最初はほとんど原作と同じなんで適当に流してもいいですね
それでは、どーぞ
「ふーん♪ふふんふーん♪」
「安藤さん、ご機嫌ですね。何かあったんですか」
「《黒焔》のいい感じの解呪の呪文思い付いたからね!さっそく鏡の前で試さなきゃダメでしょ!」
「ちゃんと灯代に言われた混沌が多いってのもカバーできたからね!」
安藤さんはホップ・ステップ・ジャンプの勢いで階段を下り、1階にある部室へと乗り込んだ
ものすごい勢いである
やっと追い付いたと思ったら、安藤さんはまだ部室の外にいた
「安藤さん、どうしたんですか?」
「しーっ!静かに、面白いの見えるから」
安藤さんは小さな声でいいながらドアの窓を指差した
中を除いてみると、そこには、鏡の前に立っている灯代さんがいた
「……ふふっ」
なにやら、笑っているようだが、何で笑っているかはわからない
「いいわ。そこまで言うのなら、この神崎灯代が相手をしてあげる。けれど、あなたごときの異能でこの私に──世界の理をを統べる《永遠》【クローズドクロック】に対抗できるのかしらね?」
そう言うと、バサアッ、と。まるで床につくぐらいに長い髪であるかのようにかき上げる。
口元はやや笑っているようだった
「カッ」と、ハイヒールをはいているかのような音を(口で)たてる
「もう、後悔しても遅いわよ。さあ──時の狭間に閉じ込められて永劫にさまよい続けるがいい!」
灯代さんは、いったい何がしたいのだろう隣にいる安藤さんをみると、凄いニヤニヤしていた
そうすると安藤さんはがらりとドアを開いた
灯代さんはビクッと大きく飛び上がり、機械のような動きで振り返ってくる
「あ、あ、安藤……それに、遥海まで……」
顔を青くなったり赤くなったりしながら、ぱくぱくと口を動かす
「み、み、みみみ見た?」
安藤さんは、思い切り爽やかな笑顔でこういい放った
「厨二、乙!」
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ものすごい悲鳴も共に、灯代さんが消えた。どうやら異能を使ったらしい。
部室の外へと逃げたのかと思ったら、部室の隅で頭を抱えながらうずくまっていた
「遥海にならまだしも、安藤にまで見られた」
安藤さんは、灯代さんのことなどお構いなしに肩をポンポン叩きながら、
「まあまあ」
などといっている。
「いやーしかし灯代も人が悪いよなあ。なんだかんだ言いつつ、俺のつけてあげた能力名、気に入ってるじゃん。今までの態度は、ツンデレだったのかー」
どうやら、今の状況は、いつもは安藤さんが厨二?と、言われている不可解な動作をバカにしたり、冷やかしたりしていたが同じようなことを灯代さんがやっているため、逆に冷やかしているらしい。
灯代さんは、ぎろりと安藤さんを睨み付けているが、その目には涙がたまっているためか、いつものような怖さを持ってはいなかった
「ちょ、調子に乗んな!」
「いやいや?調子に乗ってるのは、部室で1人なーんかなってたどっかの誰かさんじゃないでしょうかねー」
「あ……あんただって似たようなことしょっちゅうやってるくせに……」
何だか灯代が喋る旅にぼろを出す中ボスのようになっていた
「うん。俺はやるよ。だってかっこいいもん。俺は何も恥ずかしくないし、でーも、そんな俺の素晴らしき儀式を厨二、厨二っていっつも小バカにしてたのは誰だったかなー」
「ば、バカにしやがって……」
「おいおい、俺はちっともバカになんてしてないぞ、むしろ嬉しいですくらいだ、ようやく同士に出会えたんだからなー」
「私は同士じゃない!」
うがー!と、吠える灯代さんだか、安藤さんのニヤニヤが止まるようすはない
「ふーん?じゃあ、どうしてあんなことしてたのかなー?厨二は嫌いなんじゃ無かったっけ?」
体をぷるぷる震わせながら灯代さんは語り出した
「厨二はだいっ嫌い…でも、たまに、たまーーーにだけど、『うあ、かっこいいな』ってのも………ある。」
「ほほう」
「中でも、《永遠》【クローズドクロック】ってのはいいセンスだと思う。永遠って書いてクローズドクロックって読むのは、私の能力とも合ってるし、時計に閉じ込めるというのがちょっと、いいって思う。」
「くく、くくくく!」
安藤さんは、物凄い嬉しそうに笑っていた
「ああもうっ、そんな反応されると思ったから言いたくなかったのよ!」
「立ちなさい!こうなったら決着をつけるわよ!あんたのショボい能力じゃ、絶対に私には叶わないんだから!」
「いやー、勘弁してくださいよー。世界の理を統べる《永遠》【クローズドクロック】さんに俺は敵わないっすわー。こえー。時の狭間に閉じ込められるー」
「う、うわ─────ん!」
「灯代さんは勢いをつけて立ち上がったと、思ったがすぐに突っ伏してしまった」
「と、灯代さん大丈夫ですか……?」
「大丈夫なわけないでしょ、いいから私なんかほっといて…」
完全にダウンしている
「ふん、貴様ごとき、我が《黒焔》【ダークアンドダーク】を使うまでもなかったな」
「……………って、ああ!?」
「どうしたんですか安藤さん、急に大きな声だして。」
「おい灯代!お前のせいで解呪の呪文忘れちまったじゃねえかよ!」
「知るか!責任なすりつけないでよ!」
「なんだったっけ…混沌を2回までに押さえたってことしか思い出せない」
「二回でも多くないですか?」
「くそ、メモっとくんだった…」
「つー訳で灯代、パソコン貸してくれ」
「だ、だめぇぇ!」
と、安藤さんの伸ばした手は猛スピードで閉じたパソコンに挟まれてしまった
「だ、大丈夫なんですか?」
「ああ、これくらいは平気だ、灯代、何すんだよ、エロサイトでも見てたのか?」
「あんたと一緒にするな!使うなら許可取れっていってるでしょ?ほら、もう使っていいから」
「おう、悪いな」
安藤さんがパソコンを使いはじめてから灯代さんが壁一面にある本の中から本を読み始めたので、俺も漫画を何冊か机におき、読み始めた
置いておいた漫画が読み終わる頃には彩弓さん、鳩子さん、千冬ちゃんがもう揃っていた
「灯代、パソコンサンキュー」
「安藤さん、思い出したんですか?」
「思い出したとはちょっと違うかな。舞い降りたっていうか巡り合ったというか」
「……うざ」
「お陰で新たなる二つ名も思い付いたし、結果オーライかな」
安藤さんは灯代さんの言葉を無視しつつ、鞄から一冊のノーとを取り出した
「でたっ!黒歴史ノート!」
「黒歴史ノートじゃねえ!『紅き聖書』【ブラッディバイブル】だ!」
「安藤さん…まさかそこまで悪化してたんですね」
「おい、遥海までナチュラルにひどいこと言ってくんじゃないよ。」
「あー。ジューくん、それってあのとき買った黒いノート?」
「あのとき?」
「うん。懐かしいなー。1年くらい前だっけ?一緒に文房具屋さんを5件くらいハシゴして探したんだよねー。ジューくんってば、店員さんに何回も『黒いノートってありませんか?』って質問して」
「安藤……そんなことしてたの…」
「い、いやいや、何言ってるの鳩子?これは、あれだから。デスノート的なあれだから。」
「それからジューくんはノートの白いラインの部分赤ペンでなぞって、名前書くところも1回黒く塗ってから、わざわざ修正ペンで名前書いて。昔からジューくん図工得意だったよね」
「この『ギルディア・シン・呪雷』って最初に私が部室に来たときに名乗っていた名前ですよね?」
「ああ!この名前にはな、背徳的でダークネスでカタストロフィな魅力が隠されているんだ!」
「アンドー」
「ん?どうしたの千冬ちゃん?」
「ノートで遊んじゃ、ダメ」
「千冬ちゃん、違うんだよ。これは、『紅き聖書』っていってね?」
「……」
「すいません」
「うむ。よろし」
「てか安藤さん、」
「今度はなに?」
「バイブルのスペル間違ってませんか?」
「……え?」
「少し違和感感じたから調べてみたんですけど、バイブルは【bible】これは、【vivlre】、これじゃビブレですよ。」
「………え!ええ!?さ彩弓さん!前に訪ねたときに【vivlre】だって教えてくれましたよね!?」
「ぶふぅっ!」
焦る安藤さんに対し、彩弓さんは堪えきれなくなったように吹き出した
「……す、すいません、ふふっ。私が間違って、教えてしまいまし…くふふっ」
明らかにわざとでしょこれ!?
頭が良く、文武両道を通している彩弓三ヶ森こんな間違いするわけないもん!
なんというドM!
「あ、安藤、これじゃビブレよ。ブラッディビブレ。何でイオンのショッピングモールが血まみれになってんのよ…くく…」
「でも、ジューくん。このノート買ったの駅前のビブレの文房具屋さんだからなんか運命的だねー。」
「べ、別にいいし!俺がいた世界では【bible】じゃなくて【vivlre】ってことにするから!ジョジョ五部がイタリアだったから【JOJO】じゃなくて【GIOGIO】だったみたいなもんだし!」
文芸部のメンバーに、安藤を慰める人はいないことはきっと本人も気付いているので、少し時間がたてばすぐに立ち直るだろう
予想通り、数分後にはさっきまでの出来事がなかったように普通にノートをペラペラとめくって、「そう言えば」と、話を切り出した
「みんなの二つ名ってどういうの?」
その瞬間、部室が変な空気になった
「安藤くん、何ですかその二つ名を持ってるのが前提の質問」
「ええ!もしかして、みんな二つ名持ってないんですか!?」
「普通の人にはまずありません」
「そうかぁ…。となると、俺はやはり特別で異質な存在だったと言うことか…」
「いや自分で考えてる内は、二つ名って呼べないんじゃないですか?」
「ハトコ、二つ名ってなに?」
「うーん。二つ名ってニックネームみたいなものでしょ?」
「ニックネームとはちょっと違いますね。普通の人に馴染みがあるものは、『東洋の魔女』や『大魔人』などでしょうか。スポーツの世界では、二つ名や異名は割りと多いと思います」
「漫画の世界で多いのは、『魔女』とか『氷の女王』とか『死神』かなあ、この3つは出回ってて、パクリにはならなそう。魔女は『○○の魔女』って感じで無数に派生がある感じだし」
と、分かりやすい説明をしてくれた
「なるほど、『平成のコント職人』とか『トークの魔術師』とか、そう言うのだね」
鳩子さんらしい例えだった。鳩子さんは安藤さん曰くお笑いが好きらしい、笑点を毎週見てるらしいし、M-1終わったとき号泣してたとか
「よし、それじゃあ今日は、みんなで二つ名を考えてみるか」
「私は別にいいですけど…他のみんなが反対すると思いますよ」
「嫌よ」
「嫌です」
「嫌だよー」
「ぶー」
全員一致のブーイングの嵐。やはり、文芸部の全員は反対した
「二つ名ってのは、自然と回りから呼ばれているうちに定着するもんでしょる自分で考えるもんじゃないわ」
灯代さんのごもっともである
「ていうか、私はともかく、他の皆は能力名があるんですから《一方通行》【アクセラレータ】とか《超電磁砲》【レールガン】みたいな感じで能力名=二つ名でよくないですか?」
「それもいいんだけど、やっぱり、いっぱいほしいじゃん?」
「いらないわよ。別に二つ名自体に文句はないけど、自分で考えるのは嫌」
……二つ名事態に文句はないんかい
さっき鏡の前でやってたこととか、きっと灯代さんも昔は安藤さんみたいな感じのことをやっていたんだろう。
「千冬ちゃん」
「なに?」
「二つ名、ちょっと考えてみないる」
「それ、楽しい?」
「超楽しいよ」
「じゃ、やる」
きたなっ!?
この部活は、千冬ちゃんの意見が何よりも尊重される。つまり、千冬ちゃんが安藤さん側についてしまった以上、二つ名を考えるの活動の始まりである
「えー、二つ名にもパターンというものがあります。まずは基本的なところから始めましょうね。えー、二つ名には名前を二分割できるものがあります。私共の世界ではこれを『上の句』と『下の句』と呼びますね」
「どこの世界だ」と、いう灯代さんの突っ込みをむしし、安藤さんはホワイトボードにすらすらとペンを走らせる
『魔女』『死神』『女王』『王』『覇者』『貴公子』『魔術師』『道化師』
「まあ、この辺りがオーソドックスな『下の句』ですね。では、『上の句』というのはと言いますと」
『紅き』『黒』『漆黒』『金色』『禁断』『混沌』『戦乱』『忘却』『運命』『暁』
「こんな感じになりますね、『上の句』には、色を表す言葉が入る傾向が多いですねー。ここで一つ、『上の句と』と『下の句』を合わせて二つ名を作ってみましょう」
『黒の王』
「黒の王、これだけでも十分ですけど、ここにもう一つアレンジを加えましょう。二つ名も料理と一緒で、一手間加えることで深みを増すんですねぇ、それでは鳩子くん」
「はい!」
「それでは、ここにルビ、読み仮名みたいなものです。とりあえず、この『黒の王』の脇にカタカタで何か書いてみてください」
えっとー、と悩みながら、鳩子さんはペンを走らせる
『黒の王』【ブラックキング】
まあ、普通に考えたらそうなるだろう
「できましたー。ねーねー、どう?ジューくんの好きなのはこういうのだよね」
「……はあー」
「鳩子。貴様には失望したぞ」
「あ、いつもの安藤さんに戻った」
「そのくらいショックだったということだ。鳩子。貴様はこの17年間、何を学んでいきてきたんだ?」
「いろんなこと勉強して生きてきたよー」
「じゃあ遥海、ならこれに何てルビをふる」
「うーん…」
『黒の王』【アルカイック・スマイル】
「これなんてどうですか?『黒の王』というくらいですから、アルカイックスマイルの持つ不自然な笑みが似合うと思ったんですが…」
うーん。どうだろう…やっぱり、ちょっと長すぎた?
「す、素晴らしいぞ遥海くん!ここまで捻りがきいていて、上の句とのマッチしている二つ名をこれまで生きてきてそうと見たことがない!やはり遥海くんには素質があるよだ!私の二つ名、『黒の王』【ロードオブタナトスに勝る勢いだな】」
「そ、そう言ってくれると嬉しいです」
……なんだか、思った以上に誉められた…
「それでは!他の皆さんも遥海くんのを参考に、自らの二つ名を考えてみましょう!これまでたくさんの時間があったのでだいたいはできていると思いますが…」
「まずは鳩子くん。」
「ふっふー。自信あるよ」
自信はある、と言っているがさっきのを見てるとやや心配だ
「じゃじゃーん!『赤い鳩子』!」
…マニュアル通り!
ていうか、安藤さんの『上の句』『下の句』の講義を見事にマイナス活用した!
「これでいいんでしょ?考えるの『上の句』には、色をいれればいいんでしょ?」
「だからって自分の名前に付けるなよ。『赤い鳩子』って意味不明だろ!」
「えー、ジューくんの『黒の王』か【ロードオブタナトス】だって意味わかんないよー」
「ぬ………」
「とにかく、それはボツだ。次」
「『青い鳩子』」
「同じだよ!」
「えー。でも私、10個めまで全部、色になってるよ」
「何でだよ!?お前は色鉛か!?」
「うーん。そのたとえ突っ込みは微妙だね」
「……笑いにたいしては厳しいよなお前って」
「あ、ジューくん。思い付いた思い付いた今度こそ大丈夫」
「よし。言ってみろ」
「『ノリツッコミの鳩子』」
「いや、お前無理だろ、ノリツッコミ……」
「えー、そんなことないよー。できるもん──って、できるかあっ!」
で、できてる!?できないって言っときながら!?なにその矛盾した突っ込み!?
「えへへ。できたよできたよ!じゃあ、私の二つ名は『ノリッッコミの鳩子』だね!」
─安藤さんも困ってはいるようだからあの天真爛漫な笑顔を断ることはできないらしい
「じゃあ、次は彩弓さん。」
「あまり自信はありませんけど」
……そう言ってかなりハイレベルにこなすんだろうなー
「『粉雪姫』」
「ああ、いいですね」
これは、白雪姫を少しひねったんだろう
「逆に白雪姫をいじらずに『白雪姫』【スノーホワイト】」
やはり、そつなくこなしている
安藤さんも文句一つ言わずにいるからなぁ
「『黒雪姫』」
「わざとやりましたね、」
「『眠り姫』【スリーピングビューティー】これは、私というより千冬ちゃんでしょうか」
「『戦乱の歌姫』」
「いいですね。全部文句なしですよ」
「そう言えば彩弓さん、1ついいですか」
「何ですか。遥海さん」
「彩弓さんの二つ名、姫とかで、かわいいのばっかりですよね。」
「……え?」
「ほら、彩弓さん大人びてるので、魔女とか、そういうのが多いと思ったんですが、かわいいのが多いのでなんか前より親近感感じられる気がします」
「そ……そう言ってくれると嬉しいばかりです」
彩弓さんはいつものように優しい笑みを浮かべているが頬がやや赤らんでいるように感じた
「ははは、確かに、彩弓さん意外とかわいいの多いですねー。」
「……ふんっ!」
「ぎゃああ!」
ああ!揚げ足を取った安藤さんが洗礼された動きで関節技を決まられてしまった!
「騒がないでください。肩間接を外しただけです」
「ちょっ!?彩弓さん、それ結構な事件じゃないですか!?」
「心配ありません。外したと同時に『始原』【ルートオブオリジン】で治しましたから。安藤さんには痛みは一瞬しかありません」
…………なんてハイレベルな……………
「いてて……で、彩弓さんの二つ名はどうしましょうか?」
「そんなの、『ドキドキ天使サユミちゃん』で」
「…え、ええ?」
………あーあ、彩弓さん拗ねちゃった
多分、『かわいい』という言葉にたいしての反応だろう、女子から言われるのはともかく、安藤さんに言われたのに照れ隠しで技を決めたのかな
「じゃあ、次は千冬ちゃん」
これ以上痛み弓さんに交渉するのは無理だと思ったのだろう。相手を切り替えた
「千冬、頑張った」
「どれどれ」と。安藤さんが千冬ちゃんが書いたノートを見るとそこにあったのは
「『苺』【ミカン】」
………………うん、なんというか、ただの誤読みにしかみえない
「『苺大福』【ミカンミカン】」
「えーと、千冬ちゃん、何で2回ミカン言ったの!?」
「アンドーの、【ダークアンドダーク】真似した」
「ぐ………」
「その、果物意外にはなにかないの?」
「ある」
ああ、あるのか
まあ、千冬ちゃんはずっと考えてはノートに書いていたので、あるほうがおかしくないだろう
………それより、この安藤さんと部員の会話、いろいろ突っ込みどころが多くないか………
(あの、灯代さん……)
(………気にしたら負けよ)
(あ、はい)
灯代さんも苦労してるんだなあ
こんなに聞いてる側のほうがムズムズする会話なんてはじめてだなあ
「果物じゃないの、あった。」
「『お母さん』【おとうさん】」
「なんか複雑な家庭っぽいっ!?」
うん。それ俺も思いました
「千冬、お母さんもお父さんも大好き」
うん。それ自体は良いことなんだけどね
「『昔のお母さん』【オニババア】」
昔のお母さんなにがあったの!?
「『帰りが遅いお父さん』【ウワキモノ】」
「『お父さんの仕事仲間』【ドロボーネコ】」
うわあ、ノートをめくるたびにひどくなっている……
安藤さんも微妙な顔になってるよ………
「ち、千冬ちゃん。中でも一番気に入ったの選んでみよっか」
千冬ちゃんは腕を組んでみたり、足をパタパタさせたり、ぬいぐるみのリッスンのしっぽをびよんびよん引っ張ったりしながら、1分ほどたって、「これ。」と、1つの二つ名を指差す
「『酢豚』【パイナップル】」
う、うわぁぁぁぁ……
ダントツにシュールすぎる
「ち、千冬ちゃん。本当にそれがいいの?」
「千冬、酢豚に入ってるパイナップル、好き」
「だから、よくお母さんがパイナップルしか入ってない酢豚作ってくれる」
それもう酢豚じゃないでししょ…
「これから千冬のことは、《酢豚》【パイナップル】と呼ぶがいい」
「じゃ、じゃあ次は灯代だな」
「もう、やるなら早くしてよね」
そう言ってのーとを指す
『宵闇に嗤う二律背反の魔女』【エンドレスパラドックス】
か、かっこいいな!
「て、適当にあんたが好きそうなの考えて上げただけなんだからねっ!」
「灯代」
「な…何よ」
「直すところ1個もないし、完璧でかっこいいけど、これは言わせてくれ」
「………厨二、乙」
「酷くないっ!?こっちはせっかくあんたのために考えて上げたっていうのに!?」
「いや、別に悪くいう訳じゃないけど。やっぱり、昔そんなんだったんだな」
「そんなって何よ!?あんたにだけは言われたくないわ!?」
そう叫ぶように怒ったかと思うと、いつものように教室の隅で体育座りをしていた
「…なによ。せっかく考えて上げたと思ったらそう言われなくちゃいけないのよ。あんたに言われたからやったのに書いたら書いたで今度はなによ、厨二乙って……………」
あーあ。完全にダウンしている
「じゃあ、最後に遥海だな」
「まずは、『白の王』【ホワイトルーツ】さっきのを『黒の王』の派生って感じですね。」
「なるほど、ルビもいい感じだし、いい感じだよ」
「そこの本棚にある神話とか参考にしたんですが」
「『世界樹に眠る水仙の花』【スリーピング・ユグドラシル】」
「やっぱり直訳すぎましたか?」
「まあ、そうかもしんないけどヤバイほどかっこいいわ」
「他には、『法により狩るもの』【アル・テミス】」
「これは狩猟の神と法の神をかけたんですよね」
「それでも一番気に入ったのは……」
「これですかね。『蒼焔の煌帝』【メール・ソレイユ】」
「直訳だと海と太陽なんですけど、あえて皇帝の『皇』を『煌』にしてみたんですよね。いやー
いざ考え始めたらなかなか楽しいものですね。」
「遥海…」
「はい?」
「お前、優勝。」
「…え?」
「優勝すると、何かあるんですか?」
「明日から1週間、二つ名で呼んでもらえる権利がもらえます」
「という訳で!第1回二つ名コンテスト、栄えある優勝者は──《蒼焔の煌帝》【メールソレイユ】神崎遥海さんでしたっ!」
「これってコンテストだったんですか!?」
「皆さん拍手!」
『ワー』パチパチ
「あ、安藤さん!こんなことしたら今日の授業のこと言っちゃってもいいんですか!?」
「くっ、じゃあ!繰り上げて《宵闇に嗤う二律背反の魔女》【エンドレスパラドックス】神崎灯代です!」
「ちょっ!?遥海!きたないわよそれ!?」
『ワー』パチパチ
「それでは皆さんご唱和ください!エーンドレス!エーンドレス!」
『エーンドレス!エーンドレス!』
「は、遥海まで…」
「パラドックス!パラドックス!」
『パラドックス!パラドックス!』
「二律背反! 二律背反!」
『二律背反! 二律背反!』
「二律背反! 二律背反!」
『二律背反! 二律背反!』
「二律背反だけ長くない!?」
「二律背反! 二律背反!」
『二律背反! 二律背反!』
「二律背反! 二律背反!」
『二律背反! 二律背反!』
「もうお願いだからやめてえぇぇぇぇぇ───っ!」
部活が終わり、6人の子供達が夕焼けに染まる町を歩く
『黒の王』【ロードオブ】
『ノリッッコミの鳩子』
『ドキドキ天使サユミちゃん』
『酢豚』【パイナップル】
『宵闇に嗤う二律背反の魔女』【エンドレスパラドックス】
『蒼焔の煌帝』【メールソレイユ】
…………なにこのコレジャナイ感………
次回、やっとこ話が動きます(多分)