・・?

 

ちょっと、いくらカッケーからってその名で呼ぶのやめて?

恥ずかしいから。昔の日記見てるみたいで見てられないから。

 

『化け物・・・』

 

へ・・・?

 

『鬼・・・』

 

・・・

 

な、なに言ってんの・・・?

お前ら、誰の事呼んでんの・・・?

 

『寄るな化け物!!!』『お前なんかいなきゃよかったネ!!!!』

 

おい!やめろよ・・・。

そうか、夢だ。こりゃ夢だ。あーあ早く覚めろ~。

 

『お前のせいで僕たちは不幸になった。』『お前さえいなければ私たちは幸せだったネ。』

 

『『お前なんか、消えちまえ』』

 

聞くな!これは夢だ!早く覚めろ!覚めろ!!覚めろ!!!

 

 

 

視界が開ける。

そこにはくらい倉庫の風景。

そう言えば昨日ここに連れてこられたんだっけ、と回らない頭で思い出した。

 

激しい動機を起こす胸に手を当てると汗がびっしょりとついた。

はあ、はあ。という己の情けない呼吸音だけが部屋の中に響く。

 

なんなんだ。さっきの夢は・・・。

己が『化け物』と罵倒される夢なら幾度も見た。

しかし、それはかつて共に戦い、己が護れなかった仲間たちだった。

それが今回は己が今護る者。しかも一番近くに居る者たちだった。

 

―――あーあ。結構堪えるな、こりゃ。

 

 

 

「目覚めたか。いい夢を見れたか?白夜叉よ。」

 

そうだ。昨日こいつに薬を打たれたんだ。

 

なるほど、だからあの夢か、と確信した銀時は口角を上げて、重い体を起こした。

 

「ああ。いい夢だったぜ。おかげで気分爽快だ。」

 

「っふ。早く落ちた方が良いものをッ。」

 

兼松の放ったクナイが銀時の右肩に刺さる。

 

「グアッ!!」

 

「徐々にお前をいたぶるのも悪くはないが、私は気が短くてね?早く次の遊びがしたくて堪らないのだよ。」

 

「ふん。だったら、その遊びとやらはお預けだ・・・。俺ぁ誰の、モノにもならねえ、!ッグハ!!」

 

どこまでも挑発し続ける銀時に兼松は化けの皮を外した。

もろに銀時の腹に拳が入った。

そして、その左手には昨日よりもさらに奇妙な色になった液体が入った注射器。

その手を大きく振り上げながら銀時を殴り、蹴り続ける。

 

「フフっ。・・・フハハハハハハ!!!そう来なくては面白くない!さあ今度は昨日の5倍強力な薬だあ。苦しめ!足掻け!そして私の下にひざまつけ!!!」

 

「グッ、ア゛ア゛ア゛アアアアァァァ!!!!!ああ、あ、ッア゛ア゛ア゛ア゛アアアアァァァ!!!!」

 

「ヒャハハハッハ!叫べ!嘆け!壊れてしまえ!!!そうして私の心は満たされる・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵は幕府の重鎮!?しかも白夜叉の力が目的だぁ!?」

 

「なかなか複雑な事になりやしたねィ。」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

「ん、なんだ?近藤。」

 

銀時に関する情報をすべて話した桂に、真選組はただただ愕然とした。

 

「敵が幕府って、俺達一応幕府の人間なんだけど?」

 

「大丈夫だ。お前達には潜入捜査をしてもらうだけだ。実際に銀時を救出するのは俺達だけでやる。それなら御上もただの攘夷浪士の反乱としか思わんよ。」

 

「そうか。じゃあ誰か特定はできてんのか?」

 

「いいや。全くだ。」

 

「なら俺達真選組の腕の見せ所だな。」

 

「ああ。うちには優秀な監察がいるからな!」

 

「ふっ。期待しているぞ。真選組。」

 

「山崎!」

 

「ヘイ!」

 

あれ・・・?

 

「山崎。」

 

「はい。なんですか?副長。」

 

あれれ?なんで・・・

 

「なんでお前中に居るんだ?」

 

いつも己が呼べばすぐに飛んでくる山崎だが、一瞬で締め切った部屋の中に入れるような、そんな高等技術は持っていなかったはず。では、なぜこいつは己のすぐ隣にさも当たり前のような顔で座っているのだ?

 

「・・・・あの、俺、ずっと中に居ました・・・。」

 

「「「「「「・・・え?」」」」」」

 

「あの、俺・・・すみません。泣いて来てもいいですか?」

 

「・・・すまねえ。」

 

「いやーさすがはザキ!気配を消すのがうまいなぁ~」

 

「あの、おれ別にそんなに気配消したつもりは・・・。」

 

「近藤さん、遠まわしに言ったら逆に傷つくだけでさア。こう言うのはもっとザクッと。『ザキ。お前相変わらず存在感ねんだなぁ~。』とか『ザキはやっぱり地味なんだなぁ~』とか言ってやった方がいいんですぜ。」

 

「おい。総悟。もうやめてやれ。山崎が使い物にならなくなっちまう。」

 

「まあまあジミー君。戦場をくぐりぬけてきた俺でも気付けなかったその気配の無さは、逆に天才だ!自信を持て!」

 

「そうアルよ!ジミー!お前の地味はこのメガネよりも何倍も価値ある地味アル。もっと胸を張るヨロシ!」

 

「さすがは旦那の幼馴染。あだ名のつけ方も同じでさ~。」

 

「ッ!?」

 

「ちょっとー!!!なんで僕までけなされてんのォオオオ!!!」

 

「うっさい。黙れ眼鏡。」

 

「眼鏡関係ないィィィイイイイイイ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

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