評価によっては継続していこうと思います。
???
「おい、織斑千冬が決勝にで出るぞ!」
「マジかよ!? アイツ、自分の家族よりも名誉を選んだのかよ!」
怪しい男たちが向こうで声を上げながら言っている。俺は失望した。
千冬姉は俺よりも名誉を選んだのか。
しばらくすると男たちが俺の方へとやってくる。ああ、俺ここで殺されるのかな?
「小僧、お前には気の毒だが消えてもらうぜ。」
男のうちの一人が拳銃を俺の頭に突きつける。撃つなら早く撃ってくれ。さっさと死んだほうが気が楽だ。
「小僧、何かいい残すことはあるか?」
「なら千冬姉に伝えてくれ。アンタには飽き飽きした。俺はアンタのことが大っ嫌いだってな。」
「確かに聞いた。じゃあ・・・・・」
「待て!」
そのとき誰かの声が男たち全員を振り向かせた。するとどうだろうか。
男たちは何か漫画とかで言う早撃ちで全員眉間を打ち抜かれて倒れた。俺はただ茫然とした。
「大丈夫か、君?」
向こうから男の人が駆け寄ってきて俺の体を調べる。
「よかった、どこも怪我がないようだな。」
男の人は安心する。
「・・・・・なんでだよ。」
「ん?」
「なんで俺のことを助けたんだよ!」
俺は思わずその男の人に怒鳴り散らした。男の人はいきなりの出来事に少し目を丸くしていた。
「俺には何もないのに・・・・・誰にも必要とされていないのに・・・・・なんで助けたんだよ!俺なんか生きてる価値なんてないんだよ!」
俺、織斑一夏は泣きながら男の人に怒鳴った。男の人は黙って俺の話を聞いていた。
「家族にも見捨てられて・・・・俺なんか生きている資格なんか・・・・・」
「馬鹿野郎!」
「!?」
男の人は俺のことを殴った。いきなりなもんだから俺は痛みよりも男の人の顔を見た。
「何故そこで諦めようとするんだ!お前はまだ生きているんだぞ!男はな、生きている限り戦い続けるんだ!どんな時も、どんなことにも挫けることなく・・・・前を突き進まなければいかんのだ!」
「・・・・おじさん。」
「・・・・今の君には確かに何もないのかもしれん。だが、君はまだ若いんだ。また、一から始めることもできる。」
「うう、ううう・・・」
「男はぐずぐずするもんじゃない・・・・・!」
男の人は咄嗟に後ろを振り向いて銃の引き金を引いた。よく見るとそこには死んだはずの怪しい男のが銃で撃とうとしていた。
「おのれ・・・・・銀河連邦警察め・・・・。」
男は倒れるとその場で死体は消滅してしまった。
「やはりマクーが絡んでいたか。」
「い、今のは!?」
「詳しいことは後で説明する。こちらも急がねば・・・」
男の人は俺の手を引っ張り急いで走っていく。
日本 ???
「では、警備を怠るなよ。」
「了解しました。」
外では警察が私が不審な行動をとらないかどうか見張っている。おかげで私は一人ぼっちだった。
全て姉さんのせいだ。姉さんが日本政府から逃げ出さなければ。
「・・・・お父さん、お母さんお元気ですか?この手紙を呼んでいる頃には、私はもう・・・・」
私、篠ノ之箒は今どこにいるか分からない両親宛てに遺書を書いていた。はっきり言うと、自殺を考えているんだ。姉さんのせいで私たち家族はバラバラにされた。そのおかげで私は今政府の管理下で苦しい生活を送っている。今まではいつかきっと会えると信じ続けていたが、もう疲れた。
「よし、これで全部整った。」
私は遺書を封筒に入れると家の二階へと上がっていく。流石に警備している警察でも私が二階から飛び降りれば対処しきれまい。もう、こんな生活はウンザリだった。でも、一つだけ悔いが残っている。
「もう一度、一夏に会いたかった・・・・・?」
私は思わず泣きたくなったとき、外の異変を感じた。外がやけに静か過ぎた。いつもなら警官がいろいろ連絡を取ったりしているはずなのに。私は変だと思い、玄関の方へと行こうとした。そのとき
「篠ノ之箒を見つけ出せ!連中の話ではこの家にいるはずだ!」
私は思わず背筋がゾッとした。外の警官たちが殺されていたのだ。その上に不気味な怪人と覆面を被った男たちが今に家の中へと突入しようとしていた。
「な、なんなんだアイツら!?」
私は急いでその場から引き下がろうとした。しかし、その直後、レーザーが私の顔のすぐ近くを通っていった。思わず立ち止まってしまい私は唖然とした。
「貴様が篠ノ之箒だな?やっと見つけたぞ。」
怪物は笑いながら私を見る。
「貴様を見つけるのには苦労したぜ。なんせ他の連中は血の気が多いダブルマンを送っちまったせいで捕まえる前に殺しちまったんだからな。」
私はその言葉に思わず唖然とした。
「殺した?お父さんもお母さんも?」
「困ったもんだぜ? 篠ノ之束への人質にしようと思ったのに、実際コンタクトを取ったら『はいはい、束さんはそんなことには全然興味がないから~』だとさ。 そんであんまりにもムカついたから・・・・・」
「ふざけるなああああ!!!!」
私は怒りのあまりに怪物を殴り飛ばした。そして、もう一発お見舞いしようとしたら戦闘員みたいな奴らに抑えられる。
「離せ!離せええええ!!!」
「痛てぇじゃねえか! 全くこの家族は母親以外血の気が多いぜ。 我等マクーに敵うと思っているのか?」
この怪人ダブルマンは殴られたところを抑えながら私の方を見る。
「なあに、俺は他のダブルマンとは違う。てめえは篠ノ之束に対しての人質として・・・・・」
そのとき私達の足元にカプセル状の何かが転がってきた。
「ん?なんだこれ?」
戦闘員が取ろうとした瞬間、それはすごい煙を上げて爆発した。
「なっ、なんだ!?」
ダブルマンは思わず私を離して思わぬ事態に戸惑う。離された瞬間私は他の誰かの手に引っ張られその場から離れて行く。
「だ、誰・・・・」
「大丈夫!私にしっかり掴まって!」
女の人の声だった。私は精神的に疲れたのか、ただその人に引っ張られていくだけだった。
日本 見知らぬ山奥
「もうすぐでマリーンが来るはずなんだが・・・・」
ボイサーは宇宙船の外で腕時計を見ながら言う。その隣では一夏が大人しくしていた。
「あの・・・・ボイサーさん。」
「ん? なんだい一夏君。」
「ボイサーさんって本当に宇宙人なんですか?どう見ても日本人にしか見えないんですけど・・・」
「ハハハ、まあ確かに日本人にしか見えないな。でも、私はこれでもバード星人なんだ。」
「なんか信じられないけど、こんな宇宙船まで見せられちゃな。」
一夏はそう言いながらそこら辺の岩にしゃがみ込む。宇宙船の中でニュースを見たが一夏の誘拐についての話はなかった。
「ここまで情報を隠蔽してしまうとは。 この地球が銀河連邦警察に見放されるのも時間の問題だな・・・。」
ボイサーは苦笑しながら言う。
「そう言えば、ボイサーさん。 ボイサーさんはどうして地球に来て、ひっそりと活動しているんですか?」
一夏の質問に対してボイサーは自分の首に付けているペンダントを開いて見せる。ペンダントにはボイサーと一人の女性の写真が貼ってあった。
「死んだ妻の故郷なんだ。ここにいると妻が近くにいるように感じるんでね。だから銀河連邦警察が見放そうとしても、私はこの星のマクーの犯罪を阻止している。」
「そうなんですか。」
一夏は正直不味いことを聞いたと思って後悔した。
「すみません。なんか失礼なことを聞いて。」
「気にしなくてもいい。ところで一夏君は本当にいいんだね?お姉さんに会わなくても。」
一夏は黙って首を縦に振る。
「正直、千冬姉に会っても今まで通りになって何も変わらないんと思うんです。だから俺もボイサーさんみたいに宇宙刑事になって陰からでも誰かを守るような人になりたいんです。」
「そうか、でも宇宙刑事の訓練は厳しいぞ?」
「そんなの覚悟の上です。」
「ハハハ、頼もしい限りだな。」
二人がそう会話している間、女性の声が聞こえてくる。
「ゴメン、お待たせ!」
「おっ、やっとマリーンが来たようだな。」
ボイサーと一夏は声のした方を見る。向うではマリーンらしき人物が手を振りながら来る。しかし、一夏はそのマリーンが引っ張っている少女に驚いた。
「ほ、箒!?あれってもしかして箒か?」
マリーンが到着すると一夏は放心状態になっている箒を揺さぶる。
「おい、箒!しっかりしろ!」
「・・・・・・」
「箒!」
一夏は箒を揺さぶる。すると箒は我に返る。
「い、一夏?一夏なのか!?」
「久しぶりだな、でもどうして箒が・・・・」
「ううう・・・・・うわあああああああ!!!!」
箒は一夏の胸の中で泣き出した。
「どうしたんだよ!急に!?」
「殺されたんだ!お母さんとお父さんが・・・・・怪物どもに・・・」
箒は泣きながら答える。
「君やご両親を襲ったのは、宇宙犯罪組織マクーだ。」
「マクー?」
箒はボイサーの方を見る。
「奴らの狙いは、おそらく篠ノ之束を手駒にし、この星を犯罪に溢れた星に変えることだろう。」
「でも・・・・姉さんのためだけに・・・・どうして・・・・お父さんやお母さんまで・・・・どうしてなんだ!」
「箒、少し落ち着け。」
「落ち着いていられるか!姉さんのために殺されたんだぞ!お前に家族を殺された気持ちがわかるか一夏!」
「・・・・・俺は捨てられたんだ。」
「え?」
一夏は拳握り絞めながら言う。
「俺は・・・・・顔も覚えていない両親に捨てられ、たった一人の家族だった千冬姉にも捨てられたんだ。」
「ち、千冬さんに?」
「昨日、モンドグロッソの決勝だっただろう?俺、あの時誘拐されたんだ。」
「誘拐・・・・」
「千冬姉の事だからきっと俺を助けに来てくれると信じていた。でも、結局千冬姉は自分の栄光の方を選んだ。もし、ボイサーさんが俺のことを助けてくれなかったら、俺は今頃死んでいた。」
箒は段々自分が言っていたことの情けなさを感じ始める。
「俺はそのとき、自分はもうどうなってもいいと思ったんだ。けど、ボイサーさんが言ってくれたことで少しは立ち直れた。俺はまだ生きているんだ。だから、新しい俺を見つけるためにも俺は生き続ける。それがどんなに辛く、挫けそうでも。」
「一夏。」
「さて、私もそろそろ他の任務に行かなくては。ところで篠ノ之君。」
ボイサーは箒の方を見る。
「は、はい。」
「一夏君はこの星を離れて私と同じ宇宙刑事を目指していこうと考えているが、君はどうする?この星に残ってまた政府の管理下に戻るか、君のお姉さんを探しに行くか。それとも、君もバード星にいくか。どちらにしても君の自由だ。」
「わ、私は・・・・・」
箒は一瞬戸惑うがすぐに決断する。
「私もバード星に行く!今のままじゃ私も変わらないし、マクーを倒さなければお父さん、お母さんの無念も晴らせない!」
箒の決心した顔を見てボイサーもマリーンも安心した顔をする。
「ではマリーン、彼らを頼む。」
「わかったわ、あなたも無理しないようにね。コム長官も心配しているんだから。」
「わかっている。では、一夏君、篠ノ之君。またどこかで会おう、今度は宇宙刑事として。」
「「はい!」」
かくして、一夏、箒はマリーンの手によってバード星へと旅立って行った。
その数日後、地球では第二回モンドグロッソ決勝での千冬の優勝、一夏の行方不明、そして日本政府の重要人物保護プログラムに登録されていた篠ノ之一家の謎の殺害事件が、ニュースを通じて報道された。一夏については千冬は捜査の続行を求めたが、犯人の所在も解らぬ為に打ち切り、箒に関しては遺体が確認できない為に生存の可能性があったが、それ以上の情報を掴むことがなく、ただ時が過ぎていった。
数年後 とある惑星
「・・・・・・コチラ一夏、コードネーム『ギャバン』。バード星、応答願います。」
「こちら、本部。どうぞ。」
とある惑星の任務を終え、一夏は帰還する前に任務完了の報告をしていた。彼の隣には箒が立っている。
「コム長官、惑星ガンマーでのマクーの鎮圧を完了しました。」
『ご苦労だった。任務が終わってすぐで悪いがすぐに戻ってきてくれないか?大事な話がある。』
「大事な話?わかりました。すぐに向かいます。」
バード星 銀河連邦警察本部
「え?地球のボイサーさんとの連絡が途絶えた?」
「派遣した宇宙刑事が裏切ったのですか?」
本部に戻ってから一夏と箒が聞いたことは地球にいたボイサーから通信が途絶えたということだった。
「信じられんことだが本当だ。それともう一つ、地球でのマクーの活動が活発になってきている。」
「ついにドン・ホラーが動き出した可能性があるのよ。」
「ドン・ホラー・・・・父さんと母さんを殺したマクーの首領・・・。」
箒は拳を握り締めながら言う。
「君たちには行方がわからなくなったボイサーに代わって地球に行ってきてもらいたい。この仕事は君たちが地球生まれだからこそ任せられることだ。」
「・・・・・地球か。」
一夏は思わず口にする。
懐かしくもあり、嫌な思い出のある地球。それでも、彼にとってはかけがえのない故郷なのだ。
「一夏。」
「わかってる、マクーの犯罪は必ず阻止して見せます!」
「それでこそ我等銀河連邦警察が誇る宇宙刑事だ。それとマリーン、例の物を。」
「はい。」
マリーンは二人に銀色のブレスレッドを渡す。
「長官、これは?」
「それは新型のコンバットスーツだ。」
「どうしていきなり新型を?」
「君たちには地球のIS学園に行ってもらうからだ。」
「「え?」」
二人は驚いた顔をして言う。
「ちょ、長官。俺たちもう二十歳ですよ!?学園になんて・・・・」
「わかっている。 だから年齢も偽装しているし、地球の方にも問い合わせてある。」
「そ、そんなこと言われても・・・・・なあ、箒も・・・」
「一夏ともう一度青春か・・・・・それも悪くないか。(ポッ)」
箒は少し顔を赤くしながら言う。
「お前な・・・・。」
「まあ、二人とも将来は夫婦になるんだから、仲良くして行って来てくれ。」
「「長官!!」」
二人は顔を赤くして答えた。箒の右手の薬指には宝石が付いた指輪が光っていた。
次回はキャラ紹介制作(予定)。