サウザントメモリーズ ~A lot of Memories~   作:蛹クヌギ

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千メモ学園パロです。

とてもへたくそです!!
ツイッターのTLで千メモの学園パロの話になって触発されて書いたものですw
完全に趣味で書いていますwフォロワーさんの要素を勝手に取り入れていたりします
千メモらしい?かわかりませんが、戦闘も入れてみたりしています
主人公は冒険者(女)です。
誤字、脱字、キャラ崩壊、設定崩壊、等注意です!
なお、この作品は「プライベッター」というサイトでログイン限定で投稿したものを少し手直ししたものです。



千メモ original story「勇気と絆の学園」

 私にとっていつも通りの朝。それは朝の予鈴に遅れること。純粋に朝早く起きれないのと、ある人物に会うためだ。

 「やれやれ、またあなたですか。これで何回目ですかね?」

 下駄箱入れの近くで立っていたのは紅い縁眼鏡をかけた銀髪の少女「エアリー」。彼女は私と同じ2年生で、生徒会の書記だ。クラスが違うし休み時間はいつも教室にいない。だから帰るときかこの時間にしか会うことができない、私の大切な友達だ。

 「しょうがないじゃん!私が朝起きるの苦手なのエアリーだって知っているでしょ!」

 この会話は何回やったことだろう。今ではこれが私たちのあいさつになっている。

 「これで何回目ですか。あなた、今日は最初からペリーヌ先生の授業ですよね?」

エアリーの口から出た「ペリーヌ」先生。彼女の授業は抜き打ちでテストをすることが多く、復習が必須。全校生徒が悲鳴を上げている。

 「やばい…復習やってない!」

 どうしよう!遅くまでテレビ見ていたから復習なんてしてない。どーしよ…私英語苦手なのに…

 「はぁ…あなたのことだからそうだろうと思いましたよ。はい、これ。私がまとめておきましたよ」

エアリーから小さな手帳を渡された。確かエアリーは私のクラスの次の授業がペリーヌ先生の授業だから内容は合っている。

 「ありがとうエアリーちゃん!」

 私は軽く跳ねながらよろこぶ。エアリーがまとめたメモならひどい点数はとらないぞ!

 「喜んでくれるのはうれしいですが、時間は大丈夫なんですか?ウルマ先生、もう次はないと言っていましたよ」

 「ウルマ」先生とは私の担任の先生だ。見た目は怖い人だけど意外にやさしい良い人だ。けど、やるときはとことんやる人だから本当に次はなさそうだ。

 「うわ!急がないと!じゃあ!また帰るときに会おうねエアリーちゃん!」

私は急いで教室に向かった。結果、なんとか先生が来る前に教室に入ることができ、注意されなかった。そして、いつも通りの朝のHRを送った。そして、ペリーヌ先生の授業。抜き打ちテストはあったけど、エアリーメモのおかげで難を逃れた。それから、今日に日課は、ガトウ先生の国語、ゼンクウ先生の歴史、ティアーナ先生の家庭科。その後お昼ご飯を食べた後、マークス先生の数学だ。マークス先生の授業が学校内でも1,2位を争うほどのつまらなさだ。私は微睡んでいるうちに、睡魔に身をゆだね、夢の世界へ入って行った。

 

 次に起きたとき、いつも見慣れた教室だけど、薄暗く、窓がなくなっていた。周りのみんなはいないし、スマホの画面が真っ黒だ。起動することもできない。これは夢なのかと思いほっぺたをつねってみるけど痛かった。つまり、これは夢じゃなくて現実だ。この状況に慌てていたらドアがいきなり吹っ飛んだ。私はドアの方を見ると、この学校にいるはずのない蜘蛛型のモンスターが現れた。この学校内はモンスターが入れないようにできているのに…なんで?

 「フシャァァァ!」

 モンスターは私に気づいて机を蹴散らしながら向かってきた。私は後ずさった。けど、直ぐに黒板が背中に当たってこれ以上逃げることができない。

 「誰か・・誰か助けてぇ!!」

 私はただ叫んだ。死を覚悟した。けど、少しして、物音がしなくなった。不思議に思い、恐る恐る目を開ける。そしたら、蜘蛛の動きが止まっていた。その瞬間、いきなり霧散した。

 「本当、世話の焼ける人ですね。大丈夫ですか?」

 霧散した蜘蛛の後ろにはエアリーがいた。でも、朝とは違って、メガネは胸ポッケにしまってあり、左腕が刃になっていた。けど、それ以上に来てくれてうれしかった。

 「怖かった…怖かったよエアリーちゃん!ありがとう!ありがとう!」

 私はその場で泣いた。大切な友人が私を助けに来てくれた。それがとてもうれしかった。

 「危なかったです。あなたが叫んでくれていなかったら到着が遅れたかもしれません。無事でよかったです。」

 エアリーは床に座っている私に近づき、やさしく抱いてくれた。私はエアリーの肩でひたすら泣いた。

 それから5分後。

 「それで、あなたは寝ていて気が付いたらこの状況に置かれた、というわけですね。まったく。授業中にも寝るとは…」

 私はエアリーになんでこの状況にいるか説明した。そして、軽くお説教されている。

 「なにか反論ありますか?」

 「グゥの音も出ません…」

 わざわざ反論をあるかどうか聞くのは自分の行動を反省させるためだろう。

 「それにしても、この結界内に『サウザンドメモリーズ』の「転生者」以外の人がいるとは…おかしいですね…」

 サウザントメモリーズ。私は詳しくは分からないけど、モンスターと戦うことのできる人。という感じだ。学校の先生や一部の生徒がそれらしい。それより、

 「エアリーちゃんどういうこと?なんで非戦闘員の私がいるのがおかしいの?」

 結界という単語は聞いたけどもしかしてそれが関係あるのかな。

 「はい。今、学校は何者かの結界で閉じ込められているのですが、あなた以外、今いるのはみんな転生者の方なのです。恐らく、この結界は転生者だけを閉じ込める結界のようです」

 なるほど。私がいるのはおかしい。私、転生者どころか体育の成績は万年2だ。

 「とりあえず、今は少人数の班で行動しているので私の班員と合流しましょう。立てますか?」

 エアリーは手を差し出してしてくれた。

 「うん。もう歩けるよ」

 私は立ち上がりエアリーの後をついていく。ただ、教室の外を出ると、いつも見慣れた廊下だけど異様に長くなっている。

 「なにこれ?!どうなってるの!」

 とりあえず、結界のせいだろう。

 「結界のせいです。推測ですが、校舎が2,3倍ほどの広くなった空間になっています。しかも、モンスターもいたるところから無尽蔵に出てくるので気を緩めないでください」

 広いくせにさっきみたいなモンスターがうじゃうじゃ出てくるのか…けど、今はエアリーがいるから大丈夫だ。

それから10分ぐらい、長い廊下を永遠と歩く。しかもモンスターも出てくる。私は後ろを警戒し、エアリーがどんどん目の前の敵を倒していく。そして、長い廊下を歩き続けて初めて別の人に出会った。その人はこちらに気が付き近づいてきた。おそらくエアリーが言っていた班員だ。

 「エアリー殿!勝手に走って行って!残党処理大変だったんだぞ!」

 私はその人を知っている。彼女はフェリシア。私たちと同じ2年生で、エアリーと同じ、生徒会だ。私とフェリシアはつい最近知り合ったけどすごく仲良しだ。今は自身より大きい槍を持っている。そう、彼女も転生者だ。

 「なるほど、貴殿がいたのか。しかし、なぜ転生者ではない貴殿が…」

 フェリシアも私がここにいることが不思議なようだ。

 「それを考えるのは後です。最優先するのは戦闘のできない彼女を安全な場所へ避難させることです」

 エアリーはまず私の安全を考えてくれた。そりゃ、私足手まといだもんね。

 「そうだな。エアリー殿は前を頼むぞ。貴殿は私とエアリー殿の間にいてくれ。私が後ろを見る」

 そして、エアリー、私、フェリシアの順になり、また長い廊下を歩く。

 「それにしても、窓だけ無くなっているね」

 窓がないせいで廊下が薄暗くて気味が悪い。

 「そうですね。恐らく、窓から外に出ることをできなくするためでしょうか?」

 エアリーは窓がないことについて逃げ道を無くすためと推測。

 「いや?もしかしたら日焼けするのが嫌な敵かもしれんぞ?」

 フェリシアは冗談半分でそんなことを言った。本当にそんな敵だったら本体はすごく弱いのかな。

 「こんな大規模でなおかつ、特定の人物を閉じ込める結界を張れるような敵が弱いはずないじゃないですか」

 エアリーに心を読まれた。やっぱり敵は強いのか…

 「フェリシアさんも、変な冗談を言ってないで後ろを警戒してください」

 エアリーはフェリシアのことを少しにらんだ。ちょっと怒っているようだ。

 「エアリー殿は相変わらず厳しいな。ずっと警戒しては疲れるではないか。私も。なによりも彼女だ。」

 フェリシアちゃんのさっきの発言は私に気を使わせないふるまいだったのか。

 「それも大切ですが、それで気が緩んでモンスターに襲われてしまったら元も子もないじゃないですか。しっかり後ろを見ていてください」

 エアリーは怒り気味にそう言う。確かにそうだけど…なんか、私のせいでケンカしているようで嫌だな

 「エアリー殿も知っておろう。我が音速を超える槍は…!」

フェリシアは喋っている途中で後ろを向き、槍を構えた。そして、目に見えない速さで後ろにいたモンスター3匹を倒し、霧散していった。

 「いかなるモンスターを穿つということを」

 フェリシアは得意げな顔でまたこっちを向いた。もう、すごいとしか言いようがなかった。

 「…はぁ。わかりました。先に進みましょう」

 エアリーはやれやれ、という感じで歩き出した。

 それからまたしばらく歩いてやっと変化があった。長かった廊下に分かれ道。つまり渡り廊下の近くまで来た。けど、渡り廊下から何か飛び出してきて、それは壁にぶつかり、霧散していった。私たちは渡り廊下の方を覗いてみる。

 「ん?なんだ。おまえらか」

 壁ぶつかって霧散した原因と思われる私の担任のウルマ先生渡り廊下にいた。

 「相変わらずの怪力ですなウルマ殿」

 フェリシアがボソッとつぶやいた。ウルマ先生はエアリーやフェリシアみたいに武器を持っていない。つまり…さっきのモンスターを殴り飛ばした、または蹴り飛ばしたというわけだ。

 「フェリシア…ここでは『先生』と言えって何回言わせる気だ」

 ウルマ先生はいきなりフェリシアの背後を取りこめかみをグリグリし始める。

 「す、すまんウルマ殿、口がすべ…痛い痛い!ウ…ウルマ先生本当すみません!」

 ウルマ先生はフェリシアが謝ってすぐに手を離した。半泣きのフェリシアはすぐに私の後ろに避難した。

 「それで、何でこの中にこれがいるんだ?」

 ウルマ先生は私を指差して言った。これ、ですか…

 「イレギュラーです」

 エアリーも一言で片づけた。なんか私の扱いひどくない?

 「そうか。なら、アタシもついていったほうが良いか?二人でこれを守るのは厳しいだろ」

 ウルマ先生はそう言ってくれた。なんやかんやでやっぱり優しい先生だ。

 「いえ、私とフェリシアで大丈夫です。なにより、ウルマ先生は集団で戦うの苦手じゃないですか」

 エアリーの発言は少しうれしかったけど、最後はウルマ先生に喧嘩を売っているようにも聞こえた。

 「エアリー、言ってくれるじゃないか。けど、一人の方が性に合っているからな。それじゃ、アタシはもうしばらくこの辺見てみるわ。そいつのこと頼んだぞ」

 ウルマ先生は苦笑しながらもまた渡り廊下に戻って行った。渡り廊下でまたモンスターが湧いてきたけど全部ウルマ先生が蹴り飛ばした光景が少し見えた。

 「…私ウルマ先生怒らせないようにしないと」

 私はそう心に決めた。あんな光景見て自分があれを喰らうのは御免だ。

 「賢明な判断ですね。それでは、また先に進みましょう。取りあえず、もうしばらく進み、階段で下に降りましょう」

 それから私たちはまた長い廊下を歩くことになった。歩いているとき、私とフェリシアちゃんがおしゃべりして、エアリーちゃんに怒られ、なぜか今日習ったことを互いに口頭で教え合ったりした。もちろん、モンスターが出たらすぐに二人が倒してくれた。そして、やっと階段が見えてきた。

 「やっと見えたな。もうくたくただぞ」

 フェリシアは口だけは疲れているけど汗一つ掻いていない。私なんて歩いているだけで結構汗だくなんだけど…

 「…!止まってください!」

 エアリーは階段を少し見てすぐに動きを止めた。私も少し階段を見たけど、ローブをかぶっているガイコツ型のモンスターがたくさんいた。

 「やっかいですね。あれらは強力な遠距離攻撃を得意とするモンスター。私とフェリシアさんで倒すことは不可能ではないですが…結構危険ですね」

 きっと私のことを考えると厄介てことなんだろうな。私に何かできることがあればいいんだけど…

 「よう子猫ちゃん達、何か困りごとかい?」

 なんか聞き覚えある声が背後から聞こえた。けど、私の頭に既に手が置かれている。

 「テメェ、俺の授業堂々と寝てただろ…何回も起こしたのによ!」

 痛い!アイアンクローやめて!頭割れる!

 「それはマークス殿の授業の大半は雑談ではないか。寝ない方がおかしい」

 フェリシアの言う通り。マークス先生の授業は30分ぐらいがどうでもいい話だから眠くなる。だから離して!

 「マークス先生。生徒の意見として、ただ問題を解いて答え合わせをする授業の方がまだ有意義です。」

 エアリーも結構ひどいこと言う。それもそれで私は嫌だな。それと、エアリーの発言のおかげでアイアンクローが解けたからすぐに離れる。

 「オイ!俺の喋るストーリがつまらないというのか!」

 ストー…リー?けど、一つ言えるのは。

  「「「つまらないです」」」

 三人が同時にそう言った。一瞬静かになったけどフェリシアが笑い始めた。これはもう笑うしかないね。

 「泣くぞ!大人のガチ泣き見せるぞ!」

 あー、マークス先生がぐれちゃった。これは、なんか申し訳ない。

 「それよりマークス先生」

 「それより?!大人のガチ泣き以上に優先することがあるのか?!」

 「大ありです。非戦闘員の避難です。しかし、階段にいるモンスターが厄介なので処理をお願いします」

 エアリーがマークス先生に階段のモンスターを倒すのをお願いする。もしかして、マークス先生は遠距離攻撃できるのかな。

 「…しゃーないな。ここ出たらたっぷりと俺のアナザーストーリー聞かせてやるからな!」

 結局モンスター倒してくれるんだ。そして、マークス先生はズボンのポケットから何か取り出した。それは現実にでもある拳銃だった。

 「え?!モンスターに拳銃効くんですか?」

 私は驚いて声を出してしまった。

 「ふつーのは効かねーよ。こいつは俺の特別製だ」

 そして、マークス先生は変な構えで銃を連続で撃った。しかも無駄に早撃ちだ。銃弾はまっすぐに飛ばず、モンスターの頭にめがけて飛んでいき、全員一発で倒した。

 「ま、ざっとこんなもんだ」

 そしてめっちゃドヤ顔で銃口からでる硝煙を吹いた。

 「よくやったぞマークス殿!」

 フェリシアはマークス先生を抜いて勢いよく階段を降り始めた。

 「協力感謝します。私たちは下の階を探索します」

 エアリーも続いて階段を下りた。これは私も…

 「待ってよ二人とも~」

 二人を追いかけるように階段を下りる。ちらっと後ろを向くと、マークス先生は口を開けてポカーンとしていた。

 「…無視するなよぉ!」

 

 階段を下りた下の階はもはや学校の面影はなく、上の階以上に不気味な別の世界になっていた。

 「うーむ、階段降りただけでこうも違うものかの?」

 「ここはあくまで結界の内。もしかしたら近くにこれを張った敵が近くにいるのかもしれませんね」

 結界を張った敵が近くにいるのか…ということはモンスターも強くなっているんじゃ…

 「ア゛ーーーー」

 いきなり角から大型のゴーレムが顔をのぞかせた。どうやらこの階は地形も変わっているようだ。二階と一階で階段の近くの道が変わっている。

 「まためんどくさいのが現れましたね。階段に逃げるのも危険ですし、少し我々には分が悪いですね」

 「うむ…この手のやつは一撃で倒すのは難しいから私は嫌いなのだが…」

 つまり、打つ手なし?!

 「マークス先生呼んでこようか」

 取りあえず上の階にいるマークス先生を呼んで来ようとする。

 「いえ、マークス先生の銃弾ではダメージは見込めません。それに、階段のモンスターがリポップしている可能性もあるのでその選択肢が一番危険です」

 うーん。これ、本当にやばいことになった…

 「これは私とエアリー殿で倒すしかないようだな。時間と体力が消耗してしまうが確実だろう」

 フェリシアがそう提案した。でも、それだと出てくるモンスター全員と戦うことになるから消耗はひどくなるんじゃないのかな…

 「…致し方ありません。せめて、目の前の輩だけでも倒しましょう」

 二人は同時に自分の獲物を構えた。しかし、それと同時に左右の道から蒼と紅の炎が目の前のゴーレムを襲う。もう何が起こったかわからないよ…

 「「大丈夫か」」

 右の道からはゼンクウ先生、左の道からはガトウ先生が出てきた。ふたりとも、学校の授業の時とは違った。ゼンクウ先生は髪を上げ、メガネ(伊達)を外している。ガトウ先生は長い髪を珍しく後ろに束ねている。

 「お二人方、ありがとうございます」

 「助かったぞガトウ殿!ゼンクウ殿!」

 本当に助かった。しかし、この二人も強いなー

 「ここは任せろ。まっすぐ行けば結界張った張本人が潜んでいる」

 「雑魚は任せな。二人いれば倒せんだろ」

 二人は左右道から出てくるモンスターを迎え撃てるように互いに背中を合わせた。

 「それでは、お二人方、ここは頼みます。早く行きますよ」

 エアリーは小走りで進みだした。私とフェリシアもエアリーに続く。

 「ガトウ殿、ここはいっちょう、どちらが多く倒せるか競ってみますか」

 「ははは、ゼンクウ先生もなかなか面白いことを言う。その案乗った!」

 なんか後ろからそんな会話聞こえてきた。すごいなーおじさん二人。

 

 それから私たちはまっすぐに走って行った。敵も当然出てきたけどさっき見たゴーレムみたいにでかいのではなくゾンビや階段にいたガイコツに似たモンスターばっかだった。しかも、あまり強くないのか、二人によって全員霧散していった。そして、しばらく進んであからさまにボスが居そうな門があった。

「ここだね」「ここですね」「ここだな」

 エアリーが門にそっと触れると自動的に開いた。

 「なんだ、もう来たのか転生者ども」

 門の先は学校の校庭ぐらい広い閉鎖空間だった。中には一つだけ台がありそこにはローブを纏った人が寝転がっていた。その人がこの結界を張った張本人だろう。

 「ハァ…懲りないですね。ウロボロス校のアルハザードさん」

 あ、聞き覚えある。確か転生者と仲の悪い組織でたまにこうしてちょっかいを出すめんどくさい奴。てウルマ先生から聞いた。

 「アルハザード殿。なぜ貴殿の結界は毎回こんな薄暗いんだ?」

 フェリシアがそんな質問している。それは少し気になる…

 「あ…?んなの日焼けするからに決まっているからだろ」

 私とフェリシアはそれを聞いて噴き出してしまった。まさかフェリシアが言ったことが当たるとは思わなかった。

 「アルハザード殿…日焼けが嫌なら…日焼け止めを塗ると…いい…ぞ」

笑いをこらえながらフェリシアは言った。

 「そんなものとうの昔に試して『アルハザードなんかいい香りしね?』『え?なにあいつ、色気づいた?』とか言われて俺の心に傷をつけたさ。日焼け止めって傷に塗ると染みるよな…」

 なんか、言ってはいけないことを言ってしまったのかな?少し可哀そう。

 「というわけでテメェらぶっ飛ばす!!」

 理不尽だ!悪いとは思うけどこれは理不尽すぎる!

 「やれぇしもべども!俺の傷口をえぐった不逞な輩をぶっ飛ばせ!」

 その掛け声とともに地面、壁、天井から無数のモンスターが湧いてきた。けど、それはまた炎によって一瞬で霧散していった。その炎はゼンクウ先生の蒼い炎ではなく、ガトウ先生みたいに業火ではない。やさしいオレンジ色をした炎だった。

 「我は正義の剣、我が炎は浄化の炎。我が校にあだ名す悪はこのアンネッタが裁く!」

 「覚悟しろ―!」

 門の近くにいたのは自称「転生自衛隊」と名乗る私たちの後輩のアンネッタとリケットだ。

 彼女たちは学校内でも結構有名で、問題児ながらもいろいろな事件や問題を解決している。その姿がかわいらしく、ひそかにファンクラブがあるくらいだ。

 「く…チビが二匹増えたか…だが!この結界内は俺の土俵!勝てると思うなよ!」

 そしれ、再びモンスターが湧いてきた。しかも、蜘蛛女にゾンビ。さらに、階段の近くにいたゴーレムやオーグなどの大型のモンスターばかりだ。

 「ま~ためんどくさいのが出てきたな…」

 「まったく。これでは埒があきませんね」

 アンネッタの炎が焼き払い。リケットのヌンチャクが砕き。フェリシアの槍が穿ち。エアリーが切り裂く。ここまで何回も戦闘になったけど…私、何もできない。だから少しでも戦闘の邪魔にならないように門の近くまで非難する。

 「本当…なんで私ここにいるんだろ…嫌になるな…」

 泣きそうになりながら少し愚痴った。今闘っている皆に悪いから本当に少しだ。

 「ホッホッホ、これだから無知なひよっこは」

 泣いていたら突然隣に理事長のジェドさんが現れた。彼は学校内でも謎の存在として知られている。一瞬びっくりしたがわりと頻繁に出合うからすぐに落ち着く。

 「ジェドさん。私…ここに居てもなにもできなくて…」

 私は自分の無力をついジェドさんに言ってしまった。でも、ジェドさんはなぜか笑みを浮かべた。

 「己が無力ということを知っている。それは良いことだが、この場において、主にしかできぬこともあるぞ」

 「そんな!万年体育2で戦闘経験ない私がここに居ても…みんなの邪魔に…」

 私にできることなんて…あるはずない。だがそれを言う前にジェドの口が動いた。

「戦闘経験がないからわからんだろう。戦っている者は戦場では目の前の敵とその周りの敵を意識しているから視野が通常より狭くなる。だが、戦場でほかに重要になるのは音よ。これだけ言えば分かるかのう?」

 音…足音とか声…なら、声かな

 「声…ですか」

 ジェドさんはその答えに満足そうにうなずいた。

 「うむ。その通りだ。主の声で戦っているものを采配するのだ。今の主の立場なら戦局を広く見ることができるからのう。気の知れたものの声なら信頼して戦いにも集中できる。さらに、主の安否も分かるから一石三鳥、といったとこがのう。」

 私、そこまで深く考えてないんですけど…でも、それなら私にもできる!

 「それと、雑魚については時が来れば止まる。最後に、ちょっとしたおもちゃでも渡しておこうかの。どこぞの国の巫女が邪払いにつかっていた弓だ。隙をついてあの白いのに放ってみるがよい」

 そう言われてジェドさんからきれいに装飾された弓を渡された。そして、なぜかジェドさんは吹かしていた煙とともに消えていた。少し深呼吸をし、もらった弓を強く握り決心する。私だってできることあるんだ!戦場を見渡してみるとフェリシアを後から襲おうとしている敵がいる。

 「フェリシアちゃん後ろからくるよ!」

 フェリシアは驚いた顔だったが、直ぐに敵に気づき薙ぎ払う。そしてこちらにウィンクして親指を立てた。これはお礼だ。

 「リケットちゃん左からくるよ!エアリーちゃんはリケットちゃんのカバー!アンネッタちゃんは周りの蜘蛛の処理をお願い!」

 私はその指示に自信がなかった。もしかしたら誤った指示をしてしまうかもしれない。それでも、みんなすぐに対応して指示通りに動いてくれた。

 「貴殿はもっと自信を持て!たとえ間違っても我々は今まで自分の力で乗り越えてきた!だから、我々は信じるから貴殿も私たちを信じてくれ!」

 フェリシアはそう言ってくれた。そうだね。みんなは強い。だから私の出す指示を実行できる。そして、間違ってもリカバリーできる。それにしても、なんか敵が少なくなってきている。ジェドさんが言っていた時が来れば止まる。きっと、もう湧いてこないのだろう。

 「ちぃ、誰かコアを壊しやがったな…クソォォォー!!」

 台に寝転がっているアルハザードはいきなり叫んだ。コアっていうのがきっとモンスターが出てくる装置なのだろう。

 「こうなったら俺が直々に相手してやる!」

 アルハザードは奇妙な呪文を唱え始めた。そして、モンスターはアルハザードを守るために前に立ち立ちはだかる。

 「もう少し、といったところですね」

 「今回もそろそろ終わりだぞアルハザード殿」

 「悪というのは栄えたことはない!故に、ここで貴様に終止符を与える!」

 「いい加減終わらせよっか!」

 各々、自分の得物を目の前敵に向けた

 「ここが正念場だよみんな!」

 私の掛け声とともにみんな突撃した。残りのモンスターは硬くて厄介なゴーレムに毒を吐いてくる蜘蛛女が残っている。

 「ここは転生自衛隊に任せてもらおう!リケット!デカ物を頼む!」

 アンネッタがリケットに指示し、リケットがゴーレム二体の間に走って行った。

 「了解!私の渾身の一撃を喰らえー!」

 リケットは近くのゴーレムの片足をどんどんヌンチャクで破壊していった。ゴーレムは自身の重さを支えることができなくなり崩れていく。

 「後は任せろ!正義は爆発だぁ!」

 アンネッタの剣から今まで以上の炎が噴き出し、周りの蜘蛛を焼き払っていく。そして、フェリシアが蜘蛛を燃き尽くした後の炎を薙ぎ払いアルハザードに突進した。

 「これで終わりだ!撃つと言ったら撃つのだ!」

 しかし、フェリシアの槍はアルハザードの目の前で止まっている。よく見るとうっすらとバリアーが見えている。

 「フハハハ!おしいおしい!もうちょっとだったな!このバリアーは簡単には破れない!もうすぐ詠唱が終わりテメェらの負けだ!」

 バリアー…そんな…フェリシアの槍でも突けないなんて。いや、私は諦めない。ジェド先生が私に渡してくれた弓。私は、これをあの人に向かって放つ!

 「いっけぇぇ!」

 放った弓はまっすぐにアルハザードの方に向かっていった。そして、フェリシアの槍を止めたバリアーに当たる。そのとき、ガラスが割れるような音とともにアルハザードが体勢を崩した。

 「バカな!ただの弓矢に…バリアーが…」

 そのわずかな隙にエアリーは全速接近していった。

 「ここが勝機!逃がさない!」

 エアリーの左腕の刃はアルハザードを切った。

 「痛って!クソー!今度こそ覚えてろ転生者ども!」

 アルハザードはモンスターと同じように霧散していった。アルハザードだけじゃない。周りの空間も少しずついつもの学校に戻って行った。今私たちのいるのは体育館だ。

 「また、つまらぬ悪が一つ消えていった」

 「ざっとこんなもんだね!でもお腹すいちゃった」

 自衛隊の二人は決め台詞を言った後すぐに外に出て行った。

 「じゃあな二人とも!気を付けるんだぞー!」

 フェリシアは二人に手を振って二人を送り出した。そして、入れ替わりでウルマ先生が入ってきた。片手には救急箱を持っている。

 「大丈夫かお前ら…と言っても怪我はないようだな」

 それでも、かすり傷が所々あり、そこの治療をされた。

 「それにしても、まさかお前らが倒すとは思わなかったぜ。これは、アタシも負けていられないな」

 素手でモンスターを倒すウルマ先生に勝てる人なんているんだろうか…

 「ウルマ先生、現状、学校はどうなっているかわかりますか?」

 確かに、結界が解かれた学校がどうなっているか私たちは分からない。

 「安心しな。結界が解けて元通り。モンスター一匹もいない。生徒はみんな眠らされていたけどそろそろ起きんだろ。おまけに、時間は10分ぐらいしかたっていない。」

 そうなんだ。あれ?みんな眠らされているってことは…結局私は何で結界内にいたのかな?

 「それでウルマど…先生。授業の方はどうなるのだ?」

 そうか…まだ一時間あるんだ…

 「いや、流石に先生全員戦ったからなしだ。ま、さっさと家帰って休みな」

 てことはもう帰れるのか!

 「やったー!…あ…」

 ついうれしくて声を上げてしまった。これはウルマ先生の怒られるな

 「ま、生徒はそんな反応するよな~。けど、お前は今回は大変な目にあったから怒らないでおいてやるよ」

 「あ…ありがとうございます!」

 よかった~あのグリグリは受けたくない。

 「それでは、この件は一件落着ということですね」

 エアリーちゃんの言う通りだ。これで終わったんだ。

 

 そして、私たちは自分のカバンを取りに教室に戻り、一緒に校門まで行き、フェリシアとは反対方面だからそこで別れる。その後、私とエアリーは一緒に帰路につく。

 「今日は大変でしたね」

 珍しくエアリーの方から話しかけてきた。いつもは私からなのに。

 「そうだね。私、今日初めてモンスターに遭遇してすごく怖かった」

 本当に怖かった。今でもまだ少し鳥肌が立っている。

 「でも、私嬉しかった。襲われたとき一番にエアリーちゃんが来てくれて。」

 あの時はもう死ぬと思ったのに友達が助けてくれた。これは一生忘れない。

 「私も、とてもうれしかったです。あなたの放った弓矢がなかったら倒せませんでした」

 ジェド先生がくれたあの弓矢か

 「あれはエアリーちゃん達が戦っているときにジェド先生が来てくれたの。だから私の手柄じゃないよ」

 「いえ、私がうれしいのはその弓矢を放ったあなたの勇気です。ジェド理事長があなたに弓矢を渡していたのは見ていました。」

 え…そうなの…てっきり見えていないと思ってた。

 「こんな勇気のある友人を持てて私はとてもうれしいです。これからも友達でいてくれますか?」

 エアリーは小指を出しながらそう言った。

 「そんなの当り前だよエアリーちゃん!私の方こそこれからもずっと友達でいよう」

 私はエアリーの小指に自分の小指を巻き指切りげんまんをした。沈みかけの夕日に二人の笑い声が響いた。

 




どうも蛹クヌギです。
今回、久しぶりの投稿ということで昔書いたものを手直ししたものを投稿しました。まぁ、ぶっちゃけ手抜きですwww
千メモは現在私がどはまりしているソシャゲーですw
千メモ内では投稿した今現在は「名もなき打キチ」という名前でプレイしています。
来ないとは思いますがここでのフレンド募集はしていませんのであしからず。

今まで投稿できなかった理由が色々ありまして主な理由がTwitter、ゲーム、オフトゥンですw
今後の予定としては、オリジナルキャラを入れた東方、千メモ(手直ししてもの)、それとカードファイトヴァンガードなど二次創作をメインでやって行こうと思っています。
あくまで予定ですけどw


とりあえずまたのんびりと活動を再開していくのでよろしくお願いします!
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