丸山君は函館在住の中学三年生。
今春には高校一年生になります。
たまに自称暗黒少年になります。
妹と共に世界征服を夢見ました。
最近妹はオシャレに邁進中です。
兄妹の仲も変化しつつあります。
団地で父母妹と一緒の生活です。
団地妻に大興奮する男の子です。
丸山克弥君は近所のエロエロな鍛蜜お姉さんと大人の階段を昇りかけては、いつもいつも失敗しています。
なんとか一緒にお風呂に入ることは出来るのですけれども、そこから先がなかなか思うようにいきません。
少年の夢は、今も提督になって沢山の艦娘たちとケッコンすることです。
函館鎮守府に行ってから、更に提督になりたくてたまらなくなりました。
たまにあることですね。
がんばれ、丸山克弥君。
妄想するのは、誰でも自由に出来得る行為だし。
丸山君が入学するのは元女子高だった学校です。
今年から、男子も入学出来ることになりました。
比率はおよそ九対一。
ハーレムだなんて、彼は思いもしません。
だって、ハーレムを構築するのは提督になってからと決めていますから。
女の子たちから頻繁に話しかけられ、どっきんばくばくする未来が発生するだなんて彼は想像すらしていないでしょう。
風の強いある日。
雪がちらつく程度の、最高気温が氷点下二度か摂氏零度くらいの午後。
函館市役所では、北海道主催の妖精検査が行われています。
やや薄暗い屋内で、丸山君は他の受診者を素早く見つめました。
スカウター・オン!
マルヤマ・アイの発動です。
すべての悪を見通せる力があると、何故だか丸山君が信じている眼力。
信じる者は救われる。
丸山君がじーっと見たところ、悪い人はいないみたいです。
見た目だけだったら、悪い人はわかりにくいんですけどね。
本当に悪い人は、やさしい顔をしてけっして怒鳴りません。
嘘つきや悪党変態は、ちょっと見にはわからないものです。
気をつけてね、丸山君。
後方防御も大切ですよ。
さあ、いよいよ丸山君の番が来ました。
どきどきばくばくと心臓が轟きました。
「おいは恥ずかしか。」
何故か、チェストな感じで彼は呟きます。
まだ、誤チェストにはなっていませんよ。
「あちらは最強、四大鎮守府艦娘赤備え。相手にとって不足なし。命捨てがまるは今ぞ。」
独り呟いて、彼は扉を睨み付けます。
さあ、ここが丸山君の正念場ですね。
「こいは合戦ぞ。首の掻き合いに道理なぞあらんど。使える手ぇば何でん叩っ込まねば、相手に申し訳ばなかど。」
何故か薩摩言葉を独りごちながら、少年は重厚な扉に手をかけます。
はてさて、その先にはいったいなにが待ち受けているのでしょうか。
「くくく、この右手に封印されし暗黒の呪法が解放を求めてうずいているぞ。左目の邪眼が開かないように第三までの封印を強化しないとな。テクマクマヤコン、テクマクマヤコン。」
かちゃり。
かくて運命の扉は開かれました。