とある超能力者達の脱出ゲーム   作:桐原聖

23 / 24
 一か月近くも開けてしまい申し訳ございませんでした。
不定期で更新しますので、どうぞ温かい目で見守ってください


削板危機一髪

「・・・マジかよ」

 

 削板の口から呟きが漏れた。

 

 今彼が居るのは一階。最初にみんなが集まった場所だ。

彼の担当はそこだった。

 

「どうするんだ、これ」

 

 だが、何を間違えたのか壁にあったボタンを押してしまい、階段に続く扉が閉じてしまったのだ。

 さらに、『復元能力デス』という声が聞こえ、部屋が一瞬ぐにゃりと歪んだかと思うと、壁に空いていた穴や壊れていた椅子などが『復元』していた。壁は元の状態に戻り、壊れた椅子は新品同然に戻っていた。

 

「何か、脱出する方法があるはずだ。それを探さないと」

 

 その時、照明が消えた。敵が来たかと身構えるものの、特に何も起こらない。

 

「何だったんだろう、今の」

 

 首を傾げながら近くにあった壁に手をつく。その瞬間、カチッという音がして削板は慌てて壁から手を放した。

 

 機械の駆動音がする。壁が下に下がっていき、代わりの壁が浮上してくる。

 

「うわっ、な、何だ?」

 

 意味が分からない。その時、照明がついた。

 

「・・・・・・え?」

 

 目の前の光景が信じられなかった。

 

 そこは、どこかの家のリビングだった。ソファがあり、テレビがあり、カーペットが敷いてあり、まるで誰かの家の風景をそのまま持ってきたようだった。

「何だ、これ?」

 

 目の前の光景に対する率直な感想を述べる。物理法則を無視している。たしかに超能力も物理法則を無視してはいるが、いくら何でもこれは凄い。

 

『喜んでくれて嬉しいよ、学園都市第七位、削板軍覇くん』

 

 突然スピーカーから能力者殺しの声が聞こえ、削板は振り返った。スピーカーからとはいえ、突然声が聞こえるのは心臓に悪い。

 

「おいゲームマスター。一体どうなってんだ、これ」

 

『どうなってるんだって言われても、見た通りだけど』

 

「それじゃ分かんねえよ」

 

『ああすまない。君なら理解できると思ったんだけどね。気付いてるんだろう?このゲームのカラクリを』

 

「何の話だ?」

 

『おやすまない。今のは忘れてくれ。それにしても、ここまでヒントを上げても分からないとは・・・』

 

「ごちゃごちゃ言ってないで説明しろ」

 

『あ、すっかり忘れてた。すまない』

 

「で、一体何なんだ、これは」

 

『これはね、脱出ゲームなんだよ』

 

「脱出ゲーム?」

 

『ああそうさ。君はあのスイッチを押してしまった。あのスイッチを1回押すと、扉が閉まり、照明が消える。2回目に押すと、今度は部屋が切り替わってこの部屋になるのさ。あ、ちなみにこの部屋に切り替わってから30分立つと、自動的に爆発するから気を付けてね』

 

「マジか!」

 

『じゃあ僕はこの辺で。じゃあね』

 

 ブツッという音がする。おそらくマイクの電源を切ったのだろう。だが削板はそれどころではない。

 

 あと30分以内に脱出しなければ死ぬ。早く脱出しなければ。

 

 削板は深呼吸すると、何か使える物が無いか探し始めた。

 




次回は垣根vs雲川か、一方通行vs麦野です。
お楽しみに‼
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。