【艦隊これくしょん】 空谷の跫音 作:ビーター/beater channel
他の鎮守府。
(名前が決まってないなんて言えない…)
いつもならばここは穏やかな風が吹く。
が、今日は台風に匹敵するほどの勢いがあった。
まるで、誰かがブチ切れているかのように…。
「おんどれ…。あんの青二才は、何ばしょっとかー⁈」
そう。
カンカンなのは、”他の鎮守府”の司令さん…
「あ”ぁん⁈」
し……、司令様。
ええーっと、司令様は、陽炎からの連絡が途絶えた件についてものすごくカンカンなのでした。
「艦娘の諸君!耳をかっぽじってよく聞け!陽炎がクソ青二才と交戦中だァ…。行きたいものは各自で”クソ鎮守府”に向かうように⁈」(被害妄想強めです)
と、口が悪い司令様から発せられた、陽炎に対する心配その他もろもろが、間接的(ここ重要)に伝わってくる言葉でした。
ーーー
司令様はいつもあんな状態だ。
したがって、艦娘たちがしっかりしていかなければならない。
それがここのルール。
なので、いつものように作戦会議が起きる…、ハズだった。
「やっぱり全員で行く訳にはいかんのでェ、出撃命令をくだすゥ!」
【出撃メンバー】
第14駆逐隊
+不知火
言い返す内容がなかった。
どうやら今日の司令の…、
「あ”ぁん⁈」
…司令様の意見は、珍しく的を得ているようだ。
ヤベェ…、今日、大雨でも降るんじゃね?
ーーー
急遽組まれたこの臨時隊。
いくらクソ小説配信者でも一言でいい表せる。
めっさ乱れてんねん‼︎
特に曙と不知火との口論がやばかった。
「ちょっとあんた⁈勝手に一人で行きなさいよ‼︎」
と、これは曙。
どうやら陽炎と同じ型の不知火に対して、ヤキモチ的な何かを抱いているらしい。
「それはできない。司令の命令違反になってしまう…。」
と、こちらは不知火。
口論はまだ続く。
「あー、そう。それなら直球でいうわ。うっとおしいから私の視界から消えなさい。あるいは、私が直々に消してあげるわ‼︎」
「不知火に落ち度でも?」
潮、長月、霰、皐月は、早く終わらないかと見守ることしかできなかった。
ーーー
”クソ鎮守府”。
ようやく見えてきた。
私たちが来ることは知られていないだろう。
したがって、こっそりと上陸し、こっそりと作戦を遂行した。
作戦。
特別何かをやれ、みたいなことではない。
陽炎との通信が途絶えたところを中心として、半径500mのところをバレない様にくまなく探せ。
というものだった。
そう。
シンプルイズベスト。
しかし、そのシンプルさが、かえってわたしを不安と恐怖に陥れる。
と、潮は考えていた。
だからか、誰かの足音が聞こえてきているというのに、恐怖で足が動かない。
それに、いまは単独。
誰にも助けを求められない。
必死で息を殺すことしかできなかった。
*
「さてと、あの陽炎型2人をどう始末したものか…。」
司令は考え事をしていた。
だが、その考え事は長くは続かない。
なぜならば、この廊下の前方に見える、十字路。
その左角に、見えるみえるはおそらく綾波型のスカートであろう一部。
ここで司令はあるアイデアが脳裏をよぎる。
「あー、そうそう⁈あの陽炎型の2人なんだけどなァ、私の司令室の”机の下”に隠されたドアの向こう。そこに閉じ込めてあるぜ。」
司令は、十字路に耳を澄ませた。
さらに浅く、感覚の早くなった呼吸が聞こえてくる。
それを聞いた司令は、満足そうな表情を浮かべると
「こうしちゃおれない。」
的な雰囲気で、即座に司令室へ帰っていった。
第7話はバイオレンスチビが担当予定です。
ーURLー
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