銀時が攫われてから1週間。
各々が託された任務を全うし、万事屋に集まっていた。
ソファーには近藤と土方が腰を下ろしており、その後ろに沖田が立っている。
向かいのソファーには新八と神楽が、最後に社長机の前には桂が立っている。
何やら分厚い書類を持った土方がまず初めに口を開いた。
「ここ一週間、とっつぁんに協力してもらって最近の幕臣たちの様子を山崎に観察させた。その山崎の報告によると、最近ある一人の重鎮が不審な行動を繰り返していることが分かった。」
「それって誰アルカ!?」
「その重鎮の名は兼松。何の実力も成果もあげていないただの成り上がりの坊ちゃんだ。最近幕府の中では入れ替わりが頻繁に行われていて、実力重視の体制を取ろうとしているらしい。そこでだ。兼松は幕府にとっちゃただの金ヅルにしかすぎなかったが、今や地球のあらゆるところに根を張っているため、そんな兼松も入れ替わりの対象になっていたらしい。
しかし、どういうわけか、兼松の入れ替わりはなくなっていた。大金をつぎ込んだやら、いろんなコネをフル活用したやら、いろんな見解がなされていたが、どうやらそうではないらしい。最近の兼松は上に挑発するような行動ばかりしている。残れるように頭を下げたとは考え悪い。そこである一つの噂に行きついた。」
眼光を光らせた土方が静かに息を吐く。
全員の視線が土方に集中する。
「ある、噂・・・?」
「ああ。兼松が化け物を飼いだした、ていう噂だ。」
「!!」
「・・・しかも、天導衆が恐れのあまり、兼松に手を出せないらしい。って他の重鎮たちが愚痴ってたんだと。」
「・・・それが、銀さんということですか。」
「ああ。」
「銀時のいる場所は特定できているのか?」
「そこは俺が答えよう!」
待ってましたとばかりに身を乗り出した近藤に、目の前のソファーにいた神楽は、ツバ飛ばすなヨ、と吐き捨てたが、近藤は聞こえないのか、懐から地図のようなものを取りだした。
「俺は山崎の報告でそれを知ってから、とっつぁんに頼み込んで兼松殿の屋敷に招いてもらったんだ。」
「えっ!!それって結構すごい事なんじゃないですか??重鎮ですよ?そんな簡単に屋敷にまで入れるんですか?」
「なに言ってんでィ眼鏡。これでも真選組局長だぜ?まあまあな権力はあるんでィ。」
「はっはっは!まあな!」
声高らかに笑いながら、自慢げにそう言った近藤に、桂が話を戻すよう、視線を送る。
それでも、気を良くした近藤は、スマンスマン。と言いながら、地図を広げた。
「これが、その兼松の屋敷の見取り図なんだけどよ。」
「え、これどうやって手に入れたんですか?まさか、近藤さんが記憶して、とか?まさか!!!」
「いや、これは屋敷にいたいろんな人に書いてもらったのをつなげたんだ。」
というのも、近藤がわざと屋敷の中で迷子になり、家臣の人々に戻るまでの地図を書いてもらったのだ。
近藤の人柄の良い顔のお陰で、その不審な行動もあまり、疑われることはなかった。
それらをつなぎ合わせて、見取り図を完成させたのだと言う。
「さすがは真選組の頭脳だ。しかし、肝心の銀時の居場所は分かったのか?」
「・・・詳しくは分からない。だが、絞ることはできた。というのも、俺が彷徨い歩いている時、その老化だけは警備員が立っていてな、奥には大きな鉄の大きな扉があったんだ。たぶん、そこに坂田はいる。」
銀時に少しづつ近づきつつあることに、子供達二人は素直に喜んだ。
そんな子供たちを見て、大人たちも頬の筋肉が緩んだ。
「では、ここからは俺達、攘夷志士の番だな。」
「うん。任せたぞ。桂。」
「さっさと助けてやりなせぇ。ただし、いくら幼馴染だからって今回の恩で旦那を攘夷に戻そうなんざ。やめてくだせぇよ。」
なぜだ・・・?
「そうアル!銀ちゃんはいくらヅラでも渡さないネ!」
なぜ、こいつらは・・・
『坂田は身を呈して俺達を護ってくれたんだ。自分の幼馴染の仲間に刀を向けてまで』
『さすがは旦那の幼馴染。あだ名のつけ方も同じでさ~』
「なぜだ?」
「ああ?」
「どうしてんですか?桂さん?」
なぜ、真選組が、
「なぜ俺達が幼馴染だと知っているのだ?」