先ずは横須賀第二鎮守府の霞が登場する。
彼女は戦闘がたまらなく好きな駆逐艦だ。
同じく戦闘大好きな赤城と組んで普通っぽい吹雪を巻き込み、三名体制で状況に応じて軽巡洋艦だの軽空母だの駆逐艦ズを足している。
作れる料理はおにぎりのみで、大抵赤城の腹に収まる。
最近は新開発された二〇.三センチ低反動単装砲を愛用。
次に函館鎮守府の霞が登場する。
彼女は他の艦娘たちと共に解体寸前になる予定だったところを、出来立てほやほやの大淀によって書類改竄されて函館へ転属した。
料理は提督の影響でいろいろと作れる。
最も得意な料理はシャケ入りおにぎり。
最期に登場するのは北信在住の元霞。
現役の『駆逐艦愛好会』会長である。
信州在住の元艦娘たちの元締めであり、中身はおっさんだが性格はかなり霞になりつつある。
定食屋の元息子で現在看板娘のため、料理はかなり上手。
あまったご飯はおにぎりよ!
三名の霞が函館に集結した。
『最強霞ママ決定戦』という催しのためである。
ちなみに、他の霞は全員参加を拒否した。
霞まみれを期待していた者は老若男女艦娘を問わず、がっかりする結果であった。
参加した三名とも異口同音に「くだらないわね!」と言い放ったが、横須賀の霞は特に負けん気が強いので挑発に対し「ふん、あんたの挑発に仕方なく乗ってあげるわ。感謝しなさい。あたしが最強の霞であることを証明してあげるわ!」とのたまった。
函館の霞は同姿艦の中でも比較的慎重で穏健な方だが、やはり挑発に対して「そこまで言うなら、見ていなさい。あたしが最強の霞であることを教えてあげるわ!」とのたまった。
信州の霞は金にならないことが特に嫌いなので、賭けをしている胴元にねじ込んだ。
「あたしはどの霞が勝とうと興味ないけど、無駄足になるとか損になるとかは特に嫌いなの。わかるわよね? ね? ね?」
そして、『最強霞ママ決定戦』が開始された。
どこぞよりか『駆逐艦愛好会』の面々に艦娘マニアに美少女大好き大好きおっちゃんだのがわんさか集まってきて、函館鎮守府前の広場は鈴鳴りの人々で溢れんばかりになった。
霞ママ三名はお互いへの挑発と罵倒から戦いを始め、やがてそれは実際に手足を使った行動へと移り変わる。
艦娘の艦種的に最も血の気が多く、武闘派が揃っていると言われる駆逐艦。
外面のあどけなさは内面に於いてもそうだと言えるが、一旦戦闘になれば勇猛果敢な闘士となる彼女たちに対して興奮する艦娘が続出する。
やがて、興奮した彼女たちは霞ママたちへの胸キュン的な要素を秘めつつ参戦するようになった。
居合わせた提督たちや憲兵たちはそれを阻止しようと試みたが、地力がまるで異なることからそれは上手くいかなかった。
結局、大淀や足柄や夕雲型駆逐艦などの彼女を好き過ぎる艦娘たちの乱入で大会はしっちゃかめっちゃかとなり、誰が最強の霞なのかわからなくなった。
仕方がないので、みんなで林檎のパイを食べて解散と相成った。
とっぺんぱらり。