食蜂は誰かに叩かれているような気がして目を覚ました。
「ここは・・・」
「おっ、やっと気づいたかにゃー」
食蜂が振り向くと、そこには見知らぬ男が立っていた。
否、知らないと言うのは正確ではない。なぜなら数時間前に食蜂はこの男と戦っていたのだから。
そして、食蜂はこの男を知っていた。気絶する寸前、能力を使って記憶を改ざんすると同時にこの男の情報を盗んだからだ。
「あなた、土御門元春さんで合っていたかしら?」
「やっぱりお見通しかにゃー。ま、その能力なら敵の情報収集なんて朝飯前か」
土御門は呑気に笑っている。数時間前に自分たちが死闘を繰り広げていたとも知らずに。
それを見て食蜂は思う。
(記憶を失っていても、いつ思い出すか分からないわね。いや、もう思いだしてるかも。敵は能力者殺しだから、記憶の復元くらい訳ないでしょう)
食蜂は結論を出す。
(この状況、どう見てもこっちが不利ね)
食蜂はポケットからリモコンを出し、土御門に向けようとした。先手必勝。これで土御門の記憶を改ざんし、自分の手駒にすればいい。
だが・・・
ポケットには何もなかった。
「俺がその可能性を考えてないとでも思ったか?」
土御門がポケットから食蜂のリモコンを出して呆れたように言った。
食蜂の顔が青ざめた。リモコンを取られたことではない。リモコン無しでも能力は使える。問題は食蜂の能力が効かない事だ。
(なんで・・・何でこの男は、私の能力が効かないのよ・・・)
リモコンを取られている事は大体予想がついた。食蜂が土御門の立場なら同じ事をしていたからだ。リモコンはあればラッキーという気持ちでポケットから取り出そうとしたに過ぎない。それに無くても人一人操るくらい訳ない。
それなのに、だ。
この男は食蜂の『能力』を無効化した。
(どうして、どうしてどうしてどうして!?どうして私の能力が効かないの!?)
見たところ、土御門は対能力者の装備をしていない。つまり、本来なら食蜂の攻撃をもろに喰らうはずだ。
それなのに喰らっていない。食蜂が命令していないのに勝手に喋っている。その事実こそが、土御門が操られていない証拠だ。
「な、なんで・・・」
食蜂は呟いた。すると土御門は耳から何かを外した。それはインカムだった。
「このインカムから流れている音楽は、精神系能力者の能力を無効化する力を持つ。俺が何の準備もしていないでお前に挑むとでも思ったか?」
「あ・あああ・・・」
食蜂はその場に崩れ落ちた。そんな道具を使われたら勝ち目はない。完敗だ。
そんな食蜂の前に、手が一本差し伸べられた。
相手は当然、土御門だ。
彼は言う。
「俺と、手を組まないか?」
非常に文章力がなく申し訳こざいません。実は諸事情でいつも使っているPCが使えませんでした。しかし読者の皆様を待たせるわけにはいかないと思い、違う機種で作成したところ、非常に使いづらく、文章を作るので精一杯でした。今回限りなのでどうぞお許し下さい。本当に、申し訳こざいませんでした。