とある超能力者達の脱出ゲーム   作:桐原聖

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 今回は一方通行です。お楽しみに!


ゲーム開始

 一方通行は一階を調べていた。特に脱出のヒントになりそうな物は無い。

「チッ、この階は外れか。」

 一方通行がそう言った瞬間、ゴトリ、という音がした。一方通行が慌てて振り返ると、麦野の姿が見当たらない。一方通行は電極のスイッチを切り替えると、辺りを見回した。すると天井のスピーカーから声が聞こえてきた。

『元気かなあ?アクセラレータ。』

 一方通行が知る限りこの声は一人しかいない。

「オイオイ、何で生きてンだよ、キハラ君よォ?」

『お前さあ、俺の事ぶっ飛ばした後、死体確認してないだろ?あれ実はな、あん時俺まだ生きてたんだよ。で、能力者殺しがひん死状態の俺を助けてくれたってわけ。という訳でさっさと俺の元に来いよ、クソガキ。今度こそ潰してやる。』

「ビビッてんじゃねえよマゾ太君。どうせ場所分かってンだろ?そっちから来やがれ。」

『テメェ、覚えとけよ。』

 そう言ってスピーカーは切れた。一方通行は電極のスイッチを通常モードに戻すと、捜索を再開した。すると何かが落ちているのが見えた。拾ってみるとそれは針金だった。一方通行はそれをポケットに入れた。その時、視界の端に何かが映った。一方通行がその方向を見ると、それは人間の手だった。床が、凄まじい量の血で濡れている。一方通行が拾い上げてみると、それは紛れもない、麦野の左手だった。垣根と戦った時に吹っ飛んだ物だろう。一方通行はそれをそこら辺に投げようとした。すると異変に気が付いた。妙に軽すぎる。人間の手にしては、軽すぎるのだ。しかしこの光景を見ると、一方通行が麦野を殺したと勘違いされてもおかしくない。床には大量の血、麦野はいない、そして手に麦野の左手を持っていては、疑われても仕方がない。一方通行はもう少しその手を調べたかったが、仕方なく電極のスイッチを切り替えると、その手を粉々にした。その時、部屋の電気が消えた。そして電撃が一方通行の方に飛んできた。一方通行はこれを軽く反射する。すると今度は鉄釘が一方通行の方に飛んできた。これも軽く反射した。そして反射した鉄釘が襲撃者に当たると同時、一方通行は脚力のベクトルを操作し、襲撃者の懐に潜り込んだ。そして襲撃者の肌に触れて血流操作をしようとした瞬間、部屋の電気がついた。襲撃者の正体に気付いた一方通行は、慌てて手を引っ込め、体を半回転させ、襲撃者と距離を取った。鉄釘が眉間に刺さっていて顔が血まみれだったが間違いない。

 

 襲撃者は、番外個体だった。

 

「番外・・個体、なンで、こんな所に・・・」

 その時、またスピーカーから声が聞こえてきた。木原の声だ。

『ああそうだ。言い忘れてたがな、お前が第三次世界大戦の時に番外個体を救ったってことは知ってんだよ。だから能力者殺しがそいつの頭の中ちょいといじって面白くしてくれたって訳だ。ぎゃははは。さあどうするよアクセラレータ。お前がさんざん守りたがってたクソガキが死んでもいいのか?あ?こっちは今わざわざお前1人を潰すためだけに作戦会議中だ。ったく、参っちまうぜ。お前1人、この俺1人で十分なんだけどなあ。あ、そうそう。お前のためにあと何人か刺客がいるらしいぜ。これじゃまるでバトルコロシアムだな。ぎゃははは。達者でな、アクセラレータ。そんじゃあな。』

 そう言うとスピーカーは一方的に切れた。そうしている間にも番外個体は一方通行に向かって鉄釘を撃ちこみ、その度に反射されて自分に跳ね返り、どんどん自分の体を血で汚していく。その行動が一方通行の心を苦しめた。一方通行は脚力のベクトルを操作し、机の下に潜り込むと、番外個体の頭に向かって椅子を投げつけた。番外個体を傷つけるわけではない。逆だ。もうこれ以上番外個体を傷つけないために、あえて頭に当てて気絶させようとしているのだ。一方通行が投げた椅子は、音速を超える速度で飛んでいき、空気摩擦で溶けて番外個体に当たる頃には木の破片になっていた。そしてそのまま番外個体の眉間に突き刺さった。後ろに倒れる番外個体を一方通行は空中で抱き留めた。その時、後ろから削板の声が聞こえてきた。

「お前、何やってるんだよ。」

 

 




 木原君登場してしまいました!あと麦野が好きな人すみません!
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