【艦隊これくしょん】 空谷の跫音 作:ビーター/beater channel
クッソ鎮守府の建物が脆いおかげで助かった。
そのおかげで、陽炎、潮、雪風を助け出すことに成功した。
そこまでは順調だった。
順調過ぎてきみが悪いくらいだ。
が、悲劇の事実が発覚する。
考えてもみろ。
一応アレでも鎮守府と名乗っているんだ。
所属している(た)艦娘が雪風なだけということがある訳あるまい。
それに、力を持っている艦娘も多くいる。
あの暴力沙汰が表に出ていれば、暴露されて、クッソ鎮守府が酷い有様になるのは誰でも予想できるだろう。
が、今の今まで発見されてこなかった。
てことは、クッソ鎮守府全体で隠蔽していたという可能性が上がってくる。
(という事に今更ながら筆者は気付きました)
ーーー
ここは、
雪風救出作戦に参加していたメンバー+雪風が、筋肉パンパンの馬に思いっきり蹴られたかの様にのびている提督が起きる前に、この場を立ち去ろうとしている所…。
「あの…、ありがとうございました。」
「雪風。お礼は脱出してからにしてちょうだい。」
陽炎は雪風の口を手で覆う。
「すびばせん…。」
ハムスターの様に、雪風は頬を膨らます。
今までの絶望に満ちた感情が彼女から消えていることが、表情からよく分かるようになった。
大の大人が大の字でのびている横を静かに抜け、脆くって床が抜けそうな難所を抜け、港までたどり着いた所…、
又しても絶望に襲われる。
「ここの床が濡れていますわ、お姉さま。てことはこれは侵入者の痕跡ではないでしょうか?」
「お〜ぅ!流石我が妹たちネ!」
恐らく姉妹艦であろうか。
姉であろう方が、妹であろう方に抱き付いた⁈
「羨ましい…。」
そのやり取りを、羨ましそうに横から眺める方もいる。
「なんてマイペースな人達なんだろう…。」
呆れていた。
しかし、その呆れは、同時に脱出が不可能にまた近くなったことを示していた。
ーーー
こちらは陽炎達が出発してきた鎮守府。
ここでは、また新しい艦娘がクッソ鎮守府に向かおうとしていた。
「では、行ってきます。」
「おう!あのクソ提督に一発ぶちかましてこいよ。」
「相変わらず、仲がよろしいんですね。」
「んあ?んなこたぁねーよ。俺の中であいつぁ指折りの胸糞悪い奴だぜ?」
「でも、”喧嘩するほど仲が良い”ってよく言うじゃないですか。」
提督は何かを想像したのか、吐きそうになった。
どうやら体が拒絶反応を起こした様だ。
「あらかさまに、そんな否定しなくても…。」
こんな微笑ましい会話をする彼女と提督。
しかし、彼女が数時間に大きな事件を起こすとは誰も予想していなかった。