次第にかけて行く太陽
会場の者たちが空を見上げる中、銀時たちもまた同様に暗くなる空を見上げていた。
だんだんと太陽に月が入って行く。
ベイリービーズがキラキラと輝いた瞬間、感銘の声があちこちから漏れだした。
それからの時間は早いものでほんの数分で月は太陽に囲まれ、
何とも美しい空に浮かぶリングが輝いた。
「きれいアルナァ」
神楽のうっとりしたような、それでいて興奮しているような声が吹き出た。
そんな声に同意するかのように女子共が口々に感銘の言葉を漏らした。
しかし、
「伏せろ!!!!」
パンッ!!!
「「「ッ!副長!!!!!」」」
「土方さんッ!」「ットシ!?」
聞き慣れすぎた声が途端に聞こえたと思うと、すぐさま一発の銃声が鳴った。
それは、白けていたこの会場にスーッと響き渡った。
そのあとに紡がれた名に、身体はすぐにそちらへ走り出した。
なんで悪い予感ばっか当たんだよ!クソッ!
「ッ銀さん!今のって!」
「ああ!お前らここに居ろよ!!」
「銀ちゃん!」
大分空が暗くなりやがってきた。
それに、さっきから妙な殺気を感じる。
こりゃ、注意しとかなきゃな。
民間人達がのんきに空を眺めているころ、将軍の護衛についていた土方は周囲に目を光らせていた。
ときどき目が合う隊士たちも土方の気迫に何かを察知し、身を引き締めていた。
いつもは何かとサボりを決め込む総悟も、土方と同じく何かを感じたようで、刀に手をかけてあたりを睨みつけている。
近藤は将軍と共に日食観察に没頭しながらも将軍を護るように盾になっていた。
その時、ふと殺気が強くなったかと思うと強い風が側を通り抜けた気がした。
嫌な予感がして将軍と近藤さんのもとへ走る。
すると、マントを纏い笹を被った大柄な男の不気味に光る目と視線が交えた。
そっと下へと移すと、その男の手には銃。
腕を上げ、銃を構えるその動作がスローモーションに見えた。
「伏せろ!!!!!」
驚いたようにこちらを振り向く将軍を近藤さんが庇いながら身を低くする。
隊士たちが一気にこちらに気を向けたのが分かった。
狙いは確実に将軍。いや、このままでは将軍をかばっている近藤さんに当たっちまう!
こうなったら一か八か!
そう決心すると土方は勢いよく地面を蹴り腕を大きく開いて二人をかばうように飛び込んだ。
次の瞬間、パンッという銃声が鳴った。
「「「ッ!副長!!!!!」」」
「土方さんッ!」「ットシ!?」
多少上ずったような声に、己が打たれたのだと初めて理解した。
倒れそうになる身体に鞭打って膝をなんとか立てる。
「近藤さん!将軍から離れんじゃねえ!!一番隊は将軍の保護!他は一般市民を安全な場所に誘導しろ!」
狼狽える隊士たちに素早く支持したはいいものの、撃たれた銃弾はどうやら腹の中の臓的な所に入り込んだらしく嗚咽感が込み上げ、血を噴き出した。
「情けないですねィ、土方さん。」
「うっせ。敵は。」
「あちらさんでさァ。」
音もなく土方と敵の間に入ってきた沖田が刀を構えながら睨みつけている前方を見た。
「!!天人だと!?ッんで将軍を狙うんだよ!ゲッホゲホッ」
「知りやせんよ。大方、侍だけでなく将軍までも邪魔になったんじゃねぇですかィ?」
まだ暗い中冷えた風がヒュンという音を立てて吹いた。
人々が出口へとかけていく中、銀色が駆けてくるのが横目で見えた。
「おい!お前ら!」
『白夜叉』
「「「「!!!」」」」
「誰だ。オメエは。」
『ほお忘れたか。ガキ』
――――――――おい。ガキ。
笹を上げようとマントから出てきた緑色の堅そうな肌
不気味に光る眼
「・・・お前、ッ!!!」
握りしめたこぶしから血が滲みこぼれた。