今まで待たせて申し訳ありませんでした(土下座
Fgoにかまけていたらこんなことに.......
あ、後今回は試験的に台本形式ではなくしてみました、要望があったので。
それでは、9話どうぞ!
騎士風の死体をとりあえず庭から本拠の中に移動させた十六夜達は、飛鳥も加わりこの後どうするかを話合っていた。
「とりあえず持ってきたはいいが.......どうするよ」
「いやどうするとか言われましても........」
「ギルガメッシュさんがやったの?これ」
「よくみたらペルセウスのとこの騎士じゃないか、どうするのだギルガメッシュよ」
「誰だ貴様。吸血鬼如きがこの我の名を気安く呼ぶでn」
「ギルガメッシュさんのせいなのですよ?この状況」
そう言われるとギルは苦い顔になったと思ったら急に憤慨しだした。
「そもそも!この雑種共が『我が』領地に無断で入って来た事が問題であろう!故に我は悪くない」
「ええ........」
あろうことか逆切れしだすギルガメッシュ。さらに”ノーネーム”の領地を『我が領地』とか言ってる始末。さすが暴君と呼ばれていただけはある。
そうするとギルは騎士風の死体に冷ややかに言い放つ。
「おい、生きているのだろう。さっさと起きろ、雑種」
その紅く鋭い双眸を騎士の死体に向けるギルガメッシュ。
すると、何かを感じ取ったのか、何人かの騎士が目を開き、憤慨しているギルを見て顔を青ざめ震えだす。
何人かは情けない悲鳴を漏らす者もいた。
「あれ、生きてたのか。王様なら殺しそうだったのに。何で殺さなかったんだ?」
「この雑種共が持っている"不可視の兜"。贋作とは言え、存外性能は良い物よ。なれば、本物は我が宝物に加えるのも良かろうと思ってな。この雑種共が死んでしまっては本物が何処にあるか分からぬ故生かしたまでよ」
つまり趣味である。流石はギルガメッシュ王とも言うべきか、趣味の為に他人の物を奪うその姿勢........いや、元々全ての宝物は自分の物と豪語しているギルにとって、略奪ではなく回収と言った方が正しいのだろう。
死して尚、収集家の血は騒ぐらしい。
「その為だけに此処までするのか、噂に聞いた通りの男だな」
だがまあ、ギルがイライラしている理由は彼らではなく.....。
「........もう一度聞くが、誰だ貴様。我のことを知っていて尚その態度とは万死に値するぞ」
彼女、レティシアが我が物顔で此処に居ることに、そして吸血鬼がこのような態度で自分に接しているのがギルの逆鱗に少し触れたのだろう。
「おっと、これは失礼をしたな。私の名前はレティシア=ドラクレアと言う。一応騎士をしていた身だ」
「ほう、騎士を名乗るか。だが、今の貴様ではその勤めもこなせないであろう?吸血鬼よ」
「......確かに今は所有される身。物として扱った方が正当だろうな」
「どういう事ですか?レティシア様は神格を宿している身。流石に過小評価が過ぎるのでは?」
「月のウサギ、貴様の目は節穴か。良く見ろ、元はあったかもしれぬが今は神格が残って無い。精々鬼種のギフトと言ったところか」
そんな馬鹿なと言わんばかりに目を見開きレティシアを見る黒ウサギ。その視線に耐えきれずに顔をそらす元箱庭の騎士。十六夜と飛鳥は顔を見合わせ頭から?マークを出していた。
彼女、レティシア=ドラクレアは三年前のギフトゲームに負けた後、隷属されたり売られたりして各地を転々としていた。そんな時、元同胞である黒ウサギが外から強力なギフト保有者を連れて来てコミュニティと旗印を取り戻そうとしている事を聞いた。そんな元仲間を見捨てる事も出来ずに、自ら神格を捧げ一時的な自由を手に入れて此処まで来たのだと言う。
それを聞いた黒ウサギは目じりに涙を溜めていた。
「うう......黒ウサギ達の為に此処までして下さるなんて」
「何だよ、元魔王様なだけに期待してたのによ。今の力は全盛期の十分の一にも満たないなんてよ」
そう、神格を剥奪したことにより今の力は箱庭の騎士と呼ばれていた全盛期の十分の一。
元魔王に会えると楽しみにしていた十六夜は、がっくしと肩を落としていた。
「で、これからどうするんだよ。何なら”ペルセウス”の所にでも殴りこみに行くか?」
『パンッ!』と良い音を響かせ右手の拳を左手の掌に叩きつける十六夜。その顔は好戦的で不敵な笑みを浮かべていた。間違いなく何かしでかす前兆である。黒ウサギは十六夜を止めに入ろうとするが、その前にギルガメッシュが口を開く。
「まて十六夜、何故此方からわざわざ出向かねばならん。元を言えばこの雑種共が無断で我が領地に入って来た事が問題であろう。その後始末をするのは”ペルセウス”のリーダーだ。此処に来るか来ないかで長としての器がしれる、来なかった時はその程度ということよ」
「じゃあなんだ、此処で何もせず待つってのか?それじゃあ拍子抜けだぜ王様」
「ならばそこな雑種共を人質にでもすればよかろう。そうすれば”ペルセウス”のリーダーも無視はできまい」
十六夜とギルガメッシュの二人だけで話が進む中、黒ウサギは内心冷や汗をかいていた。今にでも『殺しだけは勘弁して下さい!』と叫びそうな気持ちを抑え二人に提案する。
「あのー......とりあえず白夜叉様に話を聞きに行きませんか?」
控えめに発言した黒ウサギに二人は顔を向ける。
後に黒ウサギはその時の事を『蛇に睨まれた兎の気持ちが身にしみて分かりました』と語ったそうだ。
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未だに寝ている耀を除いて、十六夜、飛鳥、黒ウサギ、ギルガメッシュ、レティシアの五人は白夜叉のいる”サウザンドアイズ”の支店に向かっていた。耀は怪我の療養、ジンはその介護で残ることになった。
夜も更け、夜空には星が輝いていた。一晩遅れの満月が箱庭を照らしている。街灯ランプは仄かな輝きで道を照らしているが、周囲からは人気らしいものは一切感じられない。道中、十六夜は足早なまま空を見上げて呟く。
「こんなにいい星空なのに、出歩いてるやつはほとんどいないな。俺の地元なら金とれるぜ」
箱庭に来る以前、十六夜は眠らない夜の街で生きてきた。
歓声と娯楽。喧騒と人波。醜悪な誘惑が蔓延る時代で生きてきた十六夜にとって、人里で見上げる満天の空は新鮮に感じられたのだ。対照的に、戦後間もない時代から来た久遠飛鳥にとってこの満天の星が見える夜空は疑問の対象であった。
「これだけハッキリ満月が出ているのに、星の光が霞まないなんておかしくないかしら?」
「箱庭の天幕は星の光を目視しやすいように作られていますから」
「そうなの?だけどそれ、何か利点があるのかしら?」
太陽の光から吸血鬼などの種を守るというのは理解できる。しかし星の光を際立たせたところで意味があるとは思えない。黒ウサギは焦るような小走りだったが、歩幅を緩め、
「ああ、それはですね」
「おいおいお嬢様。その質問は不粋だぜ。"夜に綺麗な星が見れますように"っていう職人の心意気が分からねえのか?」
「あら、それは素敵な心遣いね。とてもロマンがあるわ」
「..........。そ、そうですね」
黒ウサギはあえて否定しなかった。納得したのなら今はそういう事にしておこう。話せば長くなるし、店先までほんの僅かだ。
「星か.........」
「ん?どうしたんだ王様。そんな顔して」
物悲しげに呟くギルガメッシュを見て十六夜が不思議そうに問いかける。十六夜が覚えている範疇では”ギルガメッシュ叙事詩”には星に関する事などなにも明言されていないからだ。
その問いにギルガメッシュはなんでもないと言う風な顔をして答える。
「いやなに、少しばかり我が盟友について浸っていただけよ。気にするな」
そこで十六夜は気付いた。『ああ。そう言えば、イシュタルは金星の女神だったな』と。
”サウザンドアイズ”の門前に着いた五人を迎えたのは例の無愛想な女性店員だった。
「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオス様がお待ちです」
「黒ウサギ達が来る事は承知の上、ということですか?あれだけの無礼を働いておきながらよくも『お待ちしておりました』なんて言えたものデス」
「.........事の詳細は聞き及んでおりません。中でルイオス様からお聞きください」
定例文にも似た言葉にまた憤慨しそうになる黒ウサギだが、店員の彼女に文句を言っても仕方がない。店内に入り、中庭を抜けて離れの家屋に黒ウサギ達が向かう。
中で迎えたルイオスは黒ウサギを見て盛大に歓声を上げた。
「うわお、ウサギじゃん!実物初めて見た!噂には聞いていたけど、本当に東側にウサギがいるなんて思わなかっ.......た........」
ルイオスは地の性格を隠す素振りも無く黒ウサギの体を舐めまわすように視姦していたが、圧倒的存在感に気付き、そして呑まれ声が萎んでいく。
「む、どうした道化。我の前だからと遠慮はするな。存分に月のウサギを視姦しておけ。久方ぶりに愉快な道化を見れて気分が良いからな」
先程のセンチメンタルな王様は何処へやら。ルイオスを見た瞬間に嬉しそうに笑うギルガメッシュ。これには十六夜も予想外だったようで少し驚いている。
「そういえば王様、俺を見た時も道化かどうか聞いてきたよな。道化だと何が良いんだ?正直言ってそこらへんの、王様風に言うなら雑種と変わらない気がするんだが」
「阿呆。全く違うわ戯け。雑種とは謂わば幾らでも変えのある代用品よ。いなくても良いものを気にしてどうする?だが、道化とは謂わば代わりの効かない名役者よ。道化ならば我の前でどれほどの無礼働こうが許す。それを責めるなど我の度量が無いとこになるからな。分かったなら続けろ。そして我を楽しませろ、道化」
そんな事を言われても困るルイオス。これで機嫌が良い?冗談じゃない!こんな存在がいてたまるか、そう心の底から叫びたがっている自分にブレーキをかける。そんな事を言ってしまえば『興醒めだな』とか言って殺されるのも必至。あんな怪物を相手にするなんて堪ったもんじゃない。制御の効かないアルゴールなんて瞬殺されるだけだ。
「―――――”ペルセウス”が私達に対する無礼を振るったのは以上の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」
「う、うむ。”ペルセウス”の所有物・ヴァンパイアが身勝手に”ノーネーム”に敷地に踏み込んで荒らした事。それらを捕獲する際における数々の暴挙と暴言。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後日」
そんなことをルイオスが考えている間に話は進んでいた。
黒ウサギの証言は全部が全部虚偽ではないが、確実に後半の内容は嘘である。捕獲はおろか、姿を見せる前にギルガメッシュにより瞬殺。そして生け捕りにされていた。だが、その事にルイオスが気付く様子は無い。何故か?
「結構です。あれだけの暴挙と無礼の数々。そして、"そこの"吸血鬼による攻撃」
そう、此処に『吸血鬼の石像がある』からだ。最初見た時は何故”ノーネーム”の連中が持っているのか疑問に思ったが、ギルガメッシュを目に入れた瞬間からそんな事を考える余裕が無くなった。いや、性格には『どうすれば殺されないか』しか考えられなかった。
まあ、真実は”ペルセウス”との交渉の為にギルガメッシュの宝物庫から石化の宝具を取り出し、石に変えただけだが。
「我々の怒りはそれだけでは済みません。”ペルセウス”に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと」
両コミュニティによる直接対決。それが黒ウサギの狙いだった。
いくら外道とはいえ、虚偽の証言をしていることに罪悪感を覚える。しかしなりふり構っている状況ではない。使える手段は全て使う必要があった。幸いこちらにはギルガメッシュを筆頭に、超強力な恩恵を持つ者が四人もいる。数では圧倒的に劣るものの、一人ひとりが一騎当千の―――は少し言い過ぎたが、それに近しい実力を持っている(2人ほど規格外はいるが)。ならば決闘で負ける道理はないだろう。
「”サウザンドアイズ”にはその仲介をお願いしたくて参りました。もし”ペルセウス”が拒むようであれば、”主催者顕現”の名の下に」
「いやだ」
唐突にルイオスは言った。
「..........はい?」
「いやだ。決闘なんて冗談じゃない」
呆然とする黒ウサギ。まさかここまでして断られるとは思っていなかったようだ。
「それに、あの吸血鬼が暴れ回ったって証拠があるの?」
「そ、それは彼女の石化を解いてもらえば」
「いやだ。一度逃げだしたんだ、出荷するまで石のままだよ。それに口裏を合わせてるかもしれないだろ?元お仲間さん?」
嫌味たらしく笑うルイオス。筋が通っているだけに言い返せない。
「クックックック........ハハハハハハハハ!」
片手で顔を隠しながら、天を仰ぎ高笑いするギルガメッシュ。何が面白い、と怪訝な目を向けるルイオス。
笑いが止まったギルガメッシュは顔をにやつかせながら言う。
「愉快愉快!その頭蓋どの様に出来ているのだ道化!この我を敵に回しながらもその傲岸不遜な態度.........気に入ったぞ」
次はルイオスが呆然とする番だった。
ギルガメッシュが放った一言によって彼は窮地に立たされることになる。
「故に今までの無法、貴様の命で許してやろう。さあ自害するが良い」
次で終わると言ったな........。
あれは嘘だ!
いや、最後まで書こうとしたら1万字超えそうだったので、その1、その2という感じにしましたごめんなさい;
唐突ですが、この作品のリメイクを少々考えております。詳しい事は活動報告の方に書いております。良ければご覧下さい。