魔法に成れるように休日にセイバーをセットアップして、変形、オールレンジの攻撃を想定した戦闘のシュミレーションをしていた。
この位の大きさならばレーダーにも映りにくいし、ステルスの方もセイバーが勝手にやってくれているだろう。
インテリジェットデバイス、パネー。
原作では相性の差が大きいために余り使う人が居なかったんだよな~。
幸いセイヴァーは俺専用に女神様が細部に至るまでアスランに合うように製造されているのか、大体の事は俺が言葉で発する以前にやっていると答える。
それとこいつ、バルディッシュと同じなのか殆ど話したりしない。
自らコミュニケーションを取らないのか、あえてしゃべらないのかはわからないが、人との付き合いが苦手な自分にぴったりである。
(マスター)
念話が入ってくる。珍しいなセイバーから話してくるなんて、そう思いながらなんだと返すととんでもない事を言ってきた。
(暴走するトラックが一台、運転手のバイタル解析から居眠り運転であると判断します)
マジかよ、多いな居眠り運転。
そう言えばこの世界に来て俺をひき逃げした奴は、酒気帯び運転+居眠りだったもんな。
そう思いつつ音速で一気に降下して近づく。
くっ、これじゃあ間に合わないか。
せめて衝突を最小限にしようと衝突しそうな車を無理やり傾けて回避をしたが、そのトラックが此方がそれた方向に合わせるように曲がってきやがった。
転生トラックって奴か?何て馬鹿な思いをしていたら大きな衝撃が気て、その衝撃に耐えきれず、車の方の屋根が吹き飛ぶ。
俺も二、三回バウンドしたが、怪我は無い。急いで戻ろうとしたら、インキュベーダーが車の窓枠に座っていた。
こんな状況で無理やり契約させる気か! させない!
インキュベーダーの頭をビームライフルで撃ち抜き、血まみれの少女とその両親を車から出す。これだけの大事故、下手をしなくても火が付いて爆発の危険性があるのだ。
助け出して少し離れたところに三人とも置く。すると、案の定後ろから爆発音が聞こえた。
セイヴァーにバイタル確認を行わせたところ、一応今の所生きてはいるが、三日が関の山だと言われた。
流石に此処までしておいて死なれたら目覚めが悪くなるじゃねーか、
「回復魔法は?」
(既にかけております。これで三人の命はマスターの名に賭けて補償いたします。ただ、両親の方に関しては下半身に麻痺が残るかもしれません。そこから先は二人次第でしょう)
そう告げて来る。
取り敢えず病院に運ばなければ、そう思い携帯電話を出そうとしたら、既に警察と消防署には電波の一部を乗っ取り、場所を告げ、此方に向かっているとの事。
その一言にサラッと恐ろしい単語が入って居た気がするが今は助けた事を喜ぼう。
そこでふと思い出す。セットアップを解除して思ったんだが、今までこの格好で救助活動していたの見られてんじゃね?
と思ったんだが、皆には普通に事故の中飛び出して救助したように認識妨害までしてくれたようだ。
本当に俺には過ぎたデバイスだよ。
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楽しいお出かけの筈が、気が付いたら体中痛くてこのままでは死んでしまうと本能でわかった。
嫌だ、死にたくない。こんなところで死にたくない。
そんな中、物語に出てくるような騎士の格好をした男の子が此方に向かって手を伸ばしているのが見えた。
死にたくない、生きたい! そんな願いを現実にするように私を助け上げてくれる。
体に温かい何かが流れ込んでくる感覚があった。
どんどん冷たくなっていく体とは逆に、私の体を満たしていく。
私のぼやけた視界に二人の人が寝かされるのがかろうじて見えた。
その後、私に気が付いたのか、紅い騎士様は
「大丈夫、君のお母さんもお父さんも生きてる。大丈夫だ。だから君も眠りなさい」
その言葉が麻薬のようにしみわたり、私の意識は遠のいた。
最後に見えたのは優しい、碧玉の宝石のような瞳だった。