後に「心綺楼」という能楽で親しまれていった宗教戦争。
これは、その前の話。

一人の道教を信仰する道士が、人心掌握に悩むお話。

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東方神霊廟その後、心綺楼の神子ストーリーの話です。
この小説は、神子さんが人心を掌握する為にはどうしたら良いか、悩むだけの小説です。
東方projectを知らない方は観覧を控えた方が宜しいかと思われます。
後、神霊廟組大好きの方は、キャラ崩壊を覚悟出来ない方だけ観覧を控えた方が宜しいかと思われます。

ゆっくりしていってね!


東方尸解仙鬱

「……はあ。」

神子は一つ溜め息をついた。

 

人里は今、希望が失われつつあった。

「人心を掌握出来るのは、私しか居ない!」

誰もが、どの宗教家もがそう考えたのだ。

……しかし。

昼の騒ぎ様を見た宗教家達は、何故、何時希望が失われているのかが分からないでいた。

 

そこで、神子は溜め息をついていたのである。

「…………」

ただただ、青空を眺める事しか出来なかった。

「………行くか。」

悩んでいても仕方がない、行動するしか無いのだ。

神子は周りに宗教家が居ない事を確かめると

人里に出かけて行った。

 

人里に向かう途中の森の中。

神子は神子に化けていたマミゾウに出会った。

勿論、そんな事は許す筈が無く倒したが。

「降参じゃ。これ以上は明日に響く」

「……これに懲りたら二度と私の真似をしない事だな」

「それより、いい事を教えてやろう。」

 

「夜に人里は希望が失われている………か。」

神子はマミゾウから聞いた話を元に、夜になるのを待った。

 

 

夜になった。

人里は昼の様子とは違い、静まり返っている。

あまりにもの不気味さに、神子は恐怖した。

……人が完全に出歩いていないという訳では無いみたいだが。

神子は、偶然通り掛かった人里の人間に話し掛けた。

……が、聞く耳を持たず去って行った。

神子は不思議に思い、もう一度話し掛けた。

……が、やはり聞く耳を持たず去って行った。

神子は遂にしびれを切らし、人里の人間を追い、捕まえた。

「何故無視するんだ?お前は人に会ったら必ず挨拶をする人間だっただろう。」

と、問うたが、返ってきた返事は

「挨拶を沢山したら……ウザがられるかもしれないんだ。それが怖くて………」

「私は君に挨拶をされた位で怒ったりはしない。幾らでもするが良い。」

「貴方は本当に優しい方だ。……でも、他の人はきっと……」

いつも鬱陶しい位に挨拶をする人間が、大人しくなっている。

……希望が失われつつあるのか?

そもそも、希望とは一体何なんだろうか。

 

「…………」

神子は必死に考えた。

しかし、出てきた答えは未来に望みをかける事。

その答えしか出てこないのだ。

……本当にそれでいいのだろうか。

「じゃあ私はこれで。」

人里の人間は去って行った。

「……どうせ、明日になったら死んでますから」

そう言い残して。

神子は人間を追い掛けた。

そして人間をまた捕まえた。

「………待て。」

神子は落ち着いて人間に聞いた。

「私に……私に何か出来る事は無いかしら?」

 

人間は、始めは驚いたが、次第に落ち着いた。

「……無いですね。特に」

そう言い残して去ろうとした。

が、神子に止められる。

「そうだ。何か好きな事は無いか?一緒にやろう」

そう何度も語りかけて来るもんで、仕方無く人間は

「……好きな事は本を読む事ですね。鈴奈庵に行ってよく借りに行ってます。」

「そうか、私も書物は大好きだ。一緒に読むか」

そう言って、神子は仙界への道を開けた。

「うわあ!?」

人間は始めて見る仙界に、ただただ驚いていた。

「何をしている、早くしろ」

そう言い残して神子は先に行ってしまった。

人間は訳が分からず、取り敢えず仙界に飛び込んだ。

 

仙界には、神霊廟が大きく佇んでいた。

神子は、中に招き入れると本を取り出した。

「……これで良いか?」

と、二冊の本を人間の横に置いた。

外の世界の住民には縁の無い文字で書かれている。

「ありがとうございます。」

そう言って、人間は本を読み始めた。

 

熱心に本を読み始めると、時間が経つのは早いものである。

「太子ー、間食出来たけど」

台所から屠自古の声がした。

「ああ、そこに置いといて下さい。あ、後それから人里の人間の分もお願い致します。」

「やってやんよ」

そう言うと屠自古は台所に戻って行った。

 

 

「……ところで」

「はい?」

「何でそこまでして僕に構うんですか。」

「希望を失いかけていたからです。貴方が希望を失ったら誰が人里の人々に挨拶するんですか。」

「………」

「……そういえば、まだ名前を聞いていませんでしたね。」

「………小野拓也。」

「小野……懐かしいな。」

「何でですか?」

「いや、こっちの話だよ。それより私の名前を名乗らないと」

「あ、いえいえいいですよ。貴方の事は人里の皆が噂してますから知ってます。」

「……そうか。」

「豊聡耳……神子さんですよね?」

「……そうだ。」

「良かったぁ~、合ってて。」

「?」

「忘れちゃうんですよね、名前」

「ははっ。人の名前はしっかり覚えておかないと失礼だからな?」

「分かってますよ。」

拓也の希望が少しずつ取り戻されつつある。

……様な気がした神子なのだった。

 

 

翌日。

「神子!今日こそは負けないわよっ!!」

「………やれやれ、やりますかね!!」

終わる事の無い宗教戦争。

今日は、昨日負けてしまった霊夢がまた挑みに来た。

昨日、希望を少しずつ取り戻した人間も来ていた。

「拓也~、お前はどっちに賭けんだよ?」

「勿論………霊夢さん!!」

「やっぱりか~、お前霊夢さん好きだもんな!!」

(本当は神子さんに票を入れたけど。)

 

 

夜になった。

人里は相変わらず静まり返っている。

今日も神子はまた人々の希望を取り戻している。

何人の希望を取り戻したのか。

……それはまた、別の話。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。
感想、御待ちしております(*≧∀≦*)
あ、この小説は続編を書く予定です。

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