Charlotte〜乙坂有宇と9人の女神〜   作:黒髪ワタル

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少し遅れました。六月分の投稿になりますm(_ _)m


第4話 初日

?「私は反対です!学院に男子のテスト生を転入させるなんて!!」

 

 

 

────〈朝一番に理事長室に行って挨拶を済ませてきてください〉───────

 

 

そう書いてあったのは今朝高城が置いていった3枚の手紙の中の1つである。高城によると、

 

高「昨日友利さんから預かってきました。それぞれ表にいつあけるべきか書いてあるので、その時が来たらあけて読め、だそうです。」

 

と、いうことらしい。なんでそんなバトル漫画の修行書みたいな扱いなのかはよくわからない。

いっそその場で全部あけてしまおうかとも思ったが、友利の性格と能力を考えると常に近くにいて見張っていてもおかしくない。僕は大人しく命令に従うことにしてその手紙をもって学校へ向かい、〈校門をくぐったらあけること〉と書いてあった手紙の中身を確認してココ理事長室の前まで来たわけだが……。

 

 

 

有「……どうやら先客がいるらしいな。」

 

 

 

しかもこちらにとってあまり友好的ではなさそうな発言。どうやら今は入らない方が良さそうだ。僕は大人しく扉の前で待つことにした。その間にも中の話は進む。

 

?「答えてください理事長!」

 

まるで詰問するような声。どうやら理事長に何者かが抗議しているらしい。その声からは焦燥感がありありと感じられた。

 

理事「落ち着いてください綾瀬さん。」

 

なだめるように、しかしキッパリとした口調。そこからは役職にふさわしい威厳が漂っていた。たまらず生徒も口を塞ぐ。

しかし、残念ながら他のことで一気に頭がいっぱいになってしまった僕にはあまりそれを感じることができなかった。

 

 

…いや、だってさ、理事長いくらなんでも声若すぎだろ!?明らかに女性だし20代かってくらいキレイな声だぞ!?つか理事長ってハゲジジイ以外でもなれんのかよ知らんかったわ!!!

…などとアホらしい思考を続ける間にも会話は続く。

 

 

理事「そもそもあなたはなぜ今回のテスト生について反対するのですか?音ノ木坂が廃校になってしまうのを阻止したいと考えてるあなたにとっても共学にすることで少しでも生徒の数を増やそうとするのは悪くない話だと思うのですが。」

 

 

確かにそうだ。むしろ生徒を増やすためということを考えるとかなり正しい判断だと言える。…まぁこのテスト生に限ればただ友利が無理やり僕をここにぶっ込むための口実を作っただけだが。もし反対意見があるとすれば…。

 

僕がそこまで考えたところで同じ結論に達したらしい理事長が綾瀬という女生徒に問いかける。

 

理事「…それともあなたは女子高のままの学院でありたいということですか?」

 

…まぁそれだろうな。女生徒も予想していた質問だったのか間髪を入れることなく答える。

 

絵「いいえ、違います。そもそも私は共学化については基本的に賛成です。」

 

 

………。

 

 

いや賛成なのかよ!?じゃあ逆に何が気に食わないんだコイツ…?恐らく僕と同じ疑問を抱いているであろう理事長に構うことなく女生徒は話を続ける。

 

 

絵「私が今問題にしているのは共学化ではなくテスト生の生徒についてです。実は先ほどとある筋からコレを見せて頂いたのですが…。」

 

 

すると中からカサカサという音がしてきた。恐らく何らかの資料を理事長に見せているんだろう。

 

絵「乙坂有宇。日本の中でもトップクラスの名門である陽野森高校を入試成績トップで入学。しかし…その後わずか1週間で学校を退学、そしていきなり記載された住所から離れたウチへのテスト生としての転入…。」

 

彼女はそこで言葉を一区切りすると高らかに言い放った。

 

絵「……どう考えても怪しいじゃないですか!」

 

 

 

……僕は扉の前で思わず立ち尽くしてしまう。…いや、うん。確かにソイツは怪しいけどさ。何その住所まで書かれた細かい資料。僕書いてないんだけど?なんだよとある筋って。怖いよ。

 

思わぬ方向からの抗議に理事長も一瞬言葉につまっていたが、すぐに冷静さを取り戻したのか先ほどと同じ落ち着いた声で話し始める。

 

 

理事「…あなたの言っていることも分からなくはありません。でも、私達学校側はしっかりと乙坂有宇君の人格や素行を審査した上でテスト生として彼を選んでいます。そこにあなたが口を出す権利はない…。それに会ったこともない人物を経歴だけで判断するのは生徒会長として正しい行為とは言えないのではないですか?」

 

優しく、それでいてキッパリと、理事長は女生徒の抗議をいさめる。

 

絵「しかし!」

 

?「エリち。」

 

さらに語調を強めていた少女を今まで一言も発していなかったらしい子が呼びかけた。

 

絵「希…」

 

優しく、小さな子をなだめるようなその声に名前を呼ばれただけで今まですごい剣幕だった少女はかなり冷静さを取り戻したようだった。「…取り乱して申し訳ありません」と理事長に謝るとそれきり黙ってしまう。部屋の中で長い沈黙が続いていた。

 

 

……このままじゃ埓があかないな。出来れば顔を合わせたくなかったがこうなっては仕方がない。

コンコン、扉を叩くとすぐに「どうぞ。」という声が返ってきた。失礼します、と断りをいれて中に入る。

 

 

理事「あら、もう来ていたのね。」

 

 

声の主の方を向くとやはり20代から30代と言ったところだろうか。清潔感のある雰囲気をどことなく感じさせる女性がイスに座っていた。どうやらこの人が理事長らしい。僕は軽く会釈してそれに答えながら理事長から机を挟んで正面に立っている2人にチラリと目線を向ける。

 

軽く見た限りではあるが2人ともかなりの美人だった。最初に目に入ったのは片方の女生徒の輝かんばかりの金髪。あまりの眩しさに光を放っていそうな綺麗な髪をポニーテールに束ねている。目鼻立ちも整っていてモデル顔負けと言った風の人物だったが、唯一その表情だけが女子高生とは思えないほど曇っていた。

もう1人は腰まである長い髪を2つおさげにしており、特徴的で優しそうなたれ目と重なって全体的に包み込むような印象が見て取れた。

2人は僕の登場に驚いたのか少しの間固まっていたが、やがて金髪の娘が「…それでは私たちは失礼します。」とだけ言うとスタスタと出ていってしまった。もう1人の娘は謝意を示すように一瞬だけ僕に微笑みかけるとそのまま金髪の娘を追いかけて出ていく。

 

 

……不覚にもその笑顔に見とれてしまった。

 

 

 

理事「思春期ね〜。まぁ年頃の男子だし仕方ないけど♪」

 

2人がいなくなった後も扉を見続ける僕を見た理事長が小悪魔チックに微笑む。……いやあなたのそれもかなりの破壊力持ってますよ?僕はなんとか平静を装って話しはじめる。

 

 

有「…お話の前に、ちょっといいですか。」

 

理事「?。なに?」

 

 

顎に指をあて、可愛らしく小首を傾げる理事長。

この人ホントにいくつなんだろう…と思いながら僕はカバンの中に入れておいた手紙をもう一度取りだした。

 

有「…今朝もらった前の学校の…上司、からもらった手紙です。理事長と話す前に読めって言われてるので。」

 

理事「…それを律儀にここまで読まずに持ってくるなんて…よっぽどその上司さんを信頼してるのね、羨ましいわ。」

 

 

さっきとは打って変わって、包み込むような優しい笑顔を浮かべる理事長。そこには大人の色気が滲んでいて、思わず顔を逸らしてしまう。

 

 

有「まぁ、一応は。」

 

 

気恥ずかしさをごまかすように少し乱暴に手紙を開けると、そこにはいつもの達筆で綺麗な文字が綴られていた。

 

 

 

 

 

 

〈理事長、人妻ですから〉

 

 

 

「やかましいわボケェ!!!!」

 

 

ビリビリに破いてやった。いやつーかマジでアイツ人をなんだと思ってるの!?分かってるよこんな美人が結婚してることくらい!!……あれ、なんか急に目から汗が……。慌てて汗を拭う僕に今まで黙っていた理事長がたった一言。

 

 

 

理事「……ホントにいい上司さんを持ったみたいね?」

 

 

お腹を抱え、ククッという妙な音を出しながら。

 

 

 

* * *

 

 

 

 

笹「担任の笹原です。たった1人の男子で色々面倒もあると思いますが、困ったことがあったら何でも相談してください。」

 

有「はあ…。」

 

 

 

場所は変わって、職員室。理事長からの話を聞き終えた僕は担任だという笹原先生にこの学校について教わっていた。

本名、笹原京子。透き通るような白い肌に長い黒髪を惜しげもなくさらし、スーツ越しでもよくわかるくびれはモデル顔負けの彼女の体型をよく表していた。ちょっとつり目のクール系美人である。

僕の体をすり抜けるようによく通る彼女の綺麗な声に思わず実は今無理やり学校に来させられて初対面の女の子の監視を命じられていますと言いたくなったが残念ながらそういうわけにもいかない。

この担任の先生ですら僕の本当の目的を知らないのだから。理事長の話は次のようなものだった。

 

 

理事「いいですか?乙坂君。今回の件について全てを知っているのはこの学校では私とあなた、それに高坂さんだけです。一般生徒はもちろん、教師もあなたの本当の目的を知らない。…その理由はわかりますよね?」

 

先ほどとは違い、まるで仕事先の人物と話すような丁寧な口調。それが何を意味するかわからないほど僕も子供ではなかった。できるだけ真剣なまなざしを返しながら答える。

 

有「…まぁ、そんな危険な状況を知る人が増えると暴動が起きかねませんしね」

 

僕の言葉に理事長は大きく頷いて続ける。

 

理事「その通りです。だからまず他人に目的を悟られないこと、悟られた場合も何らかの方法で広められるのを防ぐこと、これがあなたを受け入れる第一条件です。」

 

まぁ、当然だな。

 

理事「そしてもう一つの条件はテスト生としての振る舞いを身につけることです。」

 

有「テスト生としての振る舞い…ですか?」

 

理事「ええ。さっきも言った通りあなたは表向きにはあくまでウチの学校のテスト生として過ごしてもらいます。なので少しでもそれらしさを出すために、青春を楽しんで欲しい、ということなのです。」

 

有「楽しむ…」

 

理事「ええ。何かに打ち込んで勉強するもよし、何か部活動に入るもよし。…まぁ、やるべき事を考えると少し難しいかも知れませんが。とにかく、あなたの大切な青春をを監視という仕事だけで終えないで欲しいのです。」

 

理事「…大丈夫。あなたならきっとできますよ。」

 

理事長はここで一呼吸おくと言った。

 

「だってあなたは、この学校を救うために選ばれた最初で最後のテスト生なんですから♪」

 

 

 

* * *

 

 

笹「……乙坂君!乙坂有宇君!」

 

有「は、はい!」

 

…少し強めの声で呼ばれてハッとなる。どうやら考えていてボーッとしてしまっていたようだ。笹原先生が心配そうに僕の顔をのぞき込む。

 

笹「…大丈夫ですか?疲れてるなら保健室に…」

 

有「い、いえ!大丈夫です!!」

 

慌てて否定する。初日から早退なんて目立つことはゴメンだ。

 

 

笹「…そうですか?それではそろそろホームルームがはじまりますし教室へ向かいましょう。」

 

先生はそう言って立ち上がるとスタスタと歩き出す。僕は慌ててその後を追った。

 

 

特に会話もなく廊下を歩く。ホームルーム前だからか廊下には慌ただしい喧騒が広がっていた。多くの女生徒が自分のクラスに帰ろうと歩いている中、チラチラとこちらを気にする視線が多くあることに気づいた。

さっき笹原先生に聞いたことによると、この学校は教師も全員女性らしいので男自体珍しいのだろう。

 

 

……試してみるか。

 

 

視線の方に目を向けると、1人の女生徒と目が合った。僕はできるだけ人の良さそうな顔を作ると、にこりと微笑みかける。すると女生徒はわかりやすく顔を赤くすると逃げるように走り去っていった。あわてて教室に逃げ込む少女に軽く手を振りながら僕は内心でガッツポーズをする。

 

 

 

……よっし!!やはり女子高だけあってこの学校の女子は男に慣れていない!しかもなぜか全員揃いも揃って美少女だし邪魔な友利達もいない!今度こそ…いける!!

 

 

 

───そう。僕は今度こそ転校デビューを果たそうとしていた。確かに僕は今回高坂という少女のストッパーという役目があるが、その中でどうすごせなどとは言われていない。理事長もああ言っていたことだしここは遠慮なく僕なりに青春を楽しませてもらおう。

 

不安要素があるとしたら、これか……。僕はバックの内ポケットに手をやる。そこには友利からの手紙の最後の1枚が入っていて、表には〈あなたが開けるべきと思った時に開けてください〉と、いよいよバトル漫画の最終手段じみてきたメッセージが書いてあった。正直、読みたくない。このまま捨てようとも思ったが、もしかしたら本当に仕事に必要になる時が来るのかもしれないと思うと捨てるわけにもいかなかった。

まぁ、何にせよ手紙1枚でやれることなどたかがしれてる。まさか邪魔するようなこともしないだろう。そう結論付けて手紙をしまうとまた歩き出す。教室につく頃には手紙のことは完全に頭から切り離されていた。

 

笹「…着きました。それでは先に私が入ってみんなに説明をするので、呼んだら入ってきてください。」

 

有「はい!」

 

考えているうちにテンションが上がってしまい、いつもより2倍ほど大きく返事をすると先生に呼ばれるのを待つ。…ああ、夢が膨らむ…。

今日はとりあえずこのクラスでトップクラスの美少女達を数人連れて校内の案内をしてもらおう、そう決めたところで中から笹原先生の声が聞こえた。

 

笹「……というわけで、今日から加わる新しいクラスメイトを紹介します。乙坂くん、入ってきてください。」

 

有「…はい!」

 

先生の呼び掛けにできるだけいい声で返事をすると、はやる気持ちを抑えながらゆっくりと扉を開けた。

 

 

今思えばこの時僕はただテンションが上がっていただけでなく、柄にもなくかなり緊張していたのだと思う。そうでなければ説明がつかない。

 

 

──────これまでにないテンションで扉に手をかけた僕は教室にかけてあった〈2年2組〉のプレートにも何の疑問も抱かなかった。

 

 

 

穂「ゆ〜う〜〜く〜〜ん!!!!!」

 

 

有宇「…!?」

 

教室に入った途端、テンションMAXだった僕をはるかに超えるテンションの持ち主が僕の名前を叫んでいた。目を向けるとそこには見覚えのあるサイドポニーの少女がぶんぶんと手を振ってこちらを見ている。

……バ、バカな。アイツは確か2年生だったはず…!?あまりの驚きに何もできずにいると、笹原先生は少し安心したように言った。

 

笹「あら、高坂さんと乙坂くんは既に知り合いのようですね。ちょうど良かった、じゃあ乙坂くんは高坂さんの後ろの席を使ってください。」

 

有「は、はぁ…。」

 

完全に思考停止になってしまった僕は言われるままに席に向かう。その間に先生は軽く紹介をしてくれていた。

 

笹「先程も言ったように、乙坂君は実際の年齢は一つしたの1年生ですが、成績が優秀であることとテスト生としての都合で2年生として過ごしてもらうことになっています。皆さん、仲良くしてあげてくださいね。」

 

有「……。」

 

 

……この意味不明な状況に心当たりのできた僕は先生に言われた窓際端の席に荷物を置くと無言で最後の手紙の封を開けた。

 

 

〈どーせバカなんだし2年でも1年でも一緒っしょ?笑〉

 

 

 

笹「乙坂くん?窓を開けてどうしました?」

 

 

有「いえ、急に風を浴びたくなりまして。」

 

 

窓を全開にすると春風が教室に流れ込んでくる。あまりの気持ちよさに手を広げると春の心地よい風が僕が今さっき作った即席の紙吹雪をまるで桜の花びらのように飛ばしていった。

……そうだよな。アイツが本当に仕事に必要なことでこんな不確定要素を使うわけないよな…。

 

……まぁ、いい。確かに仕事の都合上高坂と同じクラスの方が都合が良いのは確かだし、どこの学年だろうとやることは変わらない。僕は誰にも聞かれないように小さくため息をすると、クラスメイト達の方に向き直って言った。

 

有「乙坂有宇です。色々と忙しい時期に転校してきて迷惑をおかけしますが、仲良くしていただけるととても嬉しいです。」

 

にこやかな笑顔とともに言葉を締めると、何人かの女生徒が嬉しそうに頬を染めていた。とりあえず第一段階は完了だ。

 

笹「それではみなさん、これから仲良く────穂「はいはいはいはーーい!!」────何ですか?高坂さん。」

 

 

穂「ゆうくんに質問したいです!」

 

先生の締めの言葉を遮る声に目線を向けると、そこには大きく上げた手を左右に音が鳴りそうなほど振っている高坂がいた。先生は小さくため息を吐きながらも先を促す。

 

笹「……はぁ。どうぞ。ですがあまりプライバシーに関わるようなことは聞かないように。」

 

先生の許可が出た高坂は嬉しそうに僕の方に向き直ると、心底楽しそうな笑顔とともに言った。

 

 

 

穂「昨日会った友利さんって人とはどういう関係ですか!!?」

 

 

 

有「お前先生の話聞いてた!!?」

 

 

あまりに完璧なボケ過ぎて素で突っ込んでしまった。クラスメイトが驚いてこちらを見てくる。だめだ、ここで挑発に乗れば僕のハーレムの野望が潰えてしまう。平常心、平常心……。なんとか心の平静をとりもどした僕は1度咳払いをして質問に答えた。

 

 

有「……コホン。えーっと、友利さんとは前の学校で一緒に生徒会をやってました。それ以外は特にありません。」

 

 

関係はない、ということを強調して言うと高坂は少し不満そうに口を尖らせて言った。

 

 

穂「えー!?昨日はあんなに熱く語りあっていたのにー!?」

 

 

有「口論していたの言い換えの中で世界一誤解を招きそうな言い方だなオイ!?」

 

 

……ダメだ!!わかっていても思わず突っ込んでしまう!!完璧なボケに本能が抑えきれない!!!ツッコミ疲れで息を荒げている僕を見て高坂は不思議そうに首をかしげていた。まさか素か!?素なのか!?

僕があまりの驚きに何もできずにいると、高坂はあ、そういえばもう1個聞きたいことがあるんだった、とまた悪魔のような口を開いた。

 

穂「そういえばゆうくん……」

 

 

一瞬のタメ。その間に僕は普段使わない脳みそをフル回転させて考えうる質問とそれに対するベストな回答を導きだそうとしていた。

 

 

何の質問が来る?能力のことを人前で話すのはNGだと友利から強く言われているので絶対にないはずだ。なら黒羽についてだろうか?しかしそれなら特に問題は無い。

 

なら高城が不審者気味の行動を起こしていたことについてだろうか?いかにもありそうな話だがそれも問題は無い。もし聞かれたら彼は自分をキリストの生まれ変わりである神の子の子とかいうもはやそれは人間なんじゃないかというツッコミを受けそうな設定に浸る可哀想な人なのだと答えよう。もしかしたら高城に迷惑がかかることもあるかもしれないが構う必要はない。今はとにかく自分の保身に集中する────────しかし、ここで口を開いた高坂が言った言葉は、自己紹介の質問にふさわしい100%僕に関する質問だった。

 

 

 

穂「ゆうくんが友利さんに言われてた⦅シスコン⦆ってどういう意味ですか??」

 

 

 

 

 

一瞬、空気が凍った。

 

 

 

 

 

 

が、この質問も特に問題は無い。やることはわかりきってるからだ。僕は余裕の笑みを崩さないままゆっくりと膝を折り地に頭をつけて言った。

 

 

 

 

 

 

 

乙坂「もう勘弁してくださいお願いしますぅぅぅううう!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

────────この日、音ノ木坂学院には転校初日に土下座して絶叫する男子生徒という新しい伝説が生まれ、一部の女生徒達には男は土下座魔という新しい偏見が生まれた。

 

 

 

 

 

……僕の転校デビューが失敗したのはいうまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そんなこんなで第4話初日でした。転校云々の時系列はズレまくっているとは思いますがラブライブの時系列に合わせたかったので無理やりすることにしました。見逃して!
あとちょっと乙坂君がギャグ系主人公になっちゃってますがこれはこういう乙坂君を見てみたいという作者の願望です笑。本編に入っていくとカッコよくなるのでご心配なく!(多分)

忘れてたぁぁぁあ!!!今回なんと!作者初のご感想を頂くことが出来ました!ホントに嬉しすぎてビックリしました!!(((o(*゚▽゚*)o)))ライリーさん、shikitoさん本当にありがとうございます!!
それでは拙い文章でしたが読んでくださった方々ありがとうございましたm(_ _)m
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