我らは提督の代理人
砲撃雷撃爆撃爆雷の業を遣う
死の運び手
我らが使命は
我が提督に逆らう愚者どもの
駄肉の最後の一片までも
絶滅させること
見敵必殺
見敵必殺だ
あらゆる敵を排除する
眼前の勢力を叩き潰す
それが我ら
あらゆる障害は
ただ進軍し
押し潰し粉砕する
すべては提督のために
シーサイドタウン。
ある温かい日の、晴れたアフタヌーン。
キキキッとサウンド弾けるブレーキ音。
ゴウランガ!
信じられない!
ショッギョ・ムッジョでマッポーめいた、このセカイ。
幼女を守ろうとしたオトナシ系オッサンに迫る、左ハンドルオーシューカー。
ナムアミダブツ!
オッサンは、アナザーワールドへテンセイテンイしてしまうのか?
またはハーレムドリームなセカンドライフを過ごしてしまうのか?
しかし!
「スーパーイナヅマキーック! なのです!」
ハイパープリティーな掛け声と共に繰り出された蹴撃の一撃が、悪しきジャーマンカーのエンジンを容赦なくぶち抜く!
シャーマンタンクなアーマーより薄いのだから、そんなモノをぶち抜くなんて簡単なお仕事。
颯爽と現れる駆逐艦二名。
それは大人気のろくちく。
「ドーモ、コーキューカーのオジサン。いなづまなのです。」
「ドーモ、コーキューカーのオジサン。いかづちよ。かみなりじゃないわ。そこんとこヨロシク。」
「アイエエエ! カンムス!? なんで、カンムス!?」
「カイシャクしてあげるわ! さあ、ハイクを詠みなさい!」
「悪は滅びるべきなのです!」
「アバババ!」
SAN値がごりごり削られてゆく、権威主義者でバブリーなコーキューカー男。
ジーザス!
既に逃げ場は無い。
「この暗黒運転行為。許せないのです。」
「そうね、この錨に怒りを込めましょ。」
「ナンデ! ナンデ! アクセルを踏み過ぎただけなのに!」
「「インガオホー! そこに慈悲は無い。」」
「許してください! 私には愛する青年たちも養っている少年たちもいるのです!」
「「ギルティ!」」
「男の子が好きで、なにが悪い!」
「論点はそこじゃないのですよ。」
「取り敢えずイッチャいなさい!」
「私が死んだら悲しむ者が多い!」
「欺瞞なのです!」
「嘘だわっ!」
「助けてください! そ、そうだ! 金を出そう! 幾ら欲しい?」
「「今! 必殺の! ろくちくアタック!」」
「ギャアアアッ!」
悪のコーキューカー男は倒された。
エクセレントな展開。
カンムスはジャスティスのために忍殺する、このマッポーワールドのガーディアン。
「助けていただきまして、ありがとうございました。」
礼を言うオッサン。
やさぐれた感じもあるアラフォーアンクル。
幼女は手を振りながら去った。
尊い。
ディープ・パープルなディープ・フリートが暴れまわる、デンジャラスゾーンなキルゾーン。
セイフティエリアに変えるべく、日夜カンムスたちはバトリングするのだ。
カンムスっぽいドーターも、カンムスみたいなガールスカウトも、カンムス風の服を着たモストデンジャラスなオッサンも、皆等しく美しく散る。
ローズのように美しく散る。
それこそがカンムスの定め。
死してシカバネ拾う者なし。
オッサンの人生相談に乗っていたカンムスたちは、ピタリと寄り添っている。
決してランナウェイさせまいとでもシンキングしているかの如く。
そして、彼女たちはオトナシ系オッサンに言った。
「『環境に文句を言う奴は一生晴れ舞台が来ない』、そう古事記にも書かれているわ。」
「平安時代の哲学剣士、ミヤモト・マサシもそういうことを言っているのです。」
「私になにか出来ることはあるでしょうか?」
「私たちと、チンチン・カモカモ関係になって欲しいのです。」
「そうね、チンチン・カモカモ関係になって、司令官になってくれたらそれだけでいいわ。」
「司令官?」
「大丈夫ですよ、司令官さん。私たちがいろいろ教えますから。」
「そうよ、暁や響が待っているから、さあ一緒に逝きましょう。」
カンムスめいた者たちに連れられ、中年男はその場を去った。
娘たちの行く先には廃屋しか無い。
うふふあははと楽しそうな娘たち。
やがて三つの影はひとつになった。
「私こと漣(さざなみ)は毎日ヤってますよ、毎日! ご主人様は朝夕野獣系十兵衛ですからね。もう、ムハッて感じですよ。ムハッと。こう。」
「はわわ、漣ちゃんがエロいのです。」
「提督ってとてもエッチなんですね。」
「あんた、手付きがイヤらしいわね。」
「なんでムラッツィは処女なんです?」
「なんでイタリア人みたいな名前になるのよ。無垢なふりして、ビー玉みたいな目付きで言わないで。吹雪と一緒だから、仕方ないでしょ。」
「叢雲ちゃん、姉妹艦なのに酷いよ。」
「あんた、パンツはばんばん見せているのになんで夜戦が奥手なのよ。」
「パンツは関係無いでしょう!」
「そう言えば、私、この間転んで提督にパンツを見られてしまいました。」
「大丈夫よ、パンツが見えてる仕様の艦娘はけっこういるんだから。」
「あの、皆さん、不思議に思われたことはないですか?」
「なによ、電(いなづま)。」
「どうして、私たちは初期艦として司令官さんたちの元に配属されているのでしょうか?」
「『はこちん!』だと、あたしたちが必ずしも初期艦とは限らないけどね。」
「叢雲ちゃん、メタになってるよ!」
「いいのよ、ここは本編じゃないんだから。」
「それで怒る人はこんな与汰話を読みませんて、フーキー。」
「なんだかルーキーみたいですね。それで私たちが初期艦になりやすい理由ってなんでしょう?」
「そりゃあもう、ご主人様とエッチな関係になっても大丈夫な面々だからですよ!」
「ちょっと桃色髪のピンク脳は黙って。」
「ムラッツィ、酷い!」
「薄い本みたいな考えは兎も角、提督と比較的親和性の高い艦娘が選ばれているんじゃないかしら?」
「そうですね、司令官を支えなくっちゃっていつも思っていますから。」
「司令官さんには頑張って欲しいから、私も頑張るのです。」
「そうね、提督に共感しやすくて書類作業能力が高くて辛抱強い子が選ばれるのよ、きっと。」
「ムラッツィは、ご主人様をどつき回すのが基本仕様じゃないの?」
「発破をかけている、って言ってちょうだい。」
「私はドジっ子ですが、常に提督のことを考えています。」
「ほー、じゃあサミーはご主人様のあーんなことやこーんなことも考えているんだね。デュフフフ。」
「あーんなことやこーんなことって、なんなのですか?」
「ぐはあっ! イナッツィのつぶらな瞳に浄化されそうやで!」
「大体、駆逐艦に興奮する提督なんてそんなにいないでしょ。」
「「「「えっ?」」」」
「えっ?」