翌朝
大広間に集まり朝食も食べ終わり、各々の仕事につきにぎわっているこの場に不似合いな空気を醸し出す一角があった。
「・・・というわけで、戦に参加しようと思うのです、が・・・。」
「「・・・・。」」
「あの~。新八君?神楽ちゃん?」
「・・・そうですか。準備はちゃんと出来てるんですか?防具は?あっ!そう言えば刀って銀さん持ってるんでしたっけ?其れから~」
「し、新八君!怒って、ないの?」
「怒ってますよ。」
「うぐっ・・・。」
「だって、僕や長谷川さんには行くなって言ったくせに自分だけ行くなんてズルイじゃないですか。」
「ズルイって、お前なぁ。戦ってのはそんな甘いもんじゃねえんだぞ。」
「分かってますよ。あと、銀さんがその事を一番よく理解していてそう言ったってことも。だから、僕はここで皆さんのために戦うと決めたんです。あんたのためにもね。」
そう。
僕はどんなに贔屓目をしても強いとは言えない。
戦に出てもみんなや銀さんの足手まといになる。
今までの戦いでさえそうだったのだ。
だから、僕は僕の場所で、戦うと決めたんだ。
「そうか。・・・ありがとな。」
「はい!」
「うふふ。新ちゃんも銀さんも楽しそう。よかったわ。」
「全く。男は単純だねえ。」
「ホントに。あら、神楽ちゃん?どうしたの?」
「姉御、あのね・・・」
場所変わって、ここは武器庫。
兵士たちが明日の準備に追われていた。
「桂さん!新しい武器到着しました!」
「うむ。それはそっちに運んでくれ。」
「おうおう。すげーなーこの武器の量!気合入ってんなーヅラ。」
「ヅラじゃない桂だ。というか遅いぞ銀時。俺の伝言がうまく伝わらなかったのか?」
「んや。さっき起きた。」
「・・・はあ。貴様はもっと心構えをしろ!戦はもう明日なのだぞ!」
「へーへー。朝っぱらからうるっせ―なァ。」
「もう昼だ!」
「ダアアアア!!!で、なんなんだよ!人を呼び出しといて!」
「ああ。そうだった。こっちに来い。高杉!貴様も来い!」
いきなり遠くに叫びだした桂に驚いたが、後ろを向くとそこには煙管をふきながらドアに背を預けて立つ高杉がいた。
高杉とは仲直り、なんてかわいらしいがまあ、そんなものをした。
紅桜の時に見たあの狂いきった冷たい表情は薄くなった。
あの変な笑い方までは治っていないが。
なのに、今のあいつの表情はあのころのように、冷たかった。
桂に連れられて俺達3人はある部屋に入った。
そこは豪勢な飾りつけがなされていて、目の前にはミスがかかっており、その奥には人影があった。
また、部屋の周りには、見回り組、真選組のトップ達が座っていた。
「近藤さん。なんで俺達集められたんですかねィ。それに、なんで旦那が?」
「黙れ総悟。あの方の前だぞ。」
「あんたが五月蠅いでさァ。その罪で腹ァ切りなせェ。」
「どんな罪だ!!!てめえ総悟「やめんか二人とも!!」
「すいやせん。近藤さん。」
「すまねえ。」
一悶着起きそうなところを危機一髪回避した近藤に拍手を送ろう。
冷静になり、周りを見渡すと、見回り組局長の佐々木と眼が合い、しばらくにらみ合った。
「何これ。先にここで戦始めちゃうつもり?なら銀さん帰るわ。もうすぐで昼だし。」
「貴様さっき朝食を食べたのだからよかろう。俺など朝から働き通しでよっぽど帰りたいわ!」
「帰りたい、てお前が呼んだんじゃねえのかよ?」
「違うぞ。俺も、ちなみにそこの高杉も呼ばれたのだ。」
「誰に・・・て、もしかして・・・。」
ふと御簾が上がりやんごとなきオーラが漂い始める。
それと同時に、殺気が一つ。
真選組、見回り組は刀に手をかける。
「そなたらを呼んだのは余である。」
「し、将軍!!!なんで将軍なんかが。」