今回は前回の続きなのでそんなに長くないかも。
宇宙食開発研究所
一方、一夏の方も屋外に出てマクーの戦闘員たちと死闘を繰り広げていた。
「ふん!蒸着!」
一夏は右手を上空に翳してポーズを決めると一瞬にしてギャバンの姿になる。
「宇宙刑事、ギャバン!」
宇宙刑事ギャバンの蒸着タイムは、わずか0.05秒にすぎない!では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!!
「蒸着!!」
一夏はある程度の動作を行い右手を空に翳す。
するとスカイミューゼル社にあるコンバットスーツ電送装置が作動する。
『了解。コンバットスーツ、電送シマス。』
転送装置によりコンバットスーツは分子分解・電送し、一夏の体に吹き付けられるようにしてコンバットスーツが構成されていき蒸着が完了する。
「おのれ!全員かかれ!」
「千冬姉や蘭にまで手を出すとは許さんぞ!」
ギャバンは戦闘員たちに向かっていく。
魔空空間 魔空城
「宇宙刑事ギャバンめ・・・・・」
ドン・ホラーは目を光らせながら言う。
「申し訳ございません。まさか研究施設の居場所がバレていたとは・・・・・・」
ハンターキラーはおどおどとしながらも謝罪する。
「言い訳など聞く耳は持たん!魔空空間に引きずり込めっー!地軸転換装置を作動せよ!」
戦闘員たちは装置のレバーを引く。
ドン・ホラーは地軸を操作して魔空空間という一種のブラックホールを作り出す事が出来るのだっ!
出力を現すゲージがどんどん上昇し、レバーから火花が飛び散り、戦闘員たちが衝撃で吹き飛ばされ、ホラーガールは『ティキリキヤンヤンリキヤンヤンティキリキヤンヤンアンアンリキ』と訳の分からない呪文を唱え始める。
コンドルモンスターと交戦しているギャバンたちの目の前に空間に入り口が現れ、コンドルモンスターは空間へと吸い込まれて行ってしまった。
「サイバリアーン!」
ギャバンが叫び声をあげると同時に空のかなたからサイバリアンが飛んでくる。
「チュウ!」
ギャバンは掛け声と同時にサイバリアンへと飛び乗る。
「ギャバン!」
そこへレディギャバンが走ってきてジャンプする。ギャバンはそれを抱き止めると一緒に魔空空間へと突入していった。
魔空空間
「この辺にはいないようだな・・・・」
ギャバンたちは魔空空間を見ながら消えたコンドルモンスターを探していた。
「こうなったら二手に分かれるしかない。ギャバンはこの辺を、私は向こうを探してみる。」
「了解した。」
「外で千冬さんが待っているんだ。無理はしないでくれ。」
「箒もな。」
そう言うとギャバンはレディギャバンと別れて地上に降りる。地上に降りたギャバンは早速コンドルモンスターの捜索を始める。すると長い何かがギャバンの首に巻き付いた。
「ぐっ!?」
ギャバンが後ろを振り向くとそこにはコンドルモンスターがいた。コンドルモンスターは拘束したギャバンをいいことに振り回す。
「ぬうう!」
ギャバンは拘束を解くとコンドルモンスターと格闘戦を始める。
ベム怪獣は、魔空空間において地上の三倍のパワーを発揮することができるのだ!
コンドルモンスターは鞭を取り出し、近くにある生物の骨らしきものを巻き付けるとギャバンに向かって投げる。ギャバンはすかさず骨らしきものを拳で打ち砕いていく。
「グワアアア!!」
続いては槍のような武器を投げつけてきた。
「ぬっ!?」
ギャバンは槍を取ると急に全身に電流が流れた。
「うおおおおおおおお!!」
あまりの電流にギャバンは倒れる。槍はコンドルモンスターの元へと戻って行き、すかさず電流を飛ばしてくる。
「なんの!」
ギャバンは避けながら接近しようと試みる。しかし、砂埃が晴れた後コンドルモンスターは姿を消していた。
「逃がさん!レーザースコープ!」
ギャバンの両目が光り周囲を確認する。すると見えなかったコンドルモンスターが槍を構えながらこちらに向かってきているのが確認できた。
「カアアアアアアア!!!」
「レーザーZビーム!」
ギャバンは右腕から光線を放つ。見えているとは気づかないコンドルモンスターは当たった瞬間もだえ苦しむ。
「ギ、ギイ!?」
コンドルモンスターは倒れこみ大爆発を起こした。
「よし、次は・・・・・・」
「そこまでだギャバン!」
「ん!?」
ギャバンが後ろを振り向くと崖の上の方でダブルマンが剣と盾を持ち臨戦態勢を整えていた。
「フハハハハハハハ!!今度は俺が相手だ!」
ダブルマンは勢いよく崖から飛び降りて斬りかかる。ギャバンはガードをするが盾で突き飛ばされる。ギャバンもすかさず剣を出す。両者は剣の打ち合いへとなったがギャバンは一瞬の隙を逃さずダブルマンの盾を切断する。
「むむ・・・・おのれ!トゥワア!!」
ダブルマンは距離を取るべく大ジャンプをする。
「チュウ!」
ギャバンもジャンプをして追う。だが着地した瞬間ギャバンの動きが止まった。それはダブルマンが取り押さえている何かが原因だった。
「ち、千冬姉・・・・・・・」
それはマドカと一緒にいたはずの千冬の姿だった。千冬は手足をロープで拘束されたうえに口をふさがれ、ダブルマンの剣が首元へと迫っていた。
「武器を捨てろ!さもなければこの人質の命はないぞ!」
「う・・・・・・」
ギャバンに決断が迫られる。マクーが千冬を実験対象に選んだのはもう一つ理由があった。それはギャバン、一夏と千冬が姉弟であり、千冬を人質に取ればギャバンが手出しできないということにある。ダブルマンは脅していく。
「どうした!姉を見殺しにするつもりか?ギャバン!」
「んん!んんん!!!」
千冬は叫ぶかのように何かを言おうとしているがギャバンには届かない。ギャバンは止む得ず剣を捨てようとする。
「そうだ・・・・そのままおとなしく・・・・・」
「スパイラルキック!!」
「何!?うわあ!?」
勝利が見えたと感じたダブルマンは突如後ろから攻撃をしてきたレディギャバンの攻撃によって千冬を手放してしまう。
「ギャバン!今だ!」
「レーザーブレード!」
ギャバンは剣の刃にエネルギーを注ぎ込み光の剣と姿を変える。
「く、くそおおおおお!」
ダブルマンはがむしゃらに突っ込んでいく。
「ギャバン・ダイナミック!!」
ギャバンはレーザーブレードでダブルマンを真ん中から一刀両断にする。
「グ、グワアアアアアアアア!!!」
ダブルマンは断末魔の悲鳴を上げながら大爆発した。途端、魔空空間は解除され、ギャバンたちは元いた場所に戻ってきていた。千冬はレディギャバンに拘束を解かれ自由になる。千冬はギャバンを見る。
「・・・・・・一夏なんだな?本当に一夏なんだな!?」
千冬はギャバンに近づきながら言う。ギャバンは蒸着を解き、一夏の姿へと戻る。
「一夏・・・・・・・」
「久しぶり、千冬姉。」
一夏は千冬の震える声に対して照れくさいのかぎこちない笑顔でに言う。
「一夏ぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」
千冬は思いっきり一夏を抱きしめて泣き出した。
「一夏、一夏・・・・・・・」
「ゴメン、何も言わないでいなくなっちゃって。」
大粒の涙を零す千冬に対して一夏は落ち着かせるように言う。それでも千冬は泣き止まない。その光景を箒は少し離れたところで見守っていた。
「・・・・・よかったな、一夏。千冬さんに会えて・・・・・」
両親をマクーに殺されてしまった箒にとっては羨ましい光景だった。そこへマドカが慌てて走ってきた。
「箒姉さんごめんなさい!ダブルマンに襲われて千冬姉さんを・・・・・・」
「マドカ・・・・」
「あっ・・・・・」
マドカも状況を理解し、姉弟の再会をそっと見守った。
数時間後、一夏たち三人は千冬と共に五反田食堂へと車で向かっていた。
「そうか、篠ノ之の両親は私と五反田を襲った組織に殺されたのか・・・・」
「はい。」
「そして、そこにいる私にそっくりなマドカは亡国企業が計画した私の・・・・・・・・・すまなかったな。」
「オータムとスコール司令、それにギャバンのおかげで今では少し気が楽になりました。今は千冬姉さんのことを憎んだりはしてません。それによかったです、ギャバンと千冬姉さんがちゃんと会うことができて。」
車内で千冬は一夏たちのこれまでの経緯を聞いていた。そのほとんどが世界でもまだ把握しきっていないものばかりで千冬は困惑したが一夏や箒、そしてマクーの存在を知ったからには信じざるを得なかった。
「本当にゴメンな千冬姉。俺、正直昔千冬姉に合わせる顔がないって思っていたんだ。散々迷惑かけたのに今更になって戻ってくるなんて・・・・・・」
「それは違う。悪いのは私の方だ。私がしたばかりに世界を混乱させ、その上にお前が狙われているにもかかわらず守ってやれなくて・・・・・必ず守って見せると誓っていたのに・・・・・・」
「二人とももうその話はやめましょう!もう五反田さんの家に着くんですから。」
マドカに言われ二人は話を止める。
「・・・・・・マドカの言う通りだな。ありがとう、一夏。帰ってきてくれて。」
「ああ、ただいま。千冬姉。」
二人は三年ぶりの再会に思わず笑顔で笑った。
「それと篠ノ之。三年間の間、一夏のことを支えてくれてありがとうな。」
「私の方が一夏に助けられた方です。昔は荒れていましたから。」
「そう言えば小学生の頃、一夏が何気にこんなことを言っていたな。『箒はまるで女版ジャ〇アン』だって。」
「あっ。」
「一夏!」
箒は思わず顔を赤くして一夏に言う。
魔空城
「ベム計画の実行が不可能となったか・・・・」
ドン・ホラーは目を光らせながら言う。そこへ束がピョコっと現れる。
「おやおや~ずいぶんお怒りのようだけどどうしたのかな~?」
束の言い方にマクーの戦闘員たちは思わず止めようとするがドン・ホラーが敢えて言う。
「ベム計画が銀河連邦警察に知られた。」
「なるほどなるほど~これじゃあ計画の実行が不可能になったね~。」
「黙れ!篠ノ之束、まさか貴様が情報を漏らしたんじゃないのか!?」
ハンターキラーは思わず束を疑う。ドン・ホラーの脇ではホラーガールが薄気味悪く笑っている。
「え~~でも束さんは今回の件では研究室に籠っていたから詳しいことはわからないよ~?」
「貴様!」
「よさぬか!これによりベム計画は中止。引き続き別段階で進行中の計画を実行せよ!」
「はいは~い!ドンちゃんに頼みたいことがありま~す。」
「・・・・・・・聞こう。」
「束さんの方はね、一回魔空城から地球のラボに戻ろうと思うんだよね。まだあっちの研究中のやつもあるし・・・・・それに血の気の多いハンターちゃんが私がいると気に入らないようだし。」
「貴様・・・・・俺を侮辱する気か!」
「だって~ハンターちゃんいつも束さんが来るだけで怒るじゃん~。」
束は泣いた振りをしながらハンターキラーに文句を言うのであった。
宇宙刑事ギャバンとレディギャバンの活躍によりマクーのベム計画は阻止された。
一夏も千冬と再会し、本当の兄弟の絆を取り戻した。しかし、一夏は織斑に戻るのはもう少し待ってほしいと言った。
それは彼の命の恩人であり、自分の人生を大きく変えてくれたボイサーを見つけるまでだった。
そしてマクーとの戦いが終わるその日まで・・・・。
蒸着せよ!宇宙刑事ギャバン!!レディギャバン!!
・千冬がダブルマンに捕まった理由(本編でなかった描写)
マドカと共にいたところ魔空空間に向かう途中だったダブルマンに奇襲によって捕まった。ちなみに魔空空間に普通でいられたのは「宇宙刑事シャリバン」の時も確かに多様な描写があったため。
・現在の千冬とマドカの関係
一様織斑姉弟の仲間入りです(しかし、一夏はまだ一条寺のまま)。
・その後の五反田食堂
結局、スコールとオータムまで訪れることになり、弾は正式に宇宙刑事の訓練を受けることに(それまでは蓮や厳には内緒にしていたためオータムからの直伝だった)。
次回書くとしたら学園編になるので恐らくしばらくマクーの出番はないかも。