はこちん!   作:輪音

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『合唱』ってこわいなあ。
他所でまた同じことを繰り返すのかなあ?
倫理無き輩が暗い笑みを浮かべるセカイ。
諸岡先生、今日も電脳世界は暴力的です。



CCⅩⅩⅠ:壊れかけの提督

 

 

 

駆逐艦二名と軽巡洋艦一名と重巡洋艦一名と軽空母二名とが罵りあっている。

いつものことだ。

こいつら、ホントに相当仲悪いなあ。

俺の世話がどうこうとか言っている。

輪番制にでもしたら、と言ったら専属がいいという。

俺は分割出来ないぞと言ったら、お互い分割するとか言い出した。

捻れているねえ。

仕方がないから全然別の艦娘を担当にしようとしたら、やめてください死んでしまいますと言われた。

それだけ元気なら、死なないと思うよ。

 

軽巡洋艦一名に砲口を向けられ、咆哮される。

なんて熱い激白なんだ。

思わずグッとくる。

いつ撃つんだろうと眺めていたら、彼女は真っ赤な顔をして去っていった。

がたがた震えながらも録画していた重巡洋艦からデータを貰う。

おお、きれいに撮れてんじゃん。

 

新規の建造なんて大型鎮守府の独占だし、戦闘後に海上で艦娘と邂逅出来る確率なんてごくごく僅かだ。

よって、艦娘は自分自身に合った鎮守府泊地警備府を求めて放浪する。

一時期は函館が大盛況だった。

最近は自らの性癖に合わないと悟る娘が増えてきたお陰で、その神通力は減少傾向にある。

そう、大本営は発表している。

『お試し着任』も増えてきた。

俺の鎮守府は三日もいたらいい方だ。

朝方真っ赤な顔で転属カッコカリしてきた娘が、夕方真っ青な顔で他所へ移ってしまう。

そろそろ、悪評が広まっている頃か?

 

誰とも寝ていないんだが、みんなが俺と寝たと言う。

なに、そういうのが流行ってんの?

 

切れた電球の取り替え。

来客用御手洗いの清掃。

鎮守府内のお掃除当番。

それを担当するのは俺。

きれいにするのが好き!

だがだがしかしおかし!

いつの間にか、艦娘たちにお株を奪われてしまった。

無念である。

 

お前たちは家族だと艦娘たちに言ったら、四六時中甘えてくるようになった。

何故か時折抗争が勃発しているが。

 

朝起きたら、下着姿の駆逐艦同士がパンクラチオンをやっていた。

狭い空間での死闘。

寝技の激しい応酬。

エロくて激しくて見応えがある。

これこれ、こういうのがいいんだよ。

でも、原因はなんだべや?

やれやれーっ! と両名を応援していたら程なく止めた。

えーっ、もっと見たかったのに。

やっぱ道場を増設しようかねえ。

 

軽空母三名と宅飲み。

料理上手な嫁が欲しいと言ったら、全員買い出しに出掛けて台所でなんか作り出した。

いずれも旨かったぞ。

 

どこかの紅茶戦艦が来訪。

うちの艦娘たちと争った。

なんで?

 

軽空母一名と給糧艦三名との熾烈な戦いが我が鎮守府の厨房で行われた。

皆でウマーウマーと食べる。

 

 

そんな日々を過ごしている。

あー、もうちょっと安定しないかねえ。

 

 


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