文
今日も今日とて変わらぬ平和な一日。
ここ万事屋銀ちゃんではいつにも増して賑やかな音があふれていた。
「銀ちゃん!早くするね!置いて行くアルよ!」
「ん~、んだよ神楽ぁ。銀さんまだ寝たいんですけど~。てか今何時?」
「8時アル!早く起きるネ!」
「8時ィ?だめだめ。良い子はまだまだ寝なきゃいけません~。」
「つべこべ言わずにさっさと起きろォォオオオ!」
いつまでたっても起きようとはせずに布団をバサッと被り、また眠りに就こうとする銀時の布団を、新八は思いっきり引き剥がし、大声で叫んだ。
神楽が隣でうるせーヨメガネ。と呟いた気もしたが、そこは聞かなかったことにした。
「いい大人が子供に起こされて屁理屈並べてんじゃねえよ!!!!」
布団から飛び起きる銀時。
振り上げたこぶしを畳に振り下ろした。
「五月蠅ぇえんだよ眼鏡ぇぇぇえええええ!!!!その眼鏡のレンズ抜いて最近はやりの伊達メガネにして存在価値けしてやろーかコノヤロー!!!!」
ドシンドシンと足音を立てて銀時の目の前に立つと、新八は銀時の布団をはぎにかかる。
「あんたが一番うるせーわ!!!ってかなんだよさっきから眼鏡メガネって!馬鹿にすんなよ眼鏡!あんたもいつものように寝ながらジャンプ読んでたら眼鏡の仲間入りだぞぉおお!」
渾身の力を込めて新八に取られた布団を引っ張る銀時。その力に負けた新八がドスンという音を立てて畳にダイブ。
「バァアカ!世の中はなぁ、今やコンタクトレンズなんだよ!眼鏡なんてもんはなあ、時代遅れなんだよぉ!!!」
傍観を決め込んでいた神楽が不意に何かに気付き、玄関に足を進める。
ガラガラガラ~
「いらっしゃいませヨ~」
一方銀時と新八は未だ交戦中
「てっめぇ全国の眼鏡さんに謝れ!今すぐ謝れ!」
「ウルッセェェェェェエエエエ!!!!ご近所迷惑だろーがァァァあああ!!!」
「「ウギャーーーーーーァァァアアアア!!!!」」
銀時と新八が暴れすぎたせいで、下のお登勢が乗り込ん来たのだ。
もちろん二人の頭には大きなたんこぶができ、キッツーイお説教を喰らった。
「次騒いでみな。今度は出てってもらうからね。」
「「は・・・はい!以後、気をつけます!」」
ピシャン!
カタンカタンと階段を下りる音がなくなると、銀時はダラ~っと正座していた足を崩し、居間のソファーに腰掛けた。
「はぁ~災難だったぜ。パッツァンが騒ぐからよぉ~」
「あんたがすぐに起きないからでしょうが!全く。」
「そんなことより、銀ちゃん早くいこーヨ!もう10時になってしまったアル!」
銀時の傍に立ち、腕を引っ張りながら神楽はキラキラした目を銀時に向けた。
「んあ?どこに行くんだよ?」
全く見当もつかないといった顔の銀時を見た神楽は、先程までの顔を引っ込めてムスッとした。
「忘れたアルカ?最低ネ!乙女の純情をもてあそぶなんて、そんな息子に育てた覚えなないアル!!」
「お前に育てられた覚えもねえよ!ってかなに?ホントに覚えてないんですけどォ~。」
「とうとう銀ちゃんにも老化が始まったアル。」
「オイッ!俺ぁまだまだピッチピチの20代だ!」
「四捨五入したら30アル。」
「クッ・・・四捨五入なんざどこで覚えてきやがった!」
「新八が言ってたヨ。」
「新八てめえ神楽に余計な事吹き込むなよ!」
「なんで僕が責められるんですか!って言うか年を取ることは僕のせいじゃないです!老化でボケるのは自然の道理です。というか、本当に銀さん忘れたんですか?祭りに行く事。」
「祭りィ?んなもんこの時期ねえだろ?」
いまいちよく理解していない銀時に新八がため息を吐きながら説明した。
「20年に一度の金環日食が今日あるんで、祭りが行われてるんですよ。日食グラスを配ってるんで、神楽ちゃんが欲しいって言って、そしたら銀さんが『お~行こう行こう』って。」
「そうアル!だから早く着替えて来るヨロシ!」
「ああ~、なんか言ってたようななかったような・・・。んで、それっていつ始まんの?」
「10時12分から11時22分がピークで12時42分までです。」
「ってあと12分!?やっべ!」
急いで自室に戻った銀時はものの1分で準備をし、原チャリにまたがった。
ちなみに、新八は銀時の後ろに、神楽は定春にまたがった。
「「「レッツラゴー!!!」」」