艦これ-提督と艦娘の鎮守府物語-   作:鶴雪 吹急

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第十話「総帥と告白」

 朝の09:00。提督と吹雪は桟橋に来ていた。二人はどこかそわそわしている。

 

「あっ、司令官!きましたよ」

「むっ」

 

 吹雪が指した方向には総帥が乗っているだろう船を囲むように輪形陣で進んでくる艦隊が、

 

「あー。来たか」

「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫な...はず」

 

 そうこうしている内に船は桟橋に着き、総帥が降りてくる。

 

「やあ提督君、六日振りくらいかね?」

「そうですね。立ち話もアレですし、執務室のほうで」

「そうだな。それでは案内してもらえるか?」

「はい。いくよ吹雪」

「あっ。はい」

 

 提督は目で古鷹たちに「ありがとう」と伝え、吹雪と総帥と執務室に向かった。

 

ー執務室ー

 

「こちらです」

「ふむ。しっかりしておるな」

「いえいえ。とんでもない」

 

 そう言いながら提督は総帥を昨日明石と作った応接用のソファーへ誘導した。

 提督もその前に置かれたソファーに座る。吹雪はお茶を入れに行った。

 

「さて、早速本題なのだが...」

 

 その言葉に提督は息を飲む。

 

「何故、あの通達からあのようなことが考えられたのかね?」

「ええっと、先ず日向灘沖に敵潜水艦の反応があったときに少し思い当たる節がありました」

「思い当たる節とは?」

 

 総帥の疑問に提督は落ち着いて話す。

 

「『戦艦大和』最期の戦い、坊ノ岬沖海戦です」

「坊ノ岬沖海戦とな?」

「はい。あの時、大和率いる第一遊撃部隊は呉より出撃してちょうど日向灘辺りで敵潜水艦に見つかります」

「そうじゃな」

「そのとき、敵の司令官は五十隻ほどの大艦隊でこれらを攻撃しようとします。結局、航空機での攻撃に変更されましたが」

「ふむ」

 

 総帥は俯いて話を聞いている。

 

「そして、その結果大和や矢矧、他の駆逐艦を失うことになりました。そのことを思い出してそう送りました」

「そうだったか...」

 

 総帥が顔を上げる。提督は付け足すように、

 

「そうなるとは思っていませんがその可能性があると思いまして」

「可能性?」

「はい。私が居た世界ではこの世界によく似たゲームがありました」

「ふむ」

「そのゲームのステージには第二次世界大戦時のアメリカと日本の戦いをモチーフにしたものもありました」

「そのことからそうなる可能性があると」

「そうです」

 

 総帥の確認に提督は頷く。そんな時、吹雪がお茶を持って入ってきた。

 

「失礼します。お茶をお持ちしました」

「ありがとう」

「ありがとうな、吹雪君」

「いいえ。それでは」

 

 吹雪は二人の前にお茶を置き、部屋を出る。総帥はお茶を少し飲み、

 

「君の言い分は、よく分かった。その敵潜水艦の対処の参考にしよう」

「そうして頂けるのならうれしいです」

「さて、私の用事は終わった。あとは聞きたいことはあるか?」

「聞きたいこと?」

「そうだ。君はこの世界に『転移』してきた人間だ。知りたいことがあるなら答えよう」

「そうですね...。私の艤装は艦娘の艤装と同じなんですか?」

「そうだな、艦娘の艤装と同じように入渠すれば治る。そうだ、君が艤装を纏えるのは私と君以外に誰か知っているかい?」

「吹雪と大淀には話しました」

「そうか。君の鎮守府に居るやつには話しておけ。それ以外には話さない方が良い」

「分かりました」

 

 総帥は立ち上がって、

 

「それじゃあ私は行くからな」

「はい、ありがとうございました」

「なに、私の好奇心だ。気にするな」

 

 扉に向かう総帥に提督は、

 

「護衛を付けましょうか?」

「じゃあ正面海域を越えるまで頼もうか」

「はい」

 

ー桟橋ー

 

「貴重なお時間を割いて来て頂き、ありがとうございます」

「だから、好奇心だといっておるだろう?気にするな。ではまたな」

「はい、お気を付けて」

 

 総帥を乗せた船が沖に向かう。周りには着たとき同じ護衛艦隊が付く。水平線に向かうのを確認して提督は力を抜く。

 

「ふー。終わった」

「お疲れ様です。司令官」

 

 吹雪が声を掛ける。

 

「ああ、ありがとう。すまないが後で他のやつ等を会議室に集めてくれ。話がある」

「え、あっはい」

「すまないな。俺は少し休んでくる」

 

 そう言い提督は一人、自室に戻った。

 

ー鎮守府本庁舎・会議室ー

 

「皆揃いましたよ。司令官?」

「おう」

 

 会議室にはこの鎮守府に居る艦娘という艦娘と何故か妖精も集まっていた。提督は皆の前に立ち

 

「今回集まってもらったのは、これを見てもらうためだ」

 

 そう言うと提督は意識を集中させる。すると提督を光が包む、そして提督の身体に『赤城』の艤装が纏われる。会議室内がざわつく。古鷹が驚いたように聞く、

 

「提督っ!それって...」

「ああ、これは『赤城』の艤装だ」

「提督が何故それを?」

「それは今から説明する。そのことは全部外のやつには話してはいけない。いいな?」

 

 そして提督は話した。転移者のこと、特典のこと、全てを。

 

「....という訳だ。分かったかな?」

 

 全員は無言で頷く。すると睦月が、

 

「実際に飛ばしてみてくれませんか?」

 

 今度は皆目をキラキラさせて頷く。提督は少し考えて、

 

「分かった。じゃあ運動場に行くか」

『『わーい』』

 

 提督を先頭に皆は会議室を出て行く。

 

ー運動場ー

 

 提督は運動場の真ん中で意識を高める。横ではそんな提督を真剣に見る艦娘たちが居た。

 

(意識を集中させたまま...)

 

 提督はそう言い聞かせつつ矢を放つ。矢は炎とともに五機の零戦52型になる。

 

『『おー!!』』

 

 横から歓声が上がる。そんな中、古鷹が提督に

 

「提督」

「ん?なんだ?」

「艤装が纏えるってことは『艦』のほうもあるの?」

「『艦』は無いな」

「どうして?」

「分からない。もしかしたらあるのかもしれないけど見たこと無いだけかもしれない」

「ありがとう。提督」

「ああ。さて、そろそろ戻すぞ」

 

 今まで上空を飛んでいた零戦が提督の飛行板に戻る。その後、艤装をしまった。

 

「それでは、解散!」

 

 そう言った後、提督はその場をあとにした。艦娘たちはその後も「すごかった」など感想を言い合っていたと言う。

 

 

ー駆逐艦A棟・2階角部屋ー

 

19:00

 

 はじめは吹雪だけだったこの部屋も駆逐艦の艦娘が増えて「吹雪」のほかに「睦月」「白雪」「漣」が住んでいる。

 

「ねー。吹雪ちゃん」

「なーにー?睦月ちゃん」

「そのペンギンのぬいぐるみどうしたの?」

「これ?」

 

 今は、みんな思い思いに過ごしている。睦月は吹雪がペンギンのぬいぐるみを大事そうに撫でていたので聞いてみたのだ。

 

「これは前、司令官とお出掛けしたときにゲームセンターのクレーンゲームで取って貰ったんだ~」

 

 そう言ってまた吹雪はぬいぐるみを撫でる。それ聞くと周りでのんびりしていた白雪や漣も加わり、

 

「え!提督とお出掛けしてたの!」

「あれ?言ってなかったけ?」

「言ってないよー!」

「司令官と吹雪ちゃんだけはずるいです」

「こうなったら、ご主人様のところに行って頼もう!」

「ちょっ、ちょっと落ち着いて...」

「そうだね!提督のところに頼みに行こう!白雪ちゃん、漣ちゃん」

「あぁ、待って!」

 

 吹雪の声も虚しく、睦月たちは提督のもとへ向かってしまった。

 

 

ー提督の私室ー

 

 提督は一人静かにベットで横になっていた。そんな時扉が急に開かれて、

 

バンッ!

 

「ご主人様!」

「うわっ!何だ!漣って睦月と白雪まで...グハッ!」

 

 提督が最後まで話す前に漣が提督を押し倒した。

 

「吹雪とお出掛けしたって本当ですか!?」

「そうだか。というかいつまで人を押し倒している?」

「ご主人様が漣たちとお出掛けしてくれるまでです」

「お出掛けならしてやるぞ」

「「「本当?」」」

「本当だ。だから押し倒すのをやめてくれ」

「あ、はい」

「ふぅ。お出掛けはしてやれるが数人だったり連続は無理だ。一人ずつで頼む」

「「「はーい」」」

「じゃあ誰から行くんだ?」

 

 提督の疑問に三人は目を合わる

 

(どうする?)

(睦月から着任した順でいいんじゃない?)

(そうだね)

「睦月から着任した順にお出掛けして貰います」

「分かった。じゃあ今日は遅いから寝なさい。それと睦月」

「はい?」

「明日でいいか?」

「分かりました。おやすみなさい」

「はい、おやすみ」

 

 三人は笑顔で部屋を出た。

 出て行ったのを確認した提督は、

 

(また、大淀に頼んでこなくては...)

 

 その後、提督に頼まれてため息を漏らす大淀が居たとか。

 




 いかがでしたか?後半グダグダしたかもしれません。もう見てくださった方も居るかもしれませんが活動報告を見てください。今後の小説の方針について書いておりますので、

 ご意見ご感想などあれば、お書きください。
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