英雄王も異世界から来るそうですよ?   作:heartz

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なんだかんだ言って、今年は受験.........。

FGOも二章に突入しようとしている。

時間って残酷だなと思う私であります。


結局のところ、この話を区切りとしてリメイクさせていただくことになりました。

プロットも練って、”面白い作品”を皆さんに届けたいと思います。
それまで、どうかお待ちください。こんな小説でもお気に入りに登録して下さる方もいます。そのような方々をがっかりさせないよう、心がけますので、どうか。



それでは遅くなりましたが、第10話どうぞ!


10話 ”FAIRYTALE in PERSEUS” その2

「.........は?」

 

何を言われたのか理解できなかったのか、目を丸くするルイオス。

そんな彼にさらに追い打ちをかける。

 

「ん?どうした、疾くその首を撥ねるが良い。我の前で死ねるのだ、光栄に思えよ道化」

 

呆然とする黒ウサギ達。そんな最中、ギルガメッシュに十六夜が問いただす。

 

「おいおい王様、さっきと言ってる事が矛盾してるぜ。道化なら無礼を許すんじゃないのかよ」

 

「確かに言ったな。だがな、我がコミュニティを蔑み、剰え我を見下すだど。これは無礼ではなく無法だ。本来ならばこの我自ら塵さえ残さずに消し去る所だが。我が思っていた以上に愉快な頭蓋をしている。よって、ここに自害を許す」

 

『ギリィ.........』と歯噛みする音が聞こえる。どうやら、顔を下げたルイオスから聞こえてくようだった。

最初から分かっていた。この男がどの様な男で、その体にどれほどの神秘を宿しているか。隷属させた魔王、アルゴールなんて敵じゃない。そう、分かっていたはずなのに。

 

(くそっ、どうすれば.........)

 

少し考えた後に眼を見開き下げていた顔を上げるルイオス。彼は思いついたのだ、最低限生き残る道を。この男が王と名乗るのならば、自分を道化と言うのならば........。

 

「了承した。ただし、君達”ノーネーム”とのギフトゲーム。それが終わってからだ」

 

ただでは死なない。『道化を演じよう』

 

 

 

 

数日後に行う事になった”ぺルセウス”とのギフトゲーム。その間に耀は回復、レティシアを一旦”ペルセウス”に明け渡し、各々ギフトゲームの準備を行っていた。

そしてギフトゲーム当日。

 

「何であの場で殺さなかったのか聞いてもよろしいですか?」

 

先程までスキップでもしそうなくらい顔を喜色に染めていた黒ウサギだったが、ふと『ギルガメッシュさんが自分の意見を曲げるのは少し変ですね』と疑問に思い尋ねてみたところ。

 

「なに、やはりあの道化の真価を見たくなってな。それ故、ギフトゲームで見定めようと思ったまでよ」

 

とのこと。

やはり、この王の考えている事は黒ウサギにはよく分からなかった。

 

「ほら二人とも、早く”契約書類”を見てちょうだい。ゲームが始まらないわ」

 

飛鳥に促され、黒ウサギとギルガメッシュの二人は”契約書類”に目を通す。

 

 

『ギフトゲーム名 ”FAIRYTALE in PERSEUS”

 

・プレイヤー一覧  逆廻 十六夜

      久遠 飛鳥

      春日部 耀

      ギルガメッシュ

 

・”ノーネーム”ゲームマスター  ジン=ラッセル

・”ペルセウス”ゲームマスター  ルイオス=ペルセウス

 

・クリア条件  ホスト側のゲームマスターを打倒

 

・敗北条件  プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

         プレイヤー側のゲームマスターの失格。

         プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台詳細・ルール

*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

*ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはならない。

*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行する事は出来る。

 

  宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、”ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

                                ”ペルセウス”印』 

 

”契約書類”に承諾した直後、六人の視界は間をおかずに光へと呑まれた。

 

次元の歪みは六人を門前へと追いやり、ギフトゲームの入口へと誘う。

白亜の宮殿の周辺は箱庭から切り離され、未知の空域を浮かぶ宮殿に変貌していた。その様子はまるでかの空中庭園に類似していた。此処は最早、箱庭であって箱庭ではない場所なのだ。

 

「姿を見られれば失格、か。つまりペルセウスを暗殺しろってことか?」

 

白亜の宮殿を見上げ、胸を躍らせるような声音で十六夜が呟く。その呟きにジンが応える。

 

「それならルイオスも伝説に倣って睡眠中だという事になりますよ。流石にそこまで甘くないとは思いますが」

 

「姿を見られれば失格。同じようにジン君が失格になればプレイヤー側の敗北、だったら大きく三つの役割に分かれるわね」

 

飛鳥の隣で耀が頷く。本来ならば、このゲームは百人.........少なくとも十人単位の人数で挑み、その一握りだけがゲームマスターに辿りつけるという物。

そんなゲームを、彼らはたった五人で挑まねばならないのだ。役割分担は必須だったのだが。

 

「生憎だが、我はゲームには参加せんぞ」

 

予想していた十六夜を除いた面々は、『は?何言ってんだこいつ』とでも言いたそうな表情をギルガメッシュに向けていた。そんな態度をとったら怒られるのは目に見えているので、代表して黒ウサギがその故を問う。

 

「あの、一応ギルガメッシュさんがギフトゲームを受けるという形でこのゲームをすることになったのですが」

 

「そうだな、それがどうした。前線にて剣を交えるは戦士のすることよ。我は王であって戦士ではない。ふっ、まあそう不満そうな声を出すな月のウサギ。無論戦士が敗れれば最後に出向かうは王の努めよ」

 

「あら?ギルガメッシュさんは私達が負けるとでも?」

 

「ギルがそう言うなら最後まで見物してるといい」

 

そんな、女子二人からの力強い言葉に十六夜は肩をすくめ、黒ウサギは自慢げに鼻を鳴らし、ジンは目を輝かせ、ギルガメッシュは朗らかに笑っていた。

 

 

 

 

「話を戻すわよ」

 

飛鳥の一言で作戦会議に戻った六人は、一つずつ役割を確認していた。

 

「うん。まず、ジン君と一緒にゲームマスターを倒す役割。次に索敵、見えない敵を感知して撃退する役割。最後に、失格覚悟で囮と露払いをする役割」

 

「春日部は鼻が利く。耳も眼も良い。不可視の敵は任せるぜ」

 

十六夜の提案に黒ウサギが続く。

 

「黒ウサギは審判としてしかゲームに参加することができません。ですからゲームマスターを倒す役割は、十六夜さんにお願いします」

 

「あら、じゃあ私は囮と露払い役なのかしら?」

 

少し不満そうな声を漏らす飛鳥。

だが、飛鳥のギフトは不特定多数の敵を相手にした方がより力を発揮できる。それが分かっていても不満な物は不満なのだ。

少し拗ねた口ぶりの飛鳥を十六夜がからかった。

 

「悪いなお嬢様。俺も譲ってやりたいのは山々だけど、勝負は勝たなきゃ意味が無い。あの野郎の相手はどう考えても俺が適してる」

 

「.........ふん。いいわ。今回は譲ってあげる。ただし負けたら承知しないから」

 

飄々と肩を竦める十六夜。だが黒ウサギはやや神妙な顔で不安を口にする。

 

「残念ですが、ギルガメッシュさんが参加しない以上、必ず勝てるとは限りません。油断しているうちに倒せねば、非常に厳しい戦いになると思います」

 

ギルガメッシュを除いた四人の目が一斉に黒ウサギに集中する。飛鳥がやや緊張した面持ちで問う。

 

「.........あの外道、それほどまでに強いの?」

 

以外にも、その問いに答えたのはギルガメッシュだった。

 

「あれが?まさか、そんな訳があるか。雑種如きは十六夜一人いれば十分よ。ただ、あの雑種が飼っている元魔王、さしずめアルゴルの悪魔と言った所か。それが一つの懸念よな」

 

その見解に驚愕する黒ウサギ。彼女が何も教えていないにもかかわらず魔王の正体を見破ったギルガメッシュの頭脳に、そしてその視野の広さに。まさしく、驚いていた。まさに、これこそが英雄の王。賢王とまで言われたギルガメッシュの、全知なるや全能の星。

十六夜はギルガメッシュの言葉で自分の疑問が解消されたようだった。

 

「なるほど、合点が行ったぜ。ペルセウスの神話通りならゴーゴンの生首がこの世界にある訳が無い。あれは戦神アテナに献上されてるはずだからな。それにもかかわらず、奴らは石化のギフトを使っていた。王様の話が本当なら、星座として招かれたのが箱庭の”ペルセウス”ってことだ」

 

「.........アルゴルの悪魔?」

 

話の分からない飛鳥と耀は顔を見合わせ、小首を傾げる。

しかし黒ウサギだけは驚愕したまま固まっていた。

彼女だけが今の答えに帰結する異常さに気付いていたからだ。

 

「お二人とも........もしかして、箱庭の星々の秘密に.........?」

 

「秘密.........?あれを秘密と呼ぶにはいささかぞんざい過ぎやしないか?あんな物、ただの舞台装置よ」

 

「まあ、夜空を見上げた時に推測して、観察してたってとこだ。まあ、機材は白夜叉が貸してくれたし、難なく調べる事が出来たぜ」

 

フフンと自慢げに笑う。黒ウサギは含み笑いを滲ませて、十六夜の顔を覗き込んだ。

 

「もしかして十六夜さんってば、意外に知能はでございます?」

 

「何を今さら。俺は生粋の知能派だぞ。この門だって手を使わずに開けられる」

 

「.................................。参考までに、方法をお聞きしても?」

 

やや冷ややかな目で黒ウサギが見つめる。

十六夜はそれに応えるかのようにヤハハと笑って門の前に立ち、

 

「そんなもん―――こうやって開けるに決まってんだろッ!」

 

轟音と共に、白亜の宮殿の門を蹴り破るのだった。

 

 

 

 

ギルガメッシュは一人、門の外にいた。

千里眼で中の様子を観察しながら、問題児三人、それぞれのギフトの真価を図っているようだ。

 

「ふむ、飛鳥のギフトは”威光”であったか。ギフトに命令できるギフトとは、便利な物よ。だが、飛鳥自体がその性能を持て余しているのが現状か」

 

それも仕方のない事だ。久遠飛鳥は年端も行かぬ少女である。戦いなど無縁の中で生きてきた彼女に戦闘をしろという方が無理な話である。

 

「だが、指揮はなかなか見所がある。その年で此処までか。飛鳥は天才と呼べるやもしれん」

 

その飛鳥は今、水樹のギフトを巧みに使い、ペルセウスの騎士達を、文字通り圧倒していた。

久遠飛鳥は、久遠家の実質トップを担っていた。戦況を見るという観点ではギルガメッシュの次には巧いだろう。

 

「ほう。耀め、本物を暴いたか。ハデスの兜も案外陳腐な物よ。我の蔵には不釣り合いか」

 

耀は宮殿の中庭で十六夜と共に真作のハデスの兜を頂戴していた。

 

「耀のギフトは”生命の目録”、ゲノムツリー。名の通りの”生命の系統樹”か。巧く動物の特性をつかんでいる。だが、真価を発揮しない。いや、真価に気付いていないか。耀が本気を出せばこんな物ではないだろうよ。十六夜と同等か」

 

耀は敵に見つかり失格になった為、十六夜とジンの二人はルイオスの待つ最奥に辿りついていた。

少し会話した後、ルイオスはアルゴールを呼びだす。その姿にギルガメッシュは不快を示した。

 

「これが魔王だと?ふざけているのか。”星霊”がこの程度まで墜ちるとは、本当に白夜叉と同じ”星霊”か?弱体化していた白夜叉の方がまだ楽しめるぞ」

 

箱庭最強の一角である”星霊”。それがこの体たらく。十六夜がぼこぼこにしていた。本来ならば十六夜ほどの者でも苦戦するはずであるのだが、枷をつけられ、自らの意思を封じられたアルゴールは、十六夜の相手にもならないほど弱くなっていた。

 

「この程度で王をなのるか、武を弁えよ、雑種」

 

ギルガメッシュは眼を閉じ、結末が決まったギフトゲームの終了を待つのだった。

 

 

 

 

レティシアの受難は、むしろここからだった。

所有権が”ノーネーム”に移ったまでは本当に良かったのだ。”ペルセウス”に勝利した六人(実質五人)はレティシアを大広間に運び、石化を解いた途端、問題児三人は口を揃えて、

 

「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

「え?」

 

「え?」

 

「.........え?」

 

「え?じゃないわよ。だって今回のゲームで私達だけじゃない?貴方達はホントにくっ付いてきただけだったもの」

 

「うん。私なんて力いっぱい殴られたし。石になったし」

 

「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」

 

もはやツッコミが追いつかないなんてものじゃない。黒ウサギは完全に混乱していた。

ついでに言えばジンも混乱していた。

唯一、当事者であるレティシアだけが冷静だった。

 

「んっ.........ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同志にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

 

「レ、レティシア様!?」

 

黒ウサギの声は今までにないくらい焦っていた。まさか尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないとは.........と困惑しているうちに、飛鳥が嬉々として服を用意し始めた。

 

「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げも無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」

 

「よろしく.........いや、主従なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」

 

「使い勝手がいいのを使えばいいよ」

 

「そ、そうか。.........いや、そうですか?んん、そうでございますか?」

 

「黒ウサギの真似ごとはやめとけ」

 

ヤハハと笑う十六夜。その空間は和やかに、笑顔と笑い声に包まれていた。

 

 

 

 

所変わって、ここは”ペルセウス”の本拠地。そこは、死屍累々であるかのような、絶望と悲壮にまみれていた。

 

「.........僕を殺すんだろ、早くしろよ」

 

「.........」

 

結果的に、”ペルセウス”は”ノーネーム”に敗れた。だが、結果がどうであれ、ルイオスの首が落ちるのは決定事項だった。この王が決めたのだ。

 

「我の決定は絶対だ。覆る事は無い」

 

ルイオスはただ黙りこみ、ギルガメッシュの言葉を聞いていた。

 

「貴様の首を落とすのは後としよう」

 

だからこそ、反応が遅れた。その言葉を頭の中で数回と繰り返し、ようやく理解出来たその言の葉は、自らの生存を意味していた。

 

「な、どうして.........」

 

「なに、貴様は近い未来、”ノーネーム”の助けとなる。それを確信したまでよ。その生へとしがみつく貪欲さ、我が許そう。それこそが人間のあるべき姿だ。道化で無くなった今の貴様では、役不足だがな。精々余生を謳歌しろ、雑種」

 

そう言って、ギルガメッシュは姿を消した。

残されたルイオスは、とりあえず存命出来た事に涙を流した。だが、死の決定が覆った訳ではない。

ルイオスは立ち上がり、今までしてこなかった”ペルセウス”の雑務をやろうと心に誓うのだった。

 

 

 

 

「あ、お帰りなさいギルガメッシュ様!どちらに行かれてたんですか?」

 

「なに、ちょっとした野暮用よ。お前が気にする事ではない、リリ」

 

ギルガメッシュが”ノーネーム”に帰還したのは”ペルセウス”とのギフトゲームから三日たった夜だった。そこでは、料理が所狭しと並べられ、子供達がわいわいと騒いでいた。少し遅れた、十六夜達の歓迎会をしていたのだ。

 

「早くリリ達と料理を食べながら話しましょう!皆さんも待ってますよ」

 

彼は頬笑みながらもリリに腕を引かれる。

ギルガメッシュがいる事に気が付いた十六夜と黒ウサギは手を挙げ、『遅いぞ』などと文句を言っている。飛鳥と耀は、ギルガメッシュに近づきながら『やっと最後の主役が登場ね』と呆れながらも、どこか柔らかい雰囲気を持っていた。

 

(我が、選んだ場所か.........)

 

ギルガメッシュは腕を引かれながら、その輪に混ざって行った。

明確に、自分の盟友を思い出しながら。




リメイク、早く出せるようにします。

(受験もあるから少しは容赦してくれたら嬉しいなーチラチラ)
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