愉悦部になのはさんがやって来たようです   作:sT油

5 / 9
なのはReflection素晴らしかったですねぇ(更新遅れまして申し訳ありません)
アポもUBWの再放送も今やってますね!今季は最高だ!あ、プリズマシロウも楽しみです


追跡・異変

「本来なら彼の大英雄、ジークフリートこそを喚ぶつもりだったらしい」

神父は出掛ける支度をする私の背に語りかけている。

「だがその触媒は手に入らなかったらしい。もし召喚まで滞りなく進んでいたなら、今回のセイバーのマスターは彼だったかもしれない」

金髪の男、ギルガメッシュの姿は今はない。大方町に繰り出して遊んでいるのだろう。

「じゃあセイバーのマスターはもう別に居るの?」

「いや、こちらではまだ確認していない。もちろんそのマスターが秘匿しているという可能性も無いではないが、この街のマスターと成り得る魔術師にそれらしい動きはない。おそらくまだ召喚されていないのだろう」

首にちゃんと赤い宝石をかけていることを確認して立ち上がる。同時に、私の隣にランサーが音も無く現れる。

「準備はできたか?」

「うん。付き合わせてごめんねランサー」

「何も謝るこたぁねぇ。サーヴァントにとっち当たり前のことだ」

「どうだランサー、尾行はうまくいったか」

ランサーは先ほどの男、アトラム・ガリアスタの拠点を探るため今まで尾行をしていた。当然ながらその指示は神父がしていたが。

「あれでなかなか実戦慣れしてやがる。一度気付かれかかったぜ。まぁ新都のあるビルの地下だったから拠点探しは楽だったがな」

「“狗”らしくよく鼻が利くものだな」

その神父の言葉を聞いた瞬間、ランサーから殺気が迸る。

「俺を、狗と、そう呼んだか」

その殺気を正面から受けながらも、怯むことなく神父は応じる。

「そうだとも。それとも何か? 貴様は狗に嫌な思い出でもあるのか?」

「その言葉、俺を知った上でのものではないだろうな? もし知った上でと言うならば……」

ランサーの槍を握る手に力が籠もっているのを見て、私は急いで二人の間に入る。

「まっ、待って! 今は喧嘩をする時じゃないでしょ! 綺礼さんも謝って!」

「フッ……まぁいい。ご気分害されたのならお詫び申し上げます、光の御子よ」

「貴様ッ――!」

「はいこれでおしまい! 行くよランサー!」

なおも神父に迫ろうとするランサーの腕をとって教会から出る。

「おわっ……チッ、帰ったら覚えてろクソ神父」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

教会を出るとランサーは大人しくなり、殺気も治まった。そのまま新都の中心のビル群へと歩いていく。

「……それにしても、なんであんなに怒ったの?」

ランサーはそれに答えず霊体化し、念話で話しかけてくる。

『嬢ちゃん、ここはもう教会の外だ。何処かから魔術師が見てるかも知れんから、極力会話は念話にしな』

『あ、うん…こう?』

念話がどういう仕組みかはわからないが、その言葉通りをイメージすると簡単にできた。

『ほう。パスが繋がっているとはいえ、あっさり念話ができるたぁ…こりゃ嬢ちゃんは元は魔術師だったんじゃ……』

『そうかな? でもなんにもそれらしいことはできないよ?』

『あぁ…やっぱ違ぇな。こんなマトモな娘が魔術師な訳がねぇ』

『それで? 結局なんで怒ったの?』

ランサーはしばらくの沈黙の後に答えた。

『一応マスターだからな。真名は言っておくか』

『真名?』

『あぁ。俺達サーヴァントはクラスで分けられてるが、当然本当の名前がある。まぁそれは本名も通称も同じなんだが』

『?』

『俺の真名はクー・フーリン。ケルト神話に出てくるアルスターの勇士、クランの猛犬だ』

クー・フーリン…

『誰?』

『おっとそうだったな。嬢ちゃんは記憶が無ぇから知らなくて当たり前か』

『あ、でも怒った理由はわかったよ。自分の名前にもある犬のこと、馬鹿にされたように言われたらそりゃ嫌だよね』

『………』

唐突にランサーが黙る。

『ランサー?』

『………いや、俺は生前いい女とはとことん縁が無かったからな。英霊もなってみるモンだな。……っとそろそろだぜ、¨マスター¨』

唐突なマスター呼びの訳を尋ねようとした瞬間、目の前のビルから得体の知れない寒気を感じた。

「な、に…今の?」

ランサーも実体化し、槍を握る。

「わからねぇ。が、よくねぇことが起こってるのは間違いないな」

「行こうランサー! ここで待ってたって仕方ない!」

「応!」

 

 




誤字脱字、文法的におかしいところありましたらご指摘ください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。