こういう提督ばかりではありません。
「ええ、そうです。ただ単にゆっくり入浴したいだけなんです。別にね、艦娘たちと一緒に入りたいとか、そういうことじゃないんです。早くシャワー室を修理して欲しいんですよね。艦娘たちがいつ入ってくるか気にしながら入浴するのって、全然落ち着かないんです。たまに入ってこられますしね。先日も民間業者に修理を頼もうとしたら、艦娘たちに怒られましたし。」
「朝、シャワーを浴びてたら大抵駆逐艦が乱入してくんだよ。ぺたぺた触ってくるし、止めろっていっつも言ってんだけどさ。おっさんのぼて腹触っても、なんも面白くも無いと思うんだけどな。」
「基本的に執務室から出ない生活をしていますから、入浴っていうよりも簡単にシャワーを浴びています。今の時期は積雪がけっこうあるんで、さっさと入ってとっとと寝ないと冷えるのが難点ですね。たまに湯に長く浸かりたいと思わないでもないですけど、利便性が一番です。」
「あー、うちは工場改造型で風呂が銭湯みたいになっているんですよ。基本、うちは混浴ですね。ほら、艦娘乙種が大半ですし、中の人は同性でしょう。きれいなんだけど気さくに接してくれますから、気楽でいいですね。おっぱいを当ててきたりして、いたずらっ子が多いのが難点ですけど。おふざけさえ許容出来たら、なんでもないですよ。」
「え……ええと、執務室からは、その、基本、出ませんね。風呂は行きません。来てもいいし、一緒でもかまわないと言われてはいるんですが……その、ええと……艦娘っていうか、女の子が苦手でして。基本、没交渉、というか、書類上の関係というか、彼女たちとは殆ど会わないですね。たまに会うと、喋れなくなるんですよ。緊張し過ぎちゃって。執務室隣の私室に小さな浴槽がありますから、そこで手早く済ませます。たまに艦娘たちに連れられて混浴しているんですけどね、若い子はあっけらかんとしていてあけっぴろげで、おじさんはついていけません。若い提督に引き合わせようとしたら、滅茶苦茶怒られましたよ。これって、セクハラになっちゃうんですかねえ。最近の風潮もさっぱりわかりませんな。」
「あー、うちはお子ちゃま提督がエロガキだからな。毎晩、一緒に入ろう一緒に入ろうってうるさいぜ。俺、中身はおっさんなのによ。猿股やスパッツを穿いてたら怒るんだよ、あいつ。だけどよ、女物はすーすーすんだよな。隙あらば人の乳をちゅーちゅーするしよ。拳骨喰らわせても懲りやしねえ。まったく、困ったもんだぜ。あん? 別に嫌いじゃねえけどよ、あの歳で変態っぽいのはちょっとなあ。」
「当鎮守府は執務室隣の私室にも風呂がありますけれども、艦娘たちが呼びに来るのでいつも混浴ですね。むしろ、混浴しないと怒られます。訳がわかりません。……あれ? 着任日からずっとずっと混浴しているような……ああ、混浴していない日はないです。単身出張の時以外は。ええ、混浴しないと怒られるんですよ、私が。ええ、普通、提督が怒られるのはエロいことをしようとするからですよね? うちは逆です。しないから怒られるんです。なんだか理不尽な感じもしますが。え? まあ、その、美少女美人揃いですから、興奮しないことはないですよ。ははは、理屈を言われたらそうなのかもしれませんが、実際そんなことをしたら死んじゃうんじゃないですかね。全員嫁にしたら、その内腹上死しそうですが。え? ははは、それは都市伝説みたいなものです。そんなに出ませんよ。誰ですか、そんなことを言ったのは? 薄い本の中のエロい人じゃないんですから。そう言えば、そういう話をした時、艦娘たちが妙に落胆していましたね。どうして何回も出来ないんだと詰め寄られちゃって。仕方が無いので、大奥の話をしたら泣かれちゃって。あの時は実に大変でした。」