アポもUBWの再放送も今やってますね!今季は最高だ!あ、プリズマシロウも楽しみです
「本来なら彼の大英雄、ジークフリートこそを喚ぶつもりだったらしい」
神父は出掛ける支度をする私の背に語りかけている。
「だがその触媒は手に入らなかったらしい。もし召喚まで滞りなく進んでいたなら、今回のセイバーのマスターは彼だったかもしれない」
金髪の男、ギルガメッシュの姿は今はない。大方町に繰り出して遊んでいるのだろう。
「じゃあセイバーのマスターはもう別に居るの?」
「いや、こちらではまだ確認していない。もちろんそのマスターが秘匿しているという可能性も無いではないが、この街のマスターと成り得る魔術師にそれらしい動きはない。おそらくまだ召喚されていないのだろう」
首にちゃんと赤い宝石をかけていることを確認して立ち上がる。同時に、私の隣にランサーが音も無く現れる。
「準備はできたか?」
「うん。付き合わせてごめんねランサー」
「何も謝るこたぁねぇ。サーヴァントにとっち当たり前のことだ」
「どうだランサー、尾行はうまくいったか」
ランサーは先ほどの男、アトラム・ガリアスタの拠点を探るため今まで尾行をしていた。当然ながらその指示は神父がしていたが。
「あれでなかなか実戦慣れしてやがる。一度気付かれかかったぜ。まぁ新都のあるビルの地下だったから拠点探しは楽だったがな」
「“狗”らしくよく鼻が利くものだな」
その神父の言葉を聞いた瞬間、ランサーから殺気が迸る。
「俺を、狗と、そう呼んだか」
その殺気を正面から受けながらも、怯むことなく神父は応じる。
「そうだとも。それとも何か? 貴様は狗に嫌な思い出でもあるのか?」
「その言葉、俺を知った上でのものではないだろうな? もし知った上でと言うならば……」
ランサーの槍を握る手に力が籠もっているのを見て、私は急いで二人の間に入る。
「まっ、待って! 今は喧嘩をする時じゃないでしょ! 綺礼さんも謝って!」
「フッ……まぁいい。ご気分害されたのならお詫び申し上げます、光の御子よ」
「貴様ッ――!」
「はいこれでおしまい! 行くよランサー!」
なおも神父に迫ろうとするランサーの腕をとって教会から出る。
「おわっ……チッ、帰ったら覚えてろクソ神父」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
教会を出るとランサーは大人しくなり、殺気も治まった。そのまま新都の中心のビル群へと歩いていく。
「……それにしても、なんであんなに怒ったの?」
ランサーはそれに答えず霊体化し、念話で話しかけてくる。
『嬢ちゃん、ここはもう教会の外だ。何処かから魔術師が見てるかも知れんから、極力会話は念話にしな』
『あ、うん…こう?』
念話がどういう仕組みかはわからないが、その言葉通りをイメージすると簡単にできた。
『ほう。パスが繋がっているとはいえ、あっさり念話ができるたぁ…こりゃ嬢ちゃんは元は魔術師だったんじゃ……』
『そうかな? でもなんにもそれらしいことはできないよ?』
『あぁ…やっぱ違ぇな。こんなマトモな娘が魔術師な訳がねぇ』
『それで? 結局なんで怒ったの?』
ランサーはしばらくの沈黙の後に答えた。
『一応マスターだからな。真名は言っておくか』
『真名?』
『あぁ。俺達サーヴァントはクラスで分けられてるが、当然本当の名前がある。まぁそれは本名も通称も同じなんだが』
『?』
『俺の真名はクー・フーリン。ケルト神話に出てくるアルスターの勇士、クランの猛犬だ』
クー・フーリン…
『誰?』
『おっとそうだったな。嬢ちゃんは記憶が無ぇから知らなくて当たり前か』
『あ、でも怒った理由はわかったよ。自分の名前にもある犬のこと、馬鹿にされたように言われたらそりゃ嫌だよね』
『………』
唐突にランサーが黙る。
『ランサー?』
『………いや、俺は生前いい女とはとことん縁が無かったからな。英霊もなってみるモンだな。……っとそろそろだぜ、¨マスター¨』
唐突なマスター呼びの訳を尋ねようとした瞬間、目の前のビルから得体の知れない寒気を感じた。
「な、に…今の?」
ランサーも実体化し、槍を握る。
「わからねぇ。が、よくねぇことが起こってるのは間違いないな」
「行こうランサー! ここで待ってたって仕方ない!」
「応!」
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