ドタドタドタドタ!!!
静かな病院には似合わない複数の足音が響いた。
バタンッ!
という、今にも破壊しそうな程の力でドアを開けた。
「ぎ、んちゃん・・・」
すでに中に居た沖田と近藤が、銀時の隣を譲ると、土方が連れてきた神楽、新八、妙、お登勢は恐る恐るといった様子で銀時の周りに集まった。
「こんなに、ボロボロに・・・」
「そんな・・・」
新八と妙は流れそうになる涙をぐっとこらえながら、銀時の手を弱弱しく握る神楽の肩に手を置いた。
医師達は、後は坂田さんの気力だけです。というと、深々と頭を下げて出ていった。
また沈黙。
誰もが話す気にはなれず、ただただ静かに息をするだけの銀時を見つめた。
しかし、そんな沈黙をお登勢は破った。
低く、そして心が落ち着くような声色で。
「全く。またこんな怪我して。バカな息子だねえ。」
そっと視線を上げれば集まる視線。
その視線を浴びながら優しく微笑む。
「どこで何を落っことしてきたのか知らないけどねえ、ずっと探し物をしてるような奴だったよ。」
突然の話に驚くも、『奴』が誰かすぐに分かり、そのまま静かに耳を傾けた。
「なんでも頭突っ込んで。てめえの体張って、人様の大事なもん護ってた。
まるで何かに償うように。
そのくせ、自分では何も持たない。 誰も寄せ付けない。
ずっと一匹だった。
失う怖さを知ってしまったからなのか。それとも同じ思いを人にさせたくなかったのか。
もしかしたら、てめえに罰でも与えてたのかもしれないねえ。
でもねぇ、そんなバカに引かれて同じような野良達が集まってきて、いつの間にかあいつ。
一匹じゃいられなくなってた。
いや、もしかしたらあいつらに教えられたのかもしれないねえ。
護り守ってくれる仲間が。」
ぐっと口を結びながらも、こらえきれずに涙が零れた。
「自分が自分で居ることが分からなかったあいつに、なんでも自分の中に閉じ込めちまう、このバカに。受け入れることは染まる事じゃないって事を、ね。」
神楽も新八も、声を上げて泣いた。
妙も二人を抱きしめながらその肩に顔を伏せて泣いた。
近藤は、凛々しく声を抑えながら泣いた。
沖田は、壁に額をつけながら泣いた。
土方は、美しい夜空を見上げながら一粒の涙をこぼした。
生きろ
死ぬなとは言わない
生きろ
受け入れることは染まる事じゃない
染めていくことなんだ
自分の、自分達の色に