「あんなのと戦ったら死んじゃうとわかりきっていたのに…、どうして戦ったの!」
彼に覆いかぶさり、涙を流す。
自分に色彩をくれた人。
他には壊れた町以外に残っていない。
他には誰も残っていない。
「先生が、先生が居ない世界何て、わた、私には何の価値もないよ…」
何で、何でこんなことになったの?
「本当にそう思っているかい?」
声が頭に直接響く。
「だ、だれ!?」
周りを見渡すと猫のような生き物が瓦礫の上にポツンと居た。
「僕が誰なのかなんてさして問題ではないさ、それよりも、本当にこの世界に価値が無いと思い込んでいるのかい?だとしたら勘違いもはなはだしいよ。魔法少女でもない彼が何故僕らの認知しえない魔法を扱い、あれ程の魔女をたった一人で倒し得たのか、興味が尽きないよ」
そう聞いた瞬間に反射的に彼を護るように立ちふさがる。
「何故たった一つの個体のためにそこまで感情的に成れるんだい?いずれにしろもう彼は死んでいると言うのに…、だけど興味深い。君には因果がある。暁美ほむら、自身の祈りのために命をかけられるかい?その身を戦いに投じてまで叶えたい願いは在るのなら、僕が力になってあげられるよ」
考えるまでもない。死に漬ける薬など無い。
「私はやり直したい!先生との日々を!先生に助けられる存在じゃなくて、助ける側の存在になりたい!」
そう言った瞬間胸を貫かれるような鋭い痛みに襲われる。
痛い痛い、苦しい、くるしいよ
だけど耐えてみせる。先生はもっと痛かった。先生はもっと辛かった。先生はもっと苦しかった!
すると胸から光が出て来る。眩い光の玉が。
「契約は成立だ、君の祈りはエントロピーを凌駕した。さぁ、解き放ってごらん。その新しい力を」
私はそこで意識が遠のいた。
っは、目が覚める。病院の病室だ。
あれは悪い夢だったのだろうか?
そう思い体を起こすと、左手に何かを握っていた。
ソウルジェムだ。と言う事は、夢なんかじゃない!
じゃあ!
コンコン!
軽いノックと共に先生が入ってくる。
「あれ?目が覚めたのか。初めまして、俺h「先生!」おっと、先生なんかじゃないんだがな、寝ぼけているのか?と言うか、走っちゃ駄目だろ、君は心臓が悪いんだから」
そう言って私を軽々と持ち上げるとベッドまで戻してくれた。
「先生、今度は頑張りますから!」
そう告げる。
先生は困った顔をした物の特に何事も無かったかのように接してくれる。
それから八年間本当に楽しかった。
だが、運命は残酷だ。
皆で魔法少女になって戦った。それでも、ワルプルギスの夜の前に一人、また一人と倒れていった。
そんな中で静止の声も届かず、また先生一人が戦い、死んで逝った。
私は涙し、時が戻る。
何度も繰り返す中で気付いてしまった。
疑心暗鬼に囚われ、友達同士で殺し合いもした。それに先生が仲介して何とかなったが、それでも、ワルプルギスの夜には勝てなくて、私以外全員が死んだ。
一体何がいけなかったのだろうか?
何度も何度も繰り返し、その度に私以外皆死んで。
無限の牢獄に閉じ込められて思い返す。
友達が死ぬのもどうでもよく思える程死に、先生は…、アスランは死んで逝った。
ある時は皆が死んだ絶望で、ある時は皆を生かすために自爆して…、死体すら残さずに。
元々私はアスランを助ける。ただ、それだけの為に時間を繰り返してきた。
本当なら友が死のうがどうでもいい。
だけど、アスランが優しすぎるから…、だから生かしているだけ。
それにワルプルギスの夜を倒すための貴重な駒として。
なのに後一歩の所で皆死ぬ。使えない駒だ。
だから、もう誰もあてにしない。私一人でアスランを救ってみせる。
待っていてね、アスラン。アスランが生き抜けるのなら私は無限の牢獄に閉じ込められたままでもいい。絶対に救い出すから。
アスランのお家芸自爆。
やっぱり病んでるほむほむ