提督になったらわかるけど、結局俺たちって被食者なのであって、つまりは捕食者じゃないんだよなあ。
権力と立場で勘違いしやすいけど、それって砂上の楼閣なんだよなあ。
ヤったつもりなんだけど、本当にそれは勝利なんだろうか?
勝利したと思わされてはいないだろうか?
征服したと思わされてはいないだろうか?
男ってバカばっかだからなあ。
セックス&バイオレンスで勝ったつもりになっている。
自分自身の完全勝利を疑ってすらいない。
アホや。
みんなアホや。
そういう連中は結果的に皆いなくなった。
どこへいったかなんて知りたくないなあ。
勝ったと思わされているだけなんじゃね?
本当は……。
勝てる見込みがちっとも全然まるっきり無いやん。
軽い気持ちで受け入れたのが間違いだったかなあ?
まさか、こんな風になっちゃうとは思わなかった。
見込みが甘すぎた。
教育係達まで取り込まれるとは思いもしなかった。
真面目な子たちなんだけど、免疫力が無さすぎた。
あいつら、前より格段に……。
そういや、あいつのとこ、ケッコン経験艦があんなにまだいるけど、大丈夫なのかね?
まだ童貞らしいけど。
俺もお仲間だけどさ。
まるで仔犬たちとぬいぐる……おうふっ!
「はぁーい、提督! いっちばーん!」
「なんですかなんですかぁー? 提督、私のことがそんなに気になりますかぁー? うふふ♪ えいえいえい♪」
「あら、司令官。私の身体でお役に立てることがなにかあるかしら? うふふ♪ えいえいえいえいえいえい♪」
「えっ、なになに? どうかしたの?」
「あ、あの……な、なんでしょうか?」
「素面だよう……本当だってばさあ。」
お前たち……。
なんで、そんな恰好をしている!?
ここは平静を装って即時離脱だっ!
大丈夫!
大丈夫!
まだ大丈夫!
「あっ、いやいや、ちょっとな。」
「なになにー? あたしの出番?」
「およ? 提督、どうかしたの?」
「私の美肌に見とれていたのね♪」
「構ってー! なんか構ってー!」
「提督に抱きついて破廉恥です!」
「イケるイケる! ヒャッハー!」
ヤバい!
不味い!
即時離脱すべしと本能が警告を発している!
やわらかすぎる!
不味い! 不味い! 不味い!
ちくわ大明神よ! 我に力を!
「お、お前たち、早く寝なさい。俺もこれから寝るから。」
「「「「はーいっ♪ ではでは、ご一緒しますね♪」」」」
「こんな私でも提督のお役に立てて、本当に嬉しいです。」
「メシの時に仕込んだからさ。ほら、もうギンギンだろ?」
「はい?」
「ちょっと待ってくれ頼む!」
「はりきっていきましょう♪」
「夜の砲雷撃戦、始めるよ♪」
「私も一緒にいかせて。ね♪」
「よし、やっちゃうからね♪」
「身体が火照ってきました。」
「おちんぎんは消毒だーっ♪」
あ、危ないところだった。
もう少しで俺は……。
ぼ、暴発分は不問だよな。
くう、あれは危険な技だ。
習った捕縛術が役立った。
猛特訓の甲斐があったぞ。
わざと縛られた者もいる?
まさかそんなことは無い。
無いよな。
お仕置きされたいなんて。
いやいや、まさかまさか。
口にはギャグを噛ませた。
今夜一晩駿河問いの計だ。
天井を強化してよかった。
特注品の石板が役立った。
ミントタブレットを装填。
くく、身をよじるがいい。
天井はびくともせんから。
なんかシュールな光景だ。
ラジカセでお経を再生だ。
お前ら一晩中聴いてくれ。
煩悩退散且つ破邪顕正や!
精神鎮静用のお香も焚く。
執務室で寝るとしようか。
明日は少しお説教しよう。
ナイトメアモードじゃよ。
したくないが致し方ない。
大破の可能性も考えよう。
バケツを用意しとこうか。
雑巾とモップも必需品だ。
タオルも多めに用意する。
したいのは別のことだが。
現在はその時でないのだ。
すべて終わったら電話だ。
あいつは笑うに違いない。
むっきー!
冗談が真になっちまった。
準備万端が効を奏したよ。
もっと平和な夜が欲しい。
鉄格子と防弾硝子の増設。
扉を鉄のものに換装だな。
私室改三なんて笑えない。
いやはや。