問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第九十八話

朝食を食べ終わった紫炎と耀は図書室に来ていた

 

「ほら、ここ間違えてるよ」

 

「え、マジか」

 

そこで耀が紫炎に英語を教えていた

 

ちなみに耀はメイド服からスーツに着替えていわゆる伊達メガネをかけていた

 

耀曰く「まずは見た目から」らしい

 

「てか、耀。何でお前が英語を教えてんだ?」

 

今日、十六夜は用事があるらしく現在コミュニティにいない

 

なので今日は英語を勉強しなくてもいいと喜んでいたのだが、何故か朝食後に耀にここで待ってるように言われたのだ

 

「メイドの仕事はご主人様のお世話が仕事だからだよ」

 

「それなら何で俺はお前に勉強を見てもらってるんだ?」

 

平然と答えるように紫炎は少し疲れた声で答える

 

「苦手なことを教えるのもメイドの務めですから」

 

耀は胸を張りつつ答える

 

(あんまり答えになってねぇ。てか、張ると小さいのがめだ)

 

紫炎が心の中でそう思っているといきなり耀の右ストレートが紫炎の顔に直撃する

 

「あ、ごめん」

 

身体が勝手に動いた耀がとりあえず謝る

 

「ああ。ちょっと膝借りるぞ」

 

「どうぞ」

 

紫炎の言葉に耀が答えると紫炎は耀の膝に頭を乗せる

 

「お休み」

 

「昼食までね」

 

耀の言葉を聞いて紫炎は意識を手放した

 

―――――――――――――――――――――

 

昼食の時間、全員が食堂に集まっていた

 

紫炎は何故かボコボコに殴られていた

 

「どうしたんだ?」

 

「知らね。なぜかボコボコに殴られてた」

 

碓氷が聞くと紫炎はさも当然のように答える

 

その言葉を聞いた碓氷が耀の方を見てみると、少し頬が赤いのに気付いた

 

ちなみに飛鳥は耀に何があったのか聞いている

 

「お前なんかしたんじゃないか?」

 

「かもしれん。寝ぼけてた時になんかしたかも」

 

紫炎が悩んでいると、話し終わったのか飛鳥が碓氷の下に戻ってきた

 

「紫炎君、ちゃんと春日部さんに謝っておきなさい。行きましょ、碓氷君」

 

「あ、うん」

 

飛鳥は少しとげのある言い方で紫炎にそう言うと、碓氷と一緒に少し離れた場所に移動した

 

(俺、一体何したんだ?)

 

飛鳥の態度を見てますます自分が何をしたのか不安になってきた

 

(何したかわからんがとりあえず謝ろ)

 

紫炎はそう決心して耀の近くに寄った

 

「耀。すまん」

 

紫炎はとりあえず頭を下げる

 

「私こそごめん。今回はいきなりだったから心構えができてなかっただけで次回からちゃんと言ってくれれば私も覚悟を・・・」

 

「本当に悪かった。だから落ち着け」

 

いつも以上にテンパってるのか早口でしゃべっている耀を見て紫炎はもう一度謝る

 

そして耀は深呼吸をする

 

「・・・落ち着いた。それじゃあ食べよ?」

 

「ああ」

 

そして耀と紫炎は近場に座って食事をとった

 

(俺、何やったんだ?)

 

朝食を食べた後も紫炎はそのことについて悩み続けた


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