問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第百話

翌日、紫炎、耀、飛鳥、碓氷の四人はウェディング体験のギフトゲームの開催場所にいた

 

「いよいよだね、紫炎」

 

耀が紫炎に向かってやる気満々でそう言ってくる

 

「ああ」

 

紫炎もいつになくやる気十分に答える

 

「紫炎、春日部さん。俺たちがいるのも忘れないでくれ。ね、飛鳥さん」

 

「え、ええ。が、頑張りましょうね。う、碓氷君」

 

飛鳥は恥ずかしいのか、顔を赤くしながら答える

 

『お待たせしました。今からウェディング体験をかけたギフトゲームを開催します』

 

四人が喋っていると、アナウンスが聞こえてきた

 

『今回はまず参加者を十二組になるようにふるい落としていきます』

 

四人はそれを聞いて少し驚く

 

周りを見てみると、最低でも五十組はいるであろう人数だった

 

「いきなり結構な人数を落とすな」

 

「でも私たちなら大丈夫だよ」

 

紫炎の言葉に耀が自信満々に答える

 

「私たちも頑張りましょうね、碓氷君」

 

「ええ。絶対に勝ちましょうね」

 

飛鳥と碓氷の方もお互いにやる気十分のようだ

 

『それではまずは扉を開けた先の特設会場に来てください』

 

アナウンスの声に従い扉を開けると、何か大きなアスレチックの様なものが見えた

 

『皆様にはこの巨大アスレチックをペアで挑んでもらいます。そして上位十二組が予選を通過といたします』

 

「存外単純だな」

 

アナウンスに紫炎が一人事を漏らすが、アナウンスはまだ続く

 

『なお、アスレチック内では必ずパートナーをお姫様抱っこで進んでもらいます。お姫様抱っこを解くと強制的にスタート地点に戻ってもらいます』

 

アナウンスのこの言葉を聞いた瞬間、飛鳥の顔が目に見えるくらい真っ赤になる

 

『それでは皆さん準備してください』

 

アナウンスが終わると、碓氷が飛鳥に近づく

 

「えっと。飛鳥、いいか?」

 

碓氷が顔を赤くして聞くと、飛鳥は余程恥ずかしいのか言葉を発さずに首を縦に振る

 

「じゃあ」

 

一言声をかけて飛鳥をお姫様抱っこする碓氷

 

「十六夜の言葉を借りるとお嬢様抱っこだな」

 

「うん」

 

紫炎と耀が二人を見てそう言う

 

ちなみに二人はアナウンスを聞いた瞬間、耀が飛びついてすぐさまお姫様抱っこをした

 

今は耀が紫炎の首に手をまわしている

 

「なあ、碓氷。一つ提案がある」

 

「なんだ?」

 

「互いの邪魔はしないってのはどうだ?」

 

「それはありがたい。その提案、乗るよ」

 

紫炎の提案に碓氷はすぐにそれに乗る

 

飛鳥のギフトはこういうゲームには最適だが、今は恥ずかしさが頂点に達して言葉を発せれない状態である

 

それに耀はペガサスのギフトにより、その状態のまま攻撃も出来る

 

総合的に考えて提案に乗った方が得という結論に至った

 

紫炎は碓氷が提案に乗ったのでその場から少し離れた場所に移動した

 

『それではウェディング体験をかけた予選のゲームを始めます!』

 

そしてゲーム開始の合図が出された

 


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