英雄王も異世界から来るそうですよ?   作:heartz

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今回は蛇神様が華々しく散りますよ!


個人的には、白雪ちゃんすきなのだがね;


2話 YES!ウサギが呼びました!その2

黒うさぎに箱庭までの道案内をしてもらっている最中、十六夜がギルに向かって話しかけていた

 

十六夜「なあ、王様。一緒に世界の果てに行かねえか?」

 

ギル「ほう。小僧、我を誰だか知っていながらそのような態度で話すか」

 

十六夜「.......やっぱ敬語じゃなきゃだめか?」

 

ギル「よいよい、我が許そう。貴様はなかなか面白いからな」

 

十六夜「それは光栄だな。で、どうする?」

 

笑いながら、さも当然のように、

 

ギル「無論。そんな面白そうなこと貴様だけにさせる訳なかろう?」

 

そう云い切った。

 

十六夜「そうこなくっちゃな!」

 

十六夜の目は輝いていた。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

黒うさぎ「ジン坊ちゃーン!新しい方をつれてきましたよー!」

 

ジン「御帰り、黒うさぎ。そちらの女性二人が?」

 

黒うさぎ「はいな、こちらの御四人様が――――」

 

クルリ、と振り返る黒うさぎ。

カチン、と固まる黒うさぎ。

 

黒うさぎ「........え、あれ?もう二人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から”俺問題児!”ってオーラを放っている殿方と、

かなり目つきがキツくて、すごく偉そうな”THE王様”って感じの殿方が」

 

飛鳥「ああ、十六夜君とギルガメッシュさんのこと?彼らなら””ちょっと世界の果てを見てくるぜ!””と言って駆け出して行ったわ。あっちの方に」

 

あっちの方に。と上空4000mから見えた断崖絶壁を指さす。

黒うさぎは、耳を逆立てて二人に問いただす。

 

黒うさぎ「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

飛鳥「”止めてくれるなよ”と言われたもの」

 

黒うさぎ「ならどうして黒うさぎに教えてくれなかったのですか!」

 

耀「”黒うさぎには言うなよ”と言われたから」

 

黒うさぎ「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

飛鳥&耀「「うん」」

 

ガクリ、と前のめりに倒れる黒うさぎ。

まさかこんな問題児ばかり掴まされるなんて、嫌がらせにも程がある。

そんな黒うさぎとは対照的に、ジンは蒼白になって叫んだ。

 

ジン「た、大変です!”世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされてる幻獣が」

 

飛鳥「幻獣?」

 

ジン「は、はい。ギフトを持った獣を刺す言葉で、特に”世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがいます!」

 

飛鳥「あら、それは残念。もう彼らはゲームオーバー?」

 

耀「ゲーム参加前にゲームオーバー?.....斬新?」

 

ジン「冗談を言ってる場合じゃありません!」

 

ジンは事の重大さを必死に訴えているが、二人は肩を竦めるだけである。

黒うさぎはため息を吐きつつ立ちあがった。

 

黒うさぎ「はあ.....ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、御二人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

ジン「分かったけど.....黒うさぎはどうするの?」

 

黒うさぎ「問題児たちを捕まえに参ります。事のついでに――――”箱庭の貴族”と謳われるこの黒うさぎを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

悲しみから立ち直った黒うさぎは、艶のある黒い髪を淡い緋色に染めていき、

 

黒うさぎ「一刻ほどで戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフをご堪能ございませ!」

 

そう言い残し、全力で跳躍した黒うさぎは弾丸のように飛び去り、あっという間に三人の視界から消え去っていた。

 

飛鳥「.......。箱庭の兎は随分速く飛べるのね。素直に関心したわ」

 

そう飛鳥は呟いた

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

黒うさぎ「この辺りのはず........」

 

十六夜「あれ、お前黒うさぎか?」

 

ギル「む、月のうさぎか.....」

 

十六夜「どうしたんだその髪の色」

 

背後から問題児たちの声が聞こえる。どうやら無事だったらしい。

散々振り回された黒うさぎの胸中は怒りで限界だったようだ。

 

黒うさぎ「もう、一体何処まで来ているんですか!?」

 

ギル「何処に行こうが我の勝手だろう」

 

十六夜「”世界の果て”まで来てるんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」

 

ギルの冷ややかな目と、十六夜の小憎たらしい笑顔も健在だ。心配は不要だったらしく外傷は一つもない。

 

黒うさぎ「十六夜さんたちが無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと思いましたよ」

 

十六夜「水神?―――――ああ、アレのことか?」

 

と、十六夜が指を刺したのは、身の丈三〇尺強はある、巨躯の大蛇だった。

 

『まだ.....まだ試練は終わってないぞ、小僧ドモォ!』

 

黒うさぎ「蛇神........!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか御二人とも!」

 

十六夜「い、いや俺は悪くねえよ?王様がな.....」

 

ギル「フンッ.....この我に向かって『試練を選べ』などと戯言を吐くのでな、少しばかり腹が立ってしまってな」

 

黒うさぎ「そ、それでどうしたのですか?」

 

ゴクリ、と生唾を飲む黒うさぎ

 

ギル「なに.....少しばかり気が失う程度に叩きのめしただけだ」

 

『貴様.....付け上がるな人間!我がこの程度で倒れるか!!』

 

蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る。

あの水流に巻き込まれたが最後、人間の胴体など容赦なく千切れるのは間違いない。

だが、ギルはそんな状況でさえ、顔色一つ変えずに一言―――――

 

ギル「フッ.....神如きがなにを云っている?」

 

竜巻のように渦を巻いた水柱は、遥か高くに舞い上がり、何百トンもの水を吸い上げる。この力こそが”神格”のギフトを持つ者の力だった。

このままだと、ギルが竜巻に飲み込まれる―――――――――筈だった。

 

ギル「友よ」

 

何も無い筈の空間から金色の波紋がうまれ、数本の鎖がそこから射出される。

その鎖は、三つの竜巻を薙ぎ払った。

 

黒うさぎ「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

驚愕する二つの声、それは人智を遥かに超越した力である。

すると、その鎖は全て蛇神の体を縛り付ける。

 

『クッ.....何だこれは!』

 

全く身動きのできない状態にされ、戸惑う蛇神。

 

ギル「後は貴様がやれ、十六夜」

 

十六夜「やるなら最後までやれよっと!」

 

文句を吐きつつ、蛇神の胸元に飛び込んだ十六夜の蹴りは胴体を打ち、蛇神は空中に打ち上げられ、川に落下した。

 

黒うさぎ「(人間が.....神格を倒した!?信じられない.......だけど、本当に最高クラスのギフトを所持しているのなら........!私達のコミュニティ再建も、本当に夢じゃないかもしれない!)」

 

黒うさぎは内心の興奮を抑えきれず、鼓動が速くなるのを感じ取っていた。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

黒うさぎ「ところで御二人さん、その蛇神様はどうされます?というか生きてますよね?」

 

十六夜「命までは、取らねえよ。”世界の果て”にある滝を拝んだら箱庭に戻るさ」

 

ギル「我も同意見だ」

 

黒うさぎ「ならギフトだけでも戴いておきましょう。どんな内容であれ、御二人様は勝者ですから、蛇神様も文句ないでしょうから」

 

十六夜「あん?」

 

十六夜とギルが怪訝な顔で黒うさぎを見つめ返す。黒うさぎは思い出したように補足した。

 

黒うさぎ「神仏とギフトゲームで競い合う時は”力”と”知恵”と”勇気”の三つから選ぶんですよ。力比べのゲームをする際は相応の相手が用意されるものなんですけど.....御二方はご本人を倒されましたから。きっと凄いものを戴けますよー」

 

黒うさぎが嬉しそうに話していると、ギルが不機嫌な顔で黒うさぎの前に立つ。

 

黒うさぎ「な、なんですかギルガメッシュさん。なにか気に障りましたか?」

 

ギル「.......我に隠し事か。」

 

黒うさぎ「.....な、なんのことです?」

 

黒うさぎは一瞬ドキッとした。

 

ギル「十六夜」

 

名前を呼ぶといつの間にか後ろにいた十六夜に抑えられる。

 

黒うさぎ「い、十六夜さん!?何をするのですか!」

 

十六夜「お前がずっと決定的なこと隠してるからだろうが。まあ大体想像できるが」

 

ギル「貴様の口から話せ。.....それとも我をこれ以上待たせる気か?その罪、万死に値するぞ」

 

黒うさぎは奥歯を噛みしめた。この状況でばれたのは手痛い。せめてコミュニティに入れてからだったら簡単には抜けられないから良かったのだが。

 

黒うさぎ「.....分かりました。私達のコミュニティの現状について御話しします」

 

そう黒うさぎが云うと、十六夜が手を離した。

黒うさぎが話した内容は、このようなものだった。

 

・まず黒うさぎたちのコミュニティには、名乗るべき”名”と”旗印”が無い。

 

・”名”がないコミュニティはその他大勢、”ノーネーム”と呼ばれる。

 

・中核を成す仲間は一人も残っておらず、ゲームに参加できるだけのギフトを持つのは、一二二人中、黒うさぎとリーダーであるジン=ラッセルのみ。他は十歳以下の子供ばっかり。

 

・元々は、結構名の知れたコミュニティだったらしいが”魔王”と称される存在にギフトゲームを挑まれ、敗北し、全てを奪われたそうだ。

 

・”魔王”にギフトゲームを挑まれれば拒否するのは不可能らしい。

 

途中、魔王という単語に目を輝かせる十六夜。まるで新しい玩具をもらったようだ。

 

黒うさぎ「.....と、いうことなんです。どうか、その強大な力、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか..........!!」

 

深く頭を下げ懇願する黒うさぎ。ギルはその態度に微笑の笑みを浮かべた。

 

ギル「良かろう。我が直々に手を貸してやる。」

 

黒うさぎ「あ、有難うございます!!.....その、理由を聞いても?」

 

ギル「フンッ.....我という存在がありながら、王を名乗る者など、ほおっておく訳にもいかん、それに―――――」

 

黒うさぎは頭にクエスチョンマークを浮かべる。

 

ギル「王たる者は、二人も必要ないであろう?」

 

少し懐かしそうにギルは云った。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

結局十六夜も協力することにし、蛇神から水樹の苗をもらった。

”世界の果て”トリニスの滝を三人で眺める。

 

十六夜「これは絶景だな」

 

黒うさぎ「そうですねー」

 

ギル「我が眺めるに値するな」

 

三者三様の感想をもらす。

 

黒うさぎ「(最初から説明しておけばよかったのです)」

 

黒うさぎは思う、この人たちならばきっとやってくれると。

 

十六夜「よし。そろそろ箱庭に行こうぜ」

 

ギル「そうだな」

 

黒うさぎ「はいなのです!」

 

夕焼けに染まるトリニスの滝を後にした三人は、箱庭に歩を進めた。

 




戦闘シーンが思った以上に難しいですね;

次はサウザンドアイズに行きます!

次回もお楽しみに!
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