はこちん!   作:輪音

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UAが一〇万を突破しました。
皆様、本当にありがとうございます。
これからもぼちぼち頑張ります。


今回の話は、食事中に読まれるのは止めた方がいいと思います。
あと、虫がダメな方は読まれない方がいいかもしれません。 虫だけに無視した方が……なんちて。
今回は三四〇〇文字程あります。



CCⅩⅧ:クロスマカニトテン弐

 

 

時計の針は二二〇〇を回りました。

今日の日も残り二時間ほどで終わりを迎えます。

今日と明日との交差する前の、ほんのひととき。

冬木透さんの名曲『動乱』を背景に始まり ました、クロスマカニトテン。

これからの約一時間は、函館鎮守府の通信 室よりおっさん提督がラジオ番組を放送し ます。

どこに需要があるのかさっぱりわからない のですが、各方面から要望がありましたの で、今後も週一で放送予定です。

 

 

既に放送回数は八〇を超えました。

これも皆様の暖かいご支援あってのことです。

ここに深く御礼申し上げます。

今回も葉書が五〇〇通ほど届いています。

中には戦時中の切手を貼られた方もおられるようで、パラオを含む南方からも何通か届いています。

褪せた紙の質感がいいですね。

古風な文体なので、頑張って読ませていただきました。

あと、毎回お伝えしていますが、あまりに過激な内容ですと番組内で読むことが出来ません。

悪しからずご了承ください。

あまりにもエッチなのは、いけないと思います。

それでは一曲目。

李香蘭さんで『蘇州夜曲』。

お聴きください。

 

 

函館はまだまだ寒い日が続いていますが、昨日と今日は雨がよく降りました。

積もっていた雪も、どんどんと消えてゆきます。

なんだかはかなささえ感じますが、春の訪れが北の国にも届いているのでしょう。

お聞きください。

『雨に唄えば』。

 

 

こわい話をするのがこの『クロスマカニトテン』の恒例と言えるなんていわれていますが、そんなにちょくちょく金縛りに逢ったり都合よくホラーな展開になんてなりません。

まあ、大抵はちょっと妙な目に逢って後で嗚呼あれはなんてなったりならなかったりするものです。

劇的な展開なんて、『実際に』あるもんですかね?

夢で亡くなった方々に逢うというのは経験がありますが、誰とでも逢える訳ではありません。

懐かしさとさみしさとせつなさとの去来する夜と朝。

それは、刹那にも似た愛の交信なのかもしれません。

お聞きください。

那珂ちゃんの新曲で、『春の櫻に貴方を想う』。

 

 

北海道のお米はおいしいんですかとの問い合わせが時々ありますけれども、なまらおいしいですよ。

昔はあまりおいしくなかったそうですが、地球温暖化とたゆまぬ努力の結果としておいしいお米が作られるようになったそうです。

七飯町(ななえちょう)産のななつぼしや北斗市産のふっくりんこをよく食べていますが、なかなかおいしいですよ。

道南は北海道でも最初にお米を栽培した土地で、現在おいしい米どころにもなっています。ゆめぴりかも有名ですね。

北海道は現在日本の穀物供給地帯としての重要性が年々増していますから、道民も全力を挙げて日々奮闘しています。

いきなり大量に増産なんて実際には不可能ですから、毎日地道に努力するしかありません。

現実は、ネット小説のチート展開にはならないものです。

北海道のお米は品種が沢山ありますので、機会がありましたら食べ比べてみては如何でしょうか?

物産展でもお米の試食をしていますので、試されるのもいいかと存じます。

昔は安くて不味い『やっかいどうまい』などと揶揄されていましたが、不屈の道民パワーがそれらの悪評を駆逐したのだと考えると胸が熱くなります。

ところで、こういう悪口や陰口を叩く人ってなんなんですかね?

悪く言うだけなら誰にも出来るので、そうはなりたくないです。

お米と言えば、山形のつや姫もおいしいですし、長野県飯綱(いいづな)町や岡山県吉備中央町や島根県奥出雲町のお米もおいしいです。

近年は増産の甲斐あって、道産米も供給がかなり安定している模様です。

牛乳も減産指示が無くなったので、酪農家の方々も張り切っていますね。

運搬には艦娘たちが活躍していて、駆逐艦の需要が今後増えるでしょう。

配給券無しでも普通にお米を買えるって、ありがたいことだと考えます。

深海棲艦侵攻以前は食料の廃棄問題が大きく、恵方巻きを含む食べ物の扱いが取り沙汰されていましたが、コンビニエンスストア自体が激減してスーパーの惣菜がすぐ売り切れる現在ではまるでかなり昔の話みたいになっているようです。

あと、先月のことなのですが、魏呉蜀の三国や台湾の方々から日本の文房具が是非とも欲しいと言われ、ちょっと驚きました。

日本の文房具は世界一だと言われていたのは誇らしく思えると共に、なんだか少し照れくさかったです。

欧州の方々も日本の文房具を誉めておられましたね。

ありがたいことです。

それではここで一曲。

小林旭さんの『熱き心に』。

 

 

よその鎮守府泊地警備府へ出張で行く度、このラジオ番組の話題が出てきてありがたく思います。

ただ、どさくさに紛れておっちゃんをおさわりするのは止めてくださいね。

異性のお尻を馴れ馴れしく撫で上げる行為は、大変よろしくないことです。

無害な提督ばかりではありませんし、笑ってイタズラを許す人ばかりでもありません。

無邪気に密着したり、耳をなめてもいけません。

おっちゃんも男なので、大変困ってしまいます。

ちょっ、大淀さん、その剣はどこから出したんですか?

なにもありませんでしたから、大丈夫ですよ、大丈夫!

それはどこの基地ですか、って目がこわい目が!

貴女が錯乱してどうするんですか?

ええっと、次の曲に移りましょう!

それでは、加賀さんの『立待岬』。

あれ、どうしたんです、加賀教官?

え、生で歌われる?

まあ、いいですよ。

ええと、それではお聴きください。

ちょっと大淀さん、こっちへ!

戦艦級並びに重巡洋艦級艦娘で手の空いている方は、至急放送室まで!

別に全員轟沈させてもいいのでしょう、ってダメです、絶対ダメです!

 

 

ええと、先程お聴き苦しい点がありましたことをお詫び申し上げます。

お耳直しにちょっとこわい話を。

あれはですね、学生時代のアルバイト先であったことなんですが、その日倉庫で一人延々と二〇キロの米袋を開けては大型精米機に投入する作業をしていました。

で、その米袋の中には、時折虫が混ざっていましてね。

白い繭に包まれているんですよ。

某県産の米なんて、当時は本当に安かったらしく、今は違うと思うんですけど、まあ、その買い叩かれたらしい何年も前の米袋の中を確かめながら機械に投入していたらですね、先輩が来て、そんなに丁寧にやる必要は無いんだと米袋を開けて中身を確認しないまま……。

 

 

お米を買われる時は、産地がきちんと確認出来てあまり安過ぎないモノを買われた方がいいと思います。

安全安心のおいしい北海道米をよろしくお願いいたします。

と、道庁や道内の自治体の方々から宣伝を頼まれましたのでお知らせします。

函館鎮守府の公式サイトでも通販を受け付けていますので、そちらも併せてご覧ください。

また、函館鎮守府見学会通称『はこけん』の日程情報もそちらに記載されています。

道南の観光情報も満載ですし、人数が揃えば特別観光バスのご用意も可能です。

詳しくは公式サイトにてお確かめください。

以上、宣伝でした。

 

 

このラジオ番組は一般の方も聴かれているようですので、改めてご注意いたします。

中学生や高校生のお嬢さん、艦娘の恰好をしてもすぐに偽者と判明します。

危険行為ですので、そういったことを為さらないようにお願いいたします。

また、おっちゃんは冴えないアラフォーで女の子と付き合ったことさえない童貞なんです。

皆さんはおっちゃんを美化し過ぎです。

そんなにたいそうな人ではありません。

間違っても、おっちゃんのお嫁さんになりたいとかいう話は特に鎮守府見学会でしないでください。

ふざけて抱きついたり、チューされたりすると皆さんの生命に危険が及びます。

それでもいいわ、というのは無しにしてください。

一回でもいいから、というのもダメです。

命大事に、です!

なにとぞ貞操を大事になさってください。

以上、おっちゃんからのお願い事でした。

ちょ、大淀さん、暴れちゃダメですって!

えっと、キャンディーズの『やさしい悪魔』です。

お聴きください。

 

 

時計の針は二三〇〇を回ろうとしていま す。

そろそろ終わりの時間が近づいてきまし た。

皆さんに、よき明日が来ますように願って います。

それではまた次週、お会いいたしましょ う。

スクリプトは大淀さんと私、函館鎮守府の 提督でした。

本日最後の曲を流しながらお別れです。

家入(いえいり)レオさんで『春風』。

お聴きください。

 

 


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