カカカッ‼
5階の部屋に、リモコンの音が響き渡る。
学園都市第五位、食蜂操祈のリモコンからなる音だ。
彼女はリモコンをバトンのようにくるくると回し、能力を使っていた。
『印象操作/食蜂操祈は味方。彼女を狙う者は優先して排除しろ』
『徹底排除/そこに居る金髪の少年は有力な助っ人。彼の邪魔をしないように道を開けろ』
『標的誤認/攻撃すべき対象、土御門元春とは隣に居る少年だ』
「悪いな、食蜂。助けてもらって」
「いいのよ。そんな事より大事な妹さんを助けに行くんでしょ、私の騎士様」
「ああ。じゃあ行くか」
何故現在土御門達が戦っているか。
その理由は天井にある。さっき出てきたスキルアウトは倒したのだが、まだ数人天井に張り付くという予想外の行動を取っていたため、さらに戦うことになったのだ。
「よし。じゃあ開けるぞ」
「ちょっと待ちなさい」
「どうした」
「そこのあなた。ちょっと来なさい」
食蜂は近くに居た『印象操作』にかかったスキルアウトの少女を呼んだ。
「どうした?食蜂」
土御門が聞いたが、食蜂は答えなかった。土御門を無視して少女に聞く。
「ねえ君。この部屋の外にどんな罠が仕掛けられてるか知ってる」
「おいおい知ってるわけないだろ。そいつは天井に隠れてたんだ。それに君って・・・お前中学生だろ」
土御門が口を挟む。食蜂は言い返す。
「あら。胸だけなら私の方が先輩よ」
「それは発育の問題だろ・・・。話は戻るがそいつは多分この部屋の外にあるトラップなんて―――」
「知ってます」
「まあ。本当?」
「マジかよ!」
「はい。食蜂様が教えて欲しいというのなら教えますが・・・そこの男は聞かないでください。私と食蜂様とのお話の邪魔ですので」
「だって土御門君。席を外してくれるかしら」
「はいはい。分かったよ」
土御門は食蜂達から5メートルほど離れ、拳銃のメンテナンスを始めた。
「で、どんな罠が仕掛けられてるのかしら」
「それはですね、食蜂様」
「うんうん」
「学園都市統括理事会の一人である貝積継敏のブレイン、雲川芹亜さんです」
「・・・何ですって?」
「おい食蜂‼お前の能力が切れてるぞ!どういう事だ?」
「私と食蜂様のお話に、邪魔をするな!」
「・・・すまん」
こんな事でこの少女を怒らせても意味がないと判断したのだろう、土御門は素直に謝った。
「・・・ふん。分かればいいのです。食蜂様、どうかなさいましたか?」
「・・・・・」
「食蜂様?」
「あ、えっと、どうしたの?」
「大丈夫ですか?何だか、難しそうな顔をしていましたよ?」
「あ、いや、何でもないわ。それじゃあ土御門君、行きましょうか」
「あ、ああ。そうだな」
土御門は突進して来た男の顔面に肘打ちを喰らわせながら答えた。何らかの理由で食蜂の能力が切れたため、彼は二人の会話中ずっと食蜂を守っていたのだ。
「で、罠とは?」
「それが厄介なのよぉ」
「ほお。超能力者のお前が厄介と言うとはな」
学園都市統括理事会の一人、貝積継敏って居るでしょ」
「ああ。あいつか」
「じゃあ、そいつのブレインと言えば?」
「・・・まさか」
「そう、そのまさかよ」
「学園都市統括理事会の一人、貝塚継敏のブレイン、雲川芹亜。能力は人心の『掌握』。お前と似たような能力だな」
「全然違うわよ。私の能力は相手の精神、記憶を操作する能力。彼女は相手の心理を読む能力」
「正確に言うと後者は能力ではないがな」
「そんな事分かってるわよ。ほら、行くわよ」
「了解した」
次回、食蜂、土御門vs雲川芹亜‼(いつになるかは分かりませんが)
お見逃しなく‼