カンムスたちはテイトクサンと
ヒトツになりたくて
シカタありません
しかし
テイトクサンとヒトツになったら
そのヒから
クルシミはハッセイします
ナンメイもナンメイも
オクサンになるユエに
テイトクサン
テイトクサン
ツリーを
ツリーを
おおきくして
テイトクサン
テイトクサン
ひっそりと
テイトクサン
テイトクサン
いつも
いつも
ナンコウフラク
クリスマス、という訳でいつもの浅漬けを大量に仕込んだ。
独り身の艦娘が大挙するからである。
鶏のカレー煮も沢山作らないとなあ。
茨城産の落花生をぽりぽりぽりんきーといただきつつ、秋田のマタギな林檎ジュースをちびちび飲んで、書類の決裁をしたり、何故か百足(むかで)の絵の旗指物を背に差した伝令たちから報告を受けたり指示を飛ばしたりしながら、庄内米や奥出雲の米や魚沼の米で作られた餅の個数を確かめてゆく。
小豆は七飯町(ななえちょう)のものが手に入ったし、岡山のササゲも入手出来たのでお汁粉は沢山作れるだろう。
食糧の貯蔵は充分にしておきたい。
バビロンの宝物庫のように。
鳳翔と間宮がクリスマスケーキやブッシュ・ド・ノエルやシュトレンなシュトーレンやビスケットなヴィスコッティやクッキーやお饅頭などを作り、ミニスカサンタ仕様の艦娘たちが鎮守府内を駆け回る。
自分自身を艦娘だと思い込んでいる娘たちが、きらきらした眼で屋内の飾り付けをしていた。
来年には、彼女たちを普通の女の子にしなくてはならない。
『小豆ちゃん』とも呼称される彼女たちの代表者から話しかけられ、なるべく冷静に聞こえるように答える。
どうにかならないか。
なんとかならないか。
そんなことを考えながら。
雪がはらはら降っている。
俗に言う、ホワイトクリスマスになりそうだ。
風が冷たい。
北の国の寒さは、底冷えする程だからなあ。
さくさくざくざくと凍った道を歩いてゆく。
びゅううといきなり突風が吹いてきて、ついついよろけそうになってきた。
しかし、倒れそうになった私は大変やわらかいモノたちに支えられている。
それは艦娘。
戦のためにこの世へ顕現した、戦闘艦艇の魂を持つ娘たちだ。
「なによろけてんのよ。あんたが怪我したら、この鎮守府の機能は停止するんだからもっともっと自分自身の重要性を認識しなさい。」
「そうよ、なんちゃって提督。あたしの夫になる男が注意散漫だなんて笑い話にもならないわ。怪我なく事故なく安全第一が大切よ。」
「叢雲(むらくも)と曙の言う通りよ。私の旦那がおっちょこちょいだなんて笑い話にもならないんだし、ガンガン攻める姿勢くらいで丁度いいの。艦娘に気遣い過ぎるとダメになっちゃうわよ。」
駆逐艦三名と共に、光の輪の中へ入ってゆく。
やさしい音のする、輪の中に。
笑顔に満ちた、戦闘娘の中に。