なんだか不思議な笑い方をする子だな。
「ティヒヒ」って。頭をがっしりと掴んだ少女に抱いた感想。
まぁ、明らかに悪役みたいに笑うよりはるかにかわいいが。
この子が主人公なんだっけ?
まぁ、主役だろうが主役じゃなかろうが、もう俺の大切な友達に違いは無い。
学校にも何人か仲が良い奴は居るが、声をかけあうだけの存在だ。
人付き合いが苦手な事が拍車をかけている。
後の女子に人気だが、それは友達とは言えないだろう。
学校での俺はクールで真面目で成績も学年トップだ。
友達を作ろうと努力はしたが、アスランの趣味と皆の好きな物の価値観がまるっきり違うのだ。
それが孤立化に拍車をかけているが、女子に囲まれていることが多いせいか、妬みやなんかを孕んだ視線に胃に穴が開きそうだ。
冗談だが。
時折、休み時間に男子生徒達が襲ってくるリアル鬼ごっこがる。
そう言う意味ではある意味、仲がいいのかもしれない。
そう言えば女子生徒とちょっと話しかけられて、それに答えただけなのに、杏子に理不尽に怒られることがある。
っと言うか見ても居ないのにどうやって知り得たし。
最近はさやかちゃんにも怒られる。
理不尽だ。
…、理不尽と言う言葉はこうたやすく使うべきではないのかもしれない。
この子たちはいずれ、正義と信じながら戦い、戦い、戦い、戦い続けて最後には幸福な代償など与えられず、世界を呪い、自らが災いの種となるのだから。
何時だったか杏子が魔女狩りに家を飛び出した時に隠れながら、サーチャーで聞いた。グリーフシード、と。
災いの種、それが魔法少女の成れの果て。
この子たちが望んだ願いが人に害悪になるとは考えられない。
否、考えたくなかった。
それは、運命の赤き弓兵と重なったからか、それとも…。
だから、もうこれ以上泣く人を見たくない。
そのためにこの命を使おう。
「どうかしたの?」
まどかちゃんから不安の燈った声音が聞こえて来る。
子供はこういうのに、特に感情には敏感だからな。
「何でもない。まどか姫は?もう大丈夫だよね」
そう言うとまどかちゃんを下ろす。
少し渋った態度を取ったが大人しく降りてくれた。
良い子だ。
少し、皆からは俺の影で見えないようにして片膝をつき、セイバーから真っ赤な髪留めを手に転送して貰う。
転送の残留光で輝くそれは正に子供から見たら興味の対象に成るだろう。
それを両手に持たせ、
「これは願い星です。何時か、本当のお願い事が見つかった時に使ってください」
そう言って持たせた手を裏返して、手の甲にキスをする。
「皆には内緒だよ」
そうしたらまどかちゃんは大きく「うん!」と約束しながら真っ赤な顔をしている。
どうしたんだ?まぁ、良いか。
「まどか姫、皆が待っていますよ」
そう促す。そこにはさやかちゃんに杏子に恭介が居た。
恭介は相変わらずヴァイオリンに夢中だが。
恭介ぇ~、
そのまま、皆が居る場所へと手を引いて行く。
みんなの所に付いたら最初のガチガチに緊張していたのが嘘のように自然な態度で皆と合流した。
元々さやかちゃんとは仲がいいみたいだし、場所が広すぎて緊張してたのだろう。
それももう大丈夫だ。
そう思うと、少し気持ちが軽くなった気がした。